「GoogleDrive」の登場でオンラインストレージサービスの競争が激化する中、Microsoft(MS)の「SkyDrive」が機能アップし、各プラットフォーム向けクライアントソフトの提供が始まった。変更点や注意点をまとめてみた。


■「Windows Live」は消滅し名称変更へ
MSは今年末の「Windows 8」の発売を機に、「Windows Live」のブランド名で提供されてきたクラウドサービスを見直す意向のようだ。「Dropbox」「SugarSync」などが激しくサービスを競い合い、「GoogleDrive」がこれに割って入ろうとする中、MSも「本気」になったのだろう。

以下に紹介するSkydriveの機能アップ(仕様見直し)を考えると、筆者としては、単なる「ブランド名の変更」にとどまらず、MSがクラウドサービスに本格的に注力してくることを期待してしまうのだが、どうなるか楽しみだ。

■SkyDriveが「Dropbox化」?
従来のSkyDriveは、Webブラウザを使ってファイルをクラウド上に転送するサービスであった。このコンセプトは現在も維持されているが、新たに、Windows、MacOS X、Windows Phone、iOSという各プラットフォーム向けのクライアントアプリケーションがリリースされた。

とくに、WindowsやMacOS X向けのアプリをインストールすると、「My Document」(MacOS Xでは「ホーム」)フォルダ内に「SkyDrive」フォルダが作成される。このフォルダ内にあるファイルは、自動的にクラウド上のSkyDriveに転送され、すでにクラウド上にあるファイルはダウンロードされる。

どこかで聞いたことはないだろうか? そう、これはDropboxやSugarSyncの「マジックブリーフケース」のコンセプトであり、GoogleDriveが追随した機能である。クラウド型オンラインストレージサービスの「総Dropbox化」とも言うべき現象である。

■使い分けが考えもの
このようにSkyDriveが機能アップしたことは、もちろん歓迎すべきことだ。当初の無料スペースは25GBから7GBへと縮小されたが、期間限定で25GBにアップグレードできる。ちなみに、20GBの増量は年800円、50GBでは同2,000円、100GBで同4,000円だ。7GBのままでも、2GBのDropboxや5GBのGoogleDriveよりも大きい。

だが、友人の紹介などでDropbox容量を増量しているユーザーにとっては、7GBという容量もさほど魅力的ではない。従来はWebからのアップロードのみだった(ローカルにファイルを保持する必要がない)だけに、ファイルの使用頻度などに合わせた、DropboxとSkyDriveの「使い分け」ができた(使用頻度の高いファイルはDropboxに保持し、そうでないファイルはSkyDriveにバックアップするなど)。だが、各プラットフォーム向けのクライアントをインストールすると、すでにアップロード済みのファイルが自動的にダウンロードされてしまい、筆者のように「転送専用」で利用することができなくなる。

「転送専用」で利用するには、クライアントをインストールせず、Webベースでの利用に限ればよいのだが、何か損をしたような気分になる。クラウドサービスの機能が似てくるのは不可避で、し烈なサバイバル競争に突入したことを示すものではある。逆に、各サービスを併行利用しているユーザーにとっては、使い分けが悩ましくなったと言えるだろう。

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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