![]() |
グローバルモデルではAndroid 4.0へのバージョンアップが行われているXperia ray |
OSにAndroidを採用したスマートフォンを選ぶ場合、全世界的に見て売れ筋の製品を選んだ方が、その後のバージョンアップやサポートなど、様々な面でメリットが多いというのが定説だ。
しかし、それはSIMロックフリーモデルでの話であり、日本キャリア向けの国内仕様モデルになるとその利点がほとんどなくなってしまう製品もある。その辺について解説しよう。
■Android端末アップデートのコスト
Androidスマートフォンの場合、OS自体の開発はGoogleが行っているが、各端末のCPUや通信モジュールなどの重要なデバイスがそれぞれ異なるため、端末メーカーが独自に開発している部分も多い。さらに、各キャリア向けの機能なども開発する必要があり、OSのバージョンアップは新規の開発ほどではないが、かなりの開発コストが必要になる。
新しいOSが古いハードウェアで満足に動作するかに加えて、このコストに見合うかどうかが重要になってくる。全世界で大量に販売している端末、例えばサムスンのGalaxy Sシリーズなどは、各国向けにローカライズしている部分はあるが、基本的な部分は共通しているので、1台あたりの開発コストはかなり押さえられる。
一方で、日本でしか販売していないような端末はいくつもあるが、その中でも不人気機種の販売台数はかなり限られる。仮にバージョンアップなどのコストが1億円として、全世界で1,000万台販売している端末と一部地域で10万台販売している端末では、1台あたりのコストは前者が10円のところ、後者は1,000円と100倍になる。
このコストが大きくなればなるほど、端末メーカーなどはコストを負担することをいやがり、OSのアップデートを行う可能性はどんどん減ってしまうことになる。
■グローバル端末ではあっても、キャリア向け端末ではない場合も
例えばソニーモバイルの「Xperia ray」というAndroid端末がある。このドコモモデルは「Xperia ray SO-03C」として2011年8月から販売された。このドコモモデルは全世界で販売されたグローバルモデルをドコモ仕様に変更した物だ。
日本仕様にする場合、ワンセグやおサイフケータイ機能などが加わると、OSのバージョンアップコストが飛躍的に上がる。Xperia rayは発売からそれほど時間がたっておらず、ハードウェアも基本的にグローバルモデルと同じだったことから、バージョンアップの期待が高かった。
しかし、グローバルモデルはAndroid 4.0のバージョンアップが実施されているものの、「メモリ不足となる場合があり、その際十分な性能が確保できない可能性がある」という理由でドコモモデルではバージョンアップは見送りとなっている。
このように、グローバルモデルをベースにした製品でも、通信キャリア側の判断でバージョンアップが見送られる可能性がある。これは通信キャリアが独自にインストールし、常時動作するアプリなどを動かした場合に満足に動作しないなどの影響からとみられている。
このようにグローバルモデルで販売台数も多く、特に目立った日本独自のハードウェアに依存した機能がなくてもこのような結果になる場合もあることに注意してほしい。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。
■デジ通の記事をもっと見る
・iPhone 4Sの音声認識機能は使える 新しいiPadでも使える音声認識
・英語の音声認識で英会話練習 自分の発音を客観的に知る方法
・サービス終了後はどうなる!電子書籍は永遠に読めるのか
・キンドルが日本に参入する?Amazonの電子書籍をおさらい
・iPhoneが据え置きゲーム機も殺す?多機能化するスマートフォン
【キヤノン純正インク】キャノンインクタンク 5色マルチパック BCI-321+320/5MP
キヤノン
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
Androidスマートフォンの場合、OS自体の開発はGoogleが行っているが、各端末のCPUや通信モジュールなどの重要なデバイスがそれぞれ異なるため、端末メーカーが独自に開発している部分も多い。さらに、各キャリア向けの機能なども開発する必要があり、OSのバージョンアップは新規の開発ほどではないが、かなりの開発コストが必要になる。
新しいOSが古いハードウェアで満足に動作するかに加えて、このコストに見合うかどうかが重要になってくる。全世界で大量に販売している端末、例えばサムスンのGalaxy Sシリーズなどは、各国向けにローカライズしている部分はあるが、基本的な部分は共通しているので、1台あたりの開発コストはかなり押さえられる。
一方で、日本でしか販売していないような端末はいくつもあるが、その中でも不人気機種の販売台数はかなり限られる。仮にバージョンアップなどのコストが1億円として、全世界で1,000万台販売している端末と一部地域で10万台販売している端末では、1台あたりのコストは前者が10円のところ、後者は1,000円と100倍になる。
このコストが大きくなればなるほど、端末メーカーなどはコストを負担することをいやがり、OSのアップデートを行う可能性はどんどん減ってしまうことになる。
■グローバル端末ではあっても、キャリア向け端末ではない場合も
例えばソニーモバイルの「Xperia ray」というAndroid端末がある。このドコモモデルは「Xperia ray SO-03C」として2011年8月から販売された。このドコモモデルは全世界で販売されたグローバルモデルをドコモ仕様に変更した物だ。
日本仕様にする場合、ワンセグやおサイフケータイ機能などが加わると、OSのバージョンアップコストが飛躍的に上がる。Xperia rayは発売からそれほど時間がたっておらず、ハードウェアも基本的にグローバルモデルと同じだったことから、バージョンアップの期待が高かった。
しかし、グローバルモデルはAndroid 4.0のバージョンアップが実施されているものの、「メモリ不足となる場合があり、その際十分な性能が確保できない可能性がある」という理由でドコモモデルではバージョンアップは見送りとなっている。
このように、グローバルモデルをベースにした製品でも、通信キャリア側の判断でバージョンアップが見送られる可能性がある。これは通信キャリアが独自にインストールし、常時動作するアプリなどを動かした場合に満足に動作しないなどの影響からとみられている。
このようにグローバルモデルで販売台数も多く、特に目立った日本独自のハードウェアに依存した機能がなくてもこのような結果になる場合もあることに注意してほしい。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。
■デジ通の記事をもっと見る
・iPhone 4Sの音声認識機能は使える 新しいiPadでも使える音声認識
・英語の音声認識で英会話練習 自分の発音を客観的に知る方法
・サービス終了後はどうなる!電子書籍は永遠に読めるのか
・キンドルが日本に参入する?Amazonの電子書籍をおさらい
・iPhoneが据え置きゲーム機も殺す?多機能化するスマートフォン

キヤノン
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る