最近は音楽CDの売上げが以前に比べて減少しているようだが、音楽コンテンツ自体はダウンロード販売など、文字通り形を変えて音楽ビジネスは続いている。CDの前はレコードやカセットテープが主流で、時代やテクノロジーの変化で、音楽を記録するメディアが変わっていくのは当然だ。いままでCDを購入していたような人も、これからはダウンロード購入へ移行していくだろうが、個人的にはCDの方が様々な点で利便性が高いと認識しており、これからも基本的にCDを購入していこうと考えている。その理由は?
本は、紙ではなくなるべくなら利便性の高い電子書籍で購入したいが、日本では電子書籍のコンテンツ数が多くないので仕方なしに紙で購入している。ただ音楽の場合、ネット上でいつでもどこでも購入できるダウンロードの方が利便性は高いが、音楽を聞く用途やコストを考えると、音楽CDを購入した方が何かと都合が良いというのが筆者の持論だ。

■ほとんどの音楽CDはリッピングが簡単
一般的に、音楽CDを購入する場合、ジャケットや歌詞カード、特殊な例では握手券など、音楽と直接関係の無いものに価値を求める方もいるが、音楽CDの利点は、高音質の音をリッピングし放題な点にあると思う。
コピーガードがかかってない音楽CDは、光学ドライブに入れ、数分待つだけで私的利用の範囲でコピーが自由なデジタルデータとしてPCに取り込むことができる。これは、本を裁断して1ページずつスキャンする紙の本のデジタル化(いわゆる自炊)とは比較にならないほど楽にできる。

■音楽CDなら非圧縮の音源を手に入れられる
最近はiTunes Storeなども権利保護のDRMを外し、ファイル自体を様々な用途に使えるようになっているが、提供されるファイルはAACの256Kbpsで圧縮された物だ。256Kbpsに圧縮された音と元データとの差は、高級オーディオで聞き比べれば何となく違うかなというレベルで個人的にはその差はよくわからない。しかし、データ的によりオリジナルに近い音楽CDの方が価値は高いと思うし、圧縮などもその音楽CDを購入した所有者なら自由にできる。

■音楽CDの方が長い目で見ると安く買える
さらに、音楽CDを購入する際に消費者としてメリットが高いのが中古商品や内外価格差だ。邦楽CDはアルバム1枚3,000円程度だが、ダウンロード版はiTunes Storeで2,000円程度。これが中古CDなら100円~1,500円程度で販売されていることもある。当然ながら新譜がすぐに中古に回って100円で買うというのは難しいが、少し時間が経てばダウンロード版より安く音楽CDを手に入れることができる。もちろん、中古市場でもなかなか値段が下がらないCDもあり、すべて同じ条件ではないが、新譜をどうしても早く手に入れたいのでなければ中古などで値が下がったCDを購入したほうが安い。また、洋楽の場合、海外からまとめて購入すれば送料を含めても日本で新品を買ったり、ダウンロードするよりも安いことが多い。

ということで、デジタルデータとして簡単にPCに取り込め、そのデータは私的利用の範囲で利用者が自由に利用できるため、結局はダウンロード版より購入コストが安くなる音楽CDが、今後も個人的な音楽コンテンツの入手手段であることは間違いないと思うのだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。


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