あまりにも熱すぎるのでパームレストに触れないように手を浮かしてキーボードを使う


MacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、様々な面で一歩先行くノートパソコンといえるが、残念なことに他のノートパソコンと変わらないのが発熱だ。この製品には冷却ファンが2つ付き、ファンの改良でノイズが少ないというのも改良点の1つだが、気温の高いところで使用すると、負荷をかけなくてもファンが勢いよく回転し発熱もすごい。夏になってみないと気が付かない点であった。
■拷問環境では熱くて触ってられない
筆者の作業場は一般的に見ると非常に特殊だ。日中は震災後の節電以前から基本的に冷房を使用していない。作業場自体の問題もあり、夏の日中の室温は35℃から40℃程度になる。この製品の仕様によれば動作時温度が10℃から35℃なので、この仕様を超えている。レノボのThinkPad開発現場でもないのに、夏になると各種電子機器の拷問テストを行っているような状況だ。

今まで、この環境のせいで動作がおかしくなった製品はないが、過去使用した様々なノートパソコンはどれも熱くなりすぎて、使用していると低温やけどのような状態になる。2012年は7月中旬より全国的に猛暑日となったが、ちょうどこのころからMacBook Pro Retinaモデルも熱くなりすぎて、パームレストに手を置けないような状態になっている。

■発熱と排熱は今後改善するのか
MacBook Proのような薄型の製品は、発熱と排熱が問題だ。今回のモデルも、裏面のCPUなどを配置している部分近くや、キーボードのCPU近くなどの発熱はそもそも高かったが、空調が効いている場所で使う場合は気になるほどの温度にはならない。

室温が35℃を超えているような環境の場合、しばらく使用していると、バッテリーしかないようなパームレスト部分も触っているのがつらくなるほど熱くなる。

2つある冷却ファンは猛暑日の筆者の作業場で、文書入力などが主な使用用途の時に、iStat nanoで確認すると、おおよそ2000rpmから4000rpm程度で回転する。ファンノイズは3000rpm以下だとほとんど聞こえないが、室温が高いこともあり、筐体の熱はかなり高くなる。

ノートパソコンを底面から冷却するファンなどを使用しても、キーボード面の熱を押さえることはできない。ノートパソコンは一般的に部屋で使うデバイスだ。先進国なら気温が高ければ一般的に冷房を使うため、筆者の環境のように触っていられなくなるほど熱くなるような使われ方はほとんどないだろう。

今後のノートパソコンはバッテリー駆動時間を延ばすために消費電力をさらに下げ、発熱なども下がっていくだろう。真夏の筆者のような特殊な環境でも、発熱を抑え、問題なく使用できるような製品の登場はいつになるだろうか。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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