ドコモのスペック表より


パソコンに関する知識がある人がAndroidスマートフォンを選ぶときに、見慣れていなくて困惑するのはスペック表などに書かれているROMとRAMだ。

「RAMの量は性能に直結するので多い方がいいが、こっちのROMって何だろう?」と戸惑う人が多いのではなかろうか? 個人的にもこの表記をたまに見ると混乱するが、AndroidにおけるROMとRAMの意味を整理してみよう。

パソコンなどの世界では、ROMはRead Only Memory、RAMはRandam Access Memoryの略で使われている。ROMは、すでに書き込まれたデータが記録されている部品で書き換え不能。RAMは、CPUが計算に使用する場所のような認識の方が多いと思う。

パソコンの世界では、古くはNECのPC-9800シリーズのように漢字ROMなどが使われていたが、現在では使われていない。ROMの容量はスペック上、何の意味もなく、パソコンのスペック表からもこの項目は消えている。

■AndroidにおけるROMとRAMの意味
しかし、日本のAndroidスマートフォンのスペック表を見ると、ROMとRAMという項目でそれぞれの容量が表記されているケースがある。

Androidの世界では、RAMはパソコンなどと同じメインメモリーの意味だが、ROMは内蔵ストレージのことを表している。つまり、「ROM 16GB」と書かれていた場合、端末にフラッシュメモリが16GB内蔵されているという意味だ。ここにアプリをダウンロードしたり、各種データを保存することができるので大きければ大きい方がいいが、あまり活用しなければ大きすぎても意味はない。

この16GBの中にOSやプリインストール済みのアプリなどが入っているので、実際に使える量は機種によるが12GB前後になる。

■ROMという表現を使っているのは日本だけ
全世界を調べたわけではないが、英語圏などを中心に各携帯電話キャリアなどのAndroidのスペック表をみると、「ROM」と表記しているところはない。大抵は「Internal Memory」という「内蔵メモリ」のような意味の用語が使われている。

ちなみに2012年8月現在日本の主要携帯電話各社の表記は
ドコモ メモリ ROM
au 内蔵メモリ (ROM)
ソフトバンク メモリ ROM
というようになっている。アップルのiPhoneは「容量」

■ROMという表記はやめてはどうか
Androidの内蔵ストレージ、SSDやUSBメモリ、SDカードなどに使われているNAND型フラッシュメモリはRead Onlyではないが、ROMと分類されることもあり、ROMという表記が間違っているわけではない。

しかし、一般ユーザーがみるカタログなどにROMやRAMと書いてあっても、意味がわからない方が多いのではないだろうか。販売店によってはこのあたりを工夫している店もあるようで、auは「内蔵メモリ(ROM)」と表記しており比較的親切といえるだろう。

携帯キャリアなどは当然として、ブログなどを書く方も含めこの表記は改善すべきではなかろうか?

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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