社内業務ペーパーゼロ宣言


ソフトバンクの孫社長が2011年3月期決算説明会において、社内のペーパーレス「社内業務ペーパーゼロ宣言」を行ったことを公表した。オフィスのIT化がここ20年ほどで急速に進展し、端末の性能も飛躍的に向上しているが、なかなか減らないのが紙だ。ペーパーレスの話題になると、単に紙をなくす事が目的と思い込む方も多いが、その目的は他のところにある。

孫社長の会見はUstreamの録画があり、紙ゼロは52分くらいから

ペーパーレス(紙ゼロ)は、一般的に社内で使われている紙による手続きを電子化したり、無駄なコピーをなくす事が直接的な目標だ。よく誤解する人もいるが、メモに使うような手帳や、トイレットペーパーをなくすという話ではない。メモなどに使うような紙は、iPhoneなどのスマートフォンで代用することもできるが、紙とペンの使い勝手を越えるアプリはまだ登場しておらず、この用途をすべて電子化するのは無理がある。そもそも、この用途で使われる紙の量は、会議などで配られる紙の資料などに比べると微々たる量だ。

一般の企業で大量に使用している紙は、社内外の手続きで使用する紙や報告書、会議などで使用する紙だ。
特に最近の会議などでよく配られるプレゼンソフトからのハンズアウトは、PCなどからプリンターで出力し、会議の参加人数に合わせてコピーしたりする。会議中に参加者が手元で見たりメモするのに使われるが、会議が終われば処分する人もいるし、個別にファイルする人もいる。

個別にファイルする方は個人の持ち物などとして、ロッカーなどにしまわれたり、机の周りに放置されたりする。そのプロジェクトが進行中は使われることもあるが、おそらくほとんどの場合、二度と読まれない。

社外などに報告するための紙は必要な場合もあるが、会議などで人数分コピーして配るような大量の資料は無駄遣いの最たる例だ。会議の参加者は、PCやタブレットを持ち込めば紙の資料は必要なくなる。どうしても、PCやタブレットを用意できない方に、紙で出力した物を用意すればいいだけで、全員に配る必要はない。

社内手続きで使われる書類も同様で、わざわざ専用の用紙を作り、その手続きのために手書きで記入したり、プリンターで出力することを前提とした用紙を、決算のためにハンコを押すなりして紙を回覧するような手続きそのものが無駄だ。社内にPCなどが完備されているのなら、すべて電子化した決済手段を使えばいいだけであり、わざわざ紙の書類を残す必要はない。

このように紙ゼロは、単に使用する紙をなくすだけのが目的なのではなく、業務を改革し、IT化で業務を効率化し、時間やコストなどを削減するためにあるのだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。


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