Ubuntu(ウブントゥ)には多くのアプリが付属するが、それだけでは十分でないこともある。たとえば、人気のクラウドサービスEvernote用のクライアントは提供されていない。

だが、世界中の開発者がアプリを開発し、ほとんどが無償提供されているLinuxの世界。「非公式アプリ」とはいえ互換性のあるアプリが提供されている。今回は、Evernote用のクライアント「NixNote」を紹介しよう。


■「NixNote」をダウンロード
「NixNote」は、下記のサイトからダウンロードする。インストールパッケージは、ホームフォルダの「ダウンロード」に保存されている。

インストールするには、以前のLinuxのように長いコマンドをタイプする必要はない。パッケージのアイコンをダブルクリックするだけだが、途中でパスワードの入力を求められるところだけがWindowsと異なる点だ。インストールは「Ubuntuソフトウェアセンター」が管理している。

■外観は公式アプリにそっくり
最初の起動は、ランチャー最上部にある「Dashホーム」から行う。JAVAを実行環境としているため、キリンが描かれたスプラッシュ画面があらわれるなど起動は速くはないが、起動後の動作は軽快だ。なお、「NixNote」をランチャーに常時登録したい場合は、起動時にランチャーにあらわれるキリンのアイコンを右クリックして登録する。

外観は公式アプリと大きな違いはなく、ノートの追加や削除も簡単だ。ノートの表示方法は微妙に異なるが、「リスト」「サマリー」「カード」の3種類がしっかり用意されている。リストの場合、標準で「引用元URL」や「作成者」など多数の項目が表示されるが、設定の変更で減らすことも可能だ。

Evernoteのアカウントは、[編集]→[設定]で設定する。同期を自動、15分間隔、手動などに設定できる点も、公式アプリとそん色ない。ただ、Firefoxのアドオンである「Evernote Web Clipper」との連動はできない。

■公式アプリではない点は注意
一通り使ってみたが、設定したタグが完全に反映されないなど、細かな問題が起きた。また、いちどに大量のノートを同期しようとすると、異常終了してしまうこともあった。

公式アプリではない関係上、「ぜいたくを言えない」のも事実で、こうした点を差し引いても、「NixNote」はなかなかに使えるアプリといえる。Linuxでは、こうした非公式アプリが充実している。たとえば、ミュージックプレイヤーの「Rhythmbox」は、iPodとの楽曲同期もできる(著作権保護機能付きの楽曲は不可)。

非公式アプリは、Ubuntuを日常的に使うためのハードルを下げてくれるありがたい存在なのだ。


NixNote

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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