Made in Indiaな携帯電話


先日インド製の携帯電話を購入した。というより正確に言うとノキアの携帯電話を買ったらインド製だった。一般的にこの手の製品は、現在は中国製が多数を占めるだけにインド製というのは逆に珍しいと思い調べてみると、ノキアは2006年からインドで製造を始めていることがわかった。世界有数の携帯電話会社の製品が中国以外の国で製造されるようになっていることを考えると、今後の流れとして電化製品やPCといった精密機器等の製造が中国以外で行われるということが珍しくなくなるのかもしれない。そういえば昔、インド製の激安HDDがあった(買って3カ月もせずにすぐに基盤がぶっ飛んだ記憶がある)。


工業製品を人件費の安い地域で製造するのは当たり前で、中国でも沿岸部からより人件費が安く済む内陸部へと工場が移動しつつあるようだ。電化製品以外に目を向けると、バングラデシュ製の衣料品といったモノも珍しくなりつつある。各製品の最終組み立て地域の近くには、そこへ納入する部品工場が進出する事も多い。

一度あるジャンルの工場が作られれば、その製品に関連する技術が広まり技術力が高くなっていく。実際、ノキアのインドの工場はチェンナイの市街地から西へ30km程のところにあるが、地図を見ると隣にはFoxconn(鴻海)の工場もあるようだ。日本などの先端技術が韓国や中国に渡り、日本の大手メーカーを苦しめているが、次はインドに広まろうとしている。

今回購入したインド製の携帯電話は「Asha 303」という、主にインドなどの発展途上国で使われる従来型携帯電話とスマートフォンの中間にあるような製品だ。ノキアはこのAshaシリーズなどを、中東において「Smartphone Lite」というジャンルに位置づけている。スマートフォンほど高性能では無いがFacebookやTwitterなどのSNSや、メール、地図、Webなど各種インターネットサービスに接続できAngry Birdsなどのアプリも用意されている。
このシリーズの価格は日本円で1万円前後で、発展途上国でも比較的収入が多い方に向けた製品だ。Asha 303はその中でもWi-Fiやタッチスクリーンに対応するハイエンドモデルなので、価格は日本円にすると1万3千円くらいだった。

バッテリーのふたと本体の色が全く違う赤


インド製だからといって、品質が悪いわけではなく、品質は中国製などと比較しても変わることは何もなかった。唯一おかしいかなと思った点は、本体に赤いカラーを選んだのだが、アルミ製のバッテリーのふたとプラスチック製の本体の赤色が、全く違う赤というよくわからないデザインになっているところくらいだ。それ以外は1万円程度で買える携帯電話と考えても品質は悪くない。

このような製品の製造は、最需要国で行っているのだろう。実際、この携帯電話はインド周辺でほとんどが販売されている。ただし、技術力が付けば近い将来は日本でも使われるような電化製品でも、インドなどあまりなじみの無かった地域で製造された製品が増えてくるだろうことは確実だろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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