アップルはiPhoneやiPadでタッチパネルに対応しているのに、パソコンのMacでは実は対応していなかった。つい先日登場した新しいOSであるMountain Lionでも残念なことに対応しなかったのだ。

Windows 8では、タッチパネルに7やVistaから対応しており、Windows 8では、より本格対応することになっている。いずれはMac OSも対応すると思っている方もいるかもしれないが、Mac自体が大きく変わらない限り、タッチパネルに対応することはこれからもないだろう。

Macは現在のOS X(旧Mac OS X)の前身のMac OS(漢字Talk)時代から、マウスを使用することを前提としたユーザーインターフェイス(UI)として開発されている。

現在では、クラムシェル型のMacBookシリーズなどには、マウスに変わるインターフェイスとして、タッチパッド(アップル用語ではトラックパッド)が使われている。デスクトップ型のiMac用などには外付けのタッチパッドMagic Trackpadも提供されている。

このMac用のタッチパッドはマルチタッチで、5本指まで認識するようになっている。

このタッチパッドは、2005年頃の2本指によるスクロールなどから、マルチタッチへの対応が始まった。マルチタッチに本格対応したのがMountain Lion(2012年7月リリース)の1つ前のLion(2011年7月リリース)からだ。

Lionで対応したのは3本や4本指などを使ったジェスチャーによる操作で、アプリケーションの切り替えや、デスクトップの表示など、よく使う操作全般に及んでいる。

これらの機能は、実際に使ってみるとその便利さがわかる。キーボードから手をあまり動かすことなくほとんどの操作ができるようになるため、ノートパソコンでの外付けマウスを使うよりも便利に使える。

■タッチパネルですべての操作が使いやすくなるわけではない
Windows 8では本格的にタッチパッドへ対応するが、これは主にキーボードもマウスも使わないピュアタブレット型の製品にも使えるようにした物で、すべてのパソコンがタッチパッドに対応するわけではない。

Windows 8のノートパソコンでも、新しいタイル上のインターフェイス(Modern UI)なら直接手で使うのは悪くはなさそうだが、従来型のデスクトップやソフトの場合、画面にタッチして操作して使用しても使いやすくなるわけではない。

MacBookなどがタッチパネルに対応したところで同じことだ。現行のMac OS XやMacBookシリーズなどは、画面にタッチするよりもタッチパッドで操作した方が、使い勝手がいいとアップルは判断しているだろうし、実際に使っていてもそう感じる。

これからも、クラムシェル型のノートパソコンのMacBookシリーズやオールインワン型のiMacなどの新製品が発売されるだろう。ハードウェアとしてこの形状が続き、OSも現在の延長線上であり続ける限り、WindowsのTabletPCやSlatePC、Surfaceのような画面に直接タッチするタッチパネルの製品が出てくることはないだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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