WindowsやMacOS XといったメジャーなOS以外の例えばLinuxディストリビューションなどを使う際に問題になるのは、各種アプリが充実しているかどうかに加えてIM(Input Method:日本語入力ツール)の問題がある。

Ubuntu(ウブントゥ)などのLinux環境では、かつてはCanna(カンナ)やWnn(ウーンヌ)などが使われていたが、変換効率ではMicrosoftのMS-IMEやJustsystemのATOKには遠く及ばない。今回は、日本語環境を改善する方法だ。


■標準では「Anthy」が付属
Ubuntuには、標準で「Anthy」(アンシー)というIMが付属する。フリーであり非常に軽快に動作する。ゆえに、別途IMをインストールする必要性はないようにうも思えるが、残念ながら変換効率が悪くWindowsの日本語入力に慣れた人は、かなりストレスを感じてしまうだろう。例えば「この問題を首尾よく解決するには」と入力しようとすると、「子の問題を守備欲界ケツするには」となり、いかにも「トホホ」な感じになってしまうのだ。

なお商用では、Justsystemが「ATOK X3 for Linux」を販売している。ATOK 2007をLinuxに移植したものなのでかなり優秀だが、ダウンロード版でも7,350円と安くはない。やはり、無償で使えるLinuxらしく日本語入力もフリーで環境を構築したいと思っている人も多いはずだ。

■Googleの「Mozc」が使える
そこで使いたいのが、Googleが開発している「Mozc」(モズク)だ。

Mozcは、Windows、MacOS X版がある「Google日本語入力」のオープンソース版。もともとは、同社の開発するLinuxベースのOSである「Chrome OS」への対応を目的としたものだ。

ただし、Windows版などとは異なり、Google検索のアルゴリズムを反映させた辞書データは使われていない。このため、ネット上の流行語などの変換では劣るものの、それでもかなりすぐれた変換効率を実現している。

■インストールと設定は簡単
Mozcのインストールは簡単だ。「Ubuntuソフトウェアセンター」でMozcを検索すると、「Mozc engine for IBus」が見つかるはずだ。ここから「インストール」をクリックしたら、パスワードをタイプするだけだ。

再起動し、画面上部のバーにあるキーボードのアイコンをクリックして「設定」を選ぶ。開いたダイアログで「インプットメソッド」タブを選び、「使用するインプットメソッドをカスタマイズ」にチェックを入れる。

さらに「Mozc」を選んで「上へ」をクリックし優先順位を上げておく。これでOKだ。

さて、Mozcで先の「この問題を首尾よく解決するには」を試したところ、一発で意図通りに変換できた。

デスクトップでの使用時はもちろん、USBメモリでUbuntuを持ち歩くような際にも、Mozcをインストールしておくとよいだろう。


Ubuntu Japanese Team

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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