本会議で改正著作権法の説明を行う文教科学委員長の野上浩太郎議員


昨日の記事「わずか7分で散会! 改正著作権法案が参院文教科学委員会を通過!」の後、参議院本会議が行われ、「著作権法の一部を改正する法律案(閣法第64号)」は、賛成221、反対12で可決された。

改正著作権法の投票結果


これにより改正著作権法は10月1日に施行され、日本のネットユーザーがいわば“犯罪予備軍”になったと言っても過言ではない。スマホやPCを所有しネットに接続していれば警察が好きな時に嫌疑をかけて、違法ダウンロードで引っ張ってこれる暗黒時代が到来する。例えるなら交通安全運動と同じように次から次へと検挙しまくるように違法ダウンロードユーザーを検挙しまくり、日本の警察の検挙率の高さを世界に誇示する宣伝のために利用される、なんてことになるかもしれない。

ネットからファイルを落とさないから「自分は平気だ」なんて思って高をくくっていたら、とんでもないことになるかもしれない。長期に渡って同一PCを使っていたなら、今回の改正で違法とされるファイルの1つや2つはあるかもしれない。それらが数多あるフォルダの中にうずもれてしまった場合、PCを押収され検索されれば、出てくるわけで、忘れていたファイルのために「クロ」判定されて強引に有罪に持ち込まれる可能性だってある。警察庁も恣意的な運用はしないと言ってはいるが、将来的にどうなるかは未知数だ。

決まってしまったことは仕方ないが、この参議院本会議の様子は、インターネット参議院中継サイトで「6月20日」「本会議」で検索すればアーカイブが見つかる。再生したら52分後からその様子を見ることができる。文教科学委員長の野上浩太郎議員の説明から始まり、投票まであっという間に進み、可決される様子は、あまりにもあっけないほどだ。

これで音楽CDの売り上げが上がらなかった場合、改正を推進した連中は、どう責任を取るのかといったことも含めてもう少し状況を見守っていく必要はあるだろう。もし、この改正が明らかに悪法であるとなれば、さらなる改正案を出してもらい、国会議員さん達には改悪を元に戻す本当の意味での“改正”を行っていただきたい。

今回、この問題に関してネットユーザーの注目度は、抜群に高かったものの、一般的なユーザーにはいまひとつ今回の改正案の危険性を伝えることができなかった点を反省し、IT系メディア側は今後の記事化や告知の方法について、さらに考えていく必要があると思う。


参議院インターネット審議中継

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