Ubuntuには、Officeアプリケーションとして「LibreOffice」(リブレ・オフィス)が搭載されている。

無料で多機能、しかもクロスプラットフォームという特徴を持っている。ということで今回は、LibreOfficeを紹介する。


■「LibreOffice前史」ーOpenOffice
LibreOfficeはオープンソースで開発されているソフト群だが、同じくオープンソースのOpenOfficeを起源とするものだ。

OpenOfficeは、ドイツの企業が開発していたMicrosoft Office互換のソフト「StarOffice」をSun Microsystemsが買収して公開したもの。その後、OracleがSunを買収したことから、OpenOffice開発チームの一部が分かれて開発を始めたのが、LibreOfficeである。別途、OpenOfficeも開発が続いている(派生ソフトとして、Mac専用の「NeoOffice」もある)。

ということで、LibreOfficeとOpenOfficeは一種の「兄弟プロジェクト」といえる。両者の間に共通性が多いが、違いもある。基本的に、LibreOfficeの方がやや機能が豊富だ。ほとんどのLinuxディストリビューションはOpenOfficeではなくLibreOfficeを支持しているため、UbuntuにもLibreOfficeが採用されている。

■高い互換性
LibreOfficeは、以下のソフトで構成されている。各ソフトの名称は、OpenOfficeでも同じだ。

・Calc(表計算)
・Writer(ワープロ)
・Impress(プレゼンテーション)
・Draw(ドロー)
・Base(データベース)
・Math(数式エディタ)

冒頭の画像はCalcのもので、Office2003までのExcelと非常に似た外観であることが分かる。最新バージョンは3.5.5で、MS Officeとの互換性向上、自動アップデート通知機能などの改善が施されている。

Excelで言うと、3Dグラフやマクロなど、MS Office特有の機能を使っていない限り、再現性はそこそこのレベルだ。一般的な棒・折れ線・円グラフの範囲なら、互換性は高い。

■クロスプラットフォームとポータブル性
LibreOfficeはLinuxだけでなく、Windows/Mac向けにも提供されている。LibreOfficeはMS Office形式でのファイル保存も可能なため、代替が効く。

また、Windows版のみだが、「LibreOffice Portable」という形式での配布が行われている。これは、USBメモリにインストールするためのエディションで、機能はインストール版のLibreOfficeと変わらない。Windowsユーザーからすれば、レジストリを使わず、しかも持ち歩けるという便利さがある。MS Officeのユーザーであっても、この利便性は見逃せない点だろう。

LibreOfficeには、今後も機能追加が期待できる。「MS Officeでなければならない」という事情がない限り、無料のLibreOfficeを使うのも選択肢に入れてよいだろう。


Libre Office
LibreOffice Portable

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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