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livedoorニュースビューア |
日本国内では、スマートフォンというとiPhoneを思い浮かべる人が多いかもしれないが、世界的にはOSにAndroidを採用した、いわゆるAndroid携帯も大きな注目を集めている。
そんなAndroid携帯向けにlivedoorニュースのビューアを開発した株式会社 MIUに、Androidアプリを開発するまでに至った経緯や今後の展開をお話しいただいた。
■携帯電話アプリからAndroidアプリへ
株式会社 MIUは、WebシステムやiPhoneアプリの開発を行ってきた。これまでAndroid端末向けアプリを制作してきたわけでないという。
では、なぜ、Android端末向けアプリケーションの開発に着手したのだろうか。
担当の加藤氏は、
「Androidは、オープンソースということもあり、モバイル市場で大きく飛躍する可能性が高いですね。また、既に海外ではAndroidマーケットというインターネット市場でユーザー作成のソフトウェアは多数公開されています。いち早くAndroidアプリケーションの開発に着手して、ノウハウとスキルを高めたかった。またiPhoneアプリ開発と同時に、Androidのニーズも高まるものと考えている」という。
そんなとき株式会社 MIUの門をモハメド氏が叩いたそうだ。
モハメド氏は、携帯電話向けのアプリケーション開発を得意とするプログラマー。日本への技術留学中に日本が好きになり、現在はMIUに就職し携帯電話向けのアプリケーションの開発を行っている。
モハメド氏は、livedoorニュースを閲覧できるAndroid向けのアプリケーションを開発したわけだが、そもそもAndroid端末に興味を持った理由は何だったのだろうか。
「だいぶ前から携帯の開発はしていたので、ナチュラル(自然)です。Androidアプリの開発は携帯に似ています。」という。
携帯電話アプリはJava言語がベースとなっているので、これまで携帯アプリを開発してきたモハメド氏にとってAndroidアプリの開発は取り組みやすかったそうだ。
ただ実際に開発してみると、Android OSの細かい仕様は、まだ世の中にあまり出回っていないことから、トラブル回避などで苦労したという。Android関連の情報源としては、Googleが提供している資料やインターネットのAndroid開発サイト、およびユーザーグループから得た情報も大きかったという。
Androidアプリを開発するにあたり苦労した点をうかがってみると、
「Androidらしいデザインにすることですね。」という答えが返ってきた。
AndroidはiPhoneとは違ってハードウェアキーもあるので、Androidオリジナルのインターフェイスを活かすアプリケーション作りに心掛けという。
■開発予想と実際は大違い
ライブドアからAndroid向けのビューア開発の話がきて、どれくらいで開発したのだろうか?
モハメド氏は、
「二ヶ月くらいです。話をいただいてから基本仕様が固まってベースとなるドラフト版ができるまで一ヶ月。そのあとにAndroid専用にカスタマイズしてブラッシュアップして仕上げたのに一ヶ月という流れです。」と答えてくれた。
意外とドラフト版までは、スムーズにいっていたそうだが、実際にフィードを取り込んでデータをパースしていく段階では、細かいバグフィックスやOSの仕様から、意外に苦戦したという。当初、プロダクトチームで考えたときには、およそ2週間でブラッシュアップも済ませて仕上がると推測したが、知られてない問題などが発生し、そのぶん時間が掛かってしまったという。初期バージョンの完成にこぎつけるまで、3回くらい大きな山があったそうだ。
実は、デザインや機能を変更すればクリアできたところもあったそうだが、そこはあえて変更はしなかったという。
その理由を担当の加藤氏は、
「妥協すれば回避できたのですが、当初提案したインターフェイスをネイティブなAndroidアプリケーションとして作成したかったのです。」
ところで、今回のビューアの最大の特徴は何だろうか。
その辺の話をモハメド氏にうかがってみると、
「複数のカテゴリーのフィードに対応している点と、リアルタイムに読み込んでいく点ですね。」という答えがかえってきた。
スマートフォンのアプリケーションの中には、機能よりも使い勝手を優先させるものも多々あるが、今回のAndroidアプリの場合には機能と使い勝手とを両立させたそうだ。
現在、日本国内のAndroid携帯としては、ドコモのHT-03Aがあり、AndroidのOSバージョンは1.5から1.6への移行時期にある。OSの仕様的には、すでに2.0まで公開されているので、今回のビューアでは最初から2.0へのバージョンアップを見込んでの開発をしているという。
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livedoorニュースビューアの画面 |
■オープンソースであるが故の開発のしやすさ
プログラミングの知識に乏しい者からすると、先入観かもしれないが、アプリケーションの開発は難しそうに思える。
モハメド氏は、「(Androidアプリの開発について)オープンなので、自分が作らなくても良い部分がたくさんあります。
たとえば、既に公開されているソースを組み込むことで、作業を効率化できるのです。」と、オープンソースのメリットを教えてくれた。
世界中にあるオープンソースのプログラムを利用したり、参考にすることで、高機能なアプリケーションが早く作れるようになるという。
■アップデートなど、今後の展開は?
ところで、livedoorニュースビューアを入手するには、どうすれば良いのだろうか。
アプリケーションの配布についてモハメド氏にうかがってみると、
「今回はAndroidマーケットで配布予定です。」とのこと。
「livedoorニュースビューア」入手先※
http://market.android.com/search?q=pname:com.miu.android.ldreader
※Android携帯から上記URLを叩くことで、マーケットにリンクされる。それ以外はエラー表示となる。
アップデートなど、今後の展開をどのように考えているのだろうか。モハメド氏にうかがってみると、
「読み込み速度のさらなる向上や、バックグランドでのキャッシュなど、いくつかのバージョンアップは考えています。あと、今は内緒ですが、今、流行りのものにリンクできる面白い機能を入れ込む予定です。」と、うれしい答えが返ってきた。
日本国内では現在、Android携帯としてはドコモのHT03Aしかない状況だ。ただし、海外では新製品がすでに発表されていること、また先日もソフトバンクからAndroid携帯が来春リリースがアナウンスされたことからも、今後は爆発的に増えることが十分に考えられる。そういう意味で、Androidアプリケーションの今後は、明るいものと言えるであろう。
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