APS-Cとマイクロフォーサーズ |
カメラのデジタル化は、コンパクトデジタルカメラから始まり、デジタル一眼レフカメラと波及してきた。コンパクトカメラと一眼レフカメラが主流だったデジタルカメラ市場に大きな変革を与えたのが、デジタル一眼レフカメラより小型で、コンパクトデジタルカメラより高画質なミラーレス一眼の登場だ。2012年モデルが各社から国内外で発表され、盛り上がりを見せているミラーレス一眼について改めてご紹介する。
■ミラーレス一眼をヒットさせたマイクロフォーサーズ
コンパクトデジタルカメラでは画質や撮影に満足できない、デジタル一眼レフでは大きく重いといった不満を抱えていた利用者の気持ちを鷲掴みにしたのが、ミラーレス一眼だった。
オリンパスやパナソニックから登場したミラーレス一眼は、イメージセンサーに両社で共同開発した規格、マイクロフォーサーズを搭載し、小型で軽量かつ高画質で、デジタル一眼レフと同様にレンズ交換ができることから、当時のデジタルカメラへの不満を一気に解消するものだった。
また、レンジファインダーモデルのような本体デザインは、カメラ好きの男性だけでなく、女性が手軽に持ち歩き、撮影できる高品位なカメラとしても受け入れられることになった。
■デジタル一眼レフなみの高画質でマイクロフォーサーズの弱点を克服したAPS-Cミラーレス
小型軽量でレンズ交換ができるマイクロフォーサーズのミラーレス一眼だが、弱点もあった。
コンパクトデジタルカメラに比べれば、高画質なマイクロフォーサーズのイメージセンサーであるが、デジタル一眼レフに比べれば、画質面で劣る点だ。
ミラーレス一眼が登場した当初は、デジタル一眼レフとコンパクトデジタルカメラの間を埋めるには十分な性能と思われていたマイクロフォーサーズだが、ミラーレス一眼も世代を重ねたことで、画質面に不満を持つユーザーも増えて来た。
そんなミラーレス一眼の不満を解消したのが、APS-Cサイズ撮像素子を搭載したソニーの「NEXシリーズ」だ。APS-Cミラーレス一眼は、ソニーNEXシリーズに続き、ついにキャノンもAPS-Cセンサーを搭載したミラーレス一眼「EOS M」を発表し、あらたな時代に突入した。
■マイクロフォーサーズとAPS-C 画質の差は撮像素子とレンズ
デジタルカメラの画質は、画素数、撮像素子サイズ、レンズ性能で決まるといってもよい。
日進月歩で進歩している画素数は、今では1200万画素から1600万画素クラスまで高画質化しているが、現在の各社カメラの画素数には大きな差がなくなってきている。
こうなると画質の差は、画素数から撮像素子サイズとレンズ品質がポイントとなってくる。
撮像素子では、マイクロフォーサーズの約17.3×13mmに比べ、APS-Cは約22.5×15mm と大きく、画質的にもかなり有利になる。
レンズ品質では、マイクロフォーサーズではレンズを小型化できる反面、小型で高性能なレンズを新規開発しなくてならず、レンズバリエーションが増やしにくくなる。デジタル一眼レフと同じAPS-Cサイズのミラーレス一眼の場合、開発が容易なだけでなくデジタル一眼レフ用レンズをマウントアダプターで利用する場合も無理が少ない。
撮影面では、マイクロフォーサーズのようなセンサが小さい場合、焦点距離を短くできるので接写に強い反面、デジタル一眼レフのような大きく綺麗な背景のボケが利用しづらい。APS-Cセンサ採用のミラーレスは、デジタル一眼レフのような大きな背景ぼけが利用できるので、よりデジタル一眼レフに近い写真を撮影することができる。
撮影でのメリットとデメリットは、センサーの大小や画像エンジンの調整により、それぞれ一長一短はあるが、センサが物理的に大きいほうが、より多くの光量を多く受け取れるため、暗部やハイライト、細部のディテール描写において有利であることは動かせない。
■小型化を選ぶか? 高画質を選ぶか?
最近のミラーレス一眼は、オリンパス、パナソニックのフォーサーズをはじめ、Nikon、ペンタックスなどが小型化に進む一方、キャノンEOS MやソニーNEX-5R、NEX-6(海外発表)などAPS-C採用による高画質化と、2極化が進んでいる。
デジタル一眼レフと同じAPS-Cセンサーを採用しながらミラーレス一眼のサイズで収められる技術の進歩には驚かされる。
技術の進歩はそれだけにとどまらず、さらに、Wi-Fi機能を搭載したソニーNEX-5Rが登場したことで、ネット時代のデジタルカメラとしての差別化も動き出している。
小型化か、高画質か、はたまた新世代か、まさに第2の変革を迎えようとしているミラーレス一眼のシェア争いは、今、始まろうとしている。 2012年 下半期のミラーレス一眼のシェア動向には注目だ。
コンパクトデジタルカメラでは画質や撮影に満足できない、デジタル一眼レフでは大きく重いといった不満を抱えていた利用者の気持ちを鷲掴みにしたのが、ミラーレス一眼だった。
オリンパスやパナソニックから登場したミラーレス一眼は、イメージセンサーに両社で共同開発した規格、マイクロフォーサーズを搭載し、小型で軽量かつ高画質で、デジタル一眼レフと同様にレンズ交換ができることから、当時のデジタルカメラへの不満を一気に解消するものだった。
また、レンジファインダーモデルのような本体デザインは、カメラ好きの男性だけでなく、女性が手軽に持ち歩き、撮影できる高品位なカメラとしても受け入れられることになった。
マイクロフォーサーズを採用したミラーレス一眼 |
■デジタル一眼レフなみの高画質でマイクロフォーサーズの弱点を克服したAPS-Cミラーレス
小型軽量でレンズ交換ができるマイクロフォーサーズのミラーレス一眼だが、弱点もあった。
コンパクトデジタルカメラに比べれば、高画質なマイクロフォーサーズのイメージセンサーであるが、デジタル一眼レフに比べれば、画質面で劣る点だ。
ミラーレス一眼が登場した当初は、デジタル一眼レフとコンパクトデジタルカメラの間を埋めるには十分な性能と思われていたマイクロフォーサーズだが、ミラーレス一眼も世代を重ねたことで、画質面に不満を持つユーザーも増えて来た。
そんなミラーレス一眼の不満を解消したのが、APS-Cサイズ撮像素子を搭載したソニーの「NEXシリーズ」だ。APS-Cミラーレス一眼は、ソニーNEXシリーズに続き、ついにキャノンもAPS-Cセンサーを搭載したミラーレス一眼「EOS M」を発表し、あらたな時代に突入した。
ソニー「NEX」とキヤノン「EOS M」 |
■マイクロフォーサーズとAPS-C 画質の差は撮像素子とレンズ
デジタルカメラの画質は、画素数、撮像素子サイズ、レンズ性能で決まるといってもよい。
日進月歩で進歩している画素数は、今では1200万画素から1600万画素クラスまで高画質化しているが、現在の各社カメラの画素数には大きな差がなくなってきている。
こうなると画質の差は、画素数から撮像素子サイズとレンズ品質がポイントとなってくる。
撮像素子では、マイクロフォーサーズの約17.3×13mmに比べ、APS-Cは約22.5×15mm と大きく、画質的にもかなり有利になる。
レンズ品質では、マイクロフォーサーズではレンズを小型化できる反面、小型で高性能なレンズを新規開発しなくてならず、レンズバリエーションが増やしにくくなる。デジタル一眼レフと同じAPS-Cサイズのミラーレス一眼の場合、開発が容易なだけでなくデジタル一眼レフ用レンズをマウントアダプターで利用する場合も無理が少ない。
撮影面では、マイクロフォーサーズのようなセンサが小さい場合、焦点距離を短くできるので接写に強い反面、デジタル一眼レフのような大きく綺麗な背景のボケが利用しづらい。APS-Cセンサ採用のミラーレスは、デジタル一眼レフのような大きな背景ぼけが利用できるので、よりデジタル一眼レフに近い写真を撮影することができる。
撮影でのメリットとデメリットは、センサーの大小や画像エンジンの調整により、それぞれ一長一短はあるが、センサが物理的に大きいほうが、より多くの光量を多く受け取れるため、暗部やハイライト、細部のディテール描写において有利であることは動かせない。
■小型化を選ぶか? 高画質を選ぶか?
最近のミラーレス一眼は、オリンパス、パナソニックのフォーサーズをはじめ、Nikon、ペンタックスなどが小型化に進む一方、キャノンEOS MやソニーNEX-5R、NEX-6(海外発表)などAPS-C採用による高画質化と、2極化が進んでいる。
デジタル一眼レフと同じAPS-Cセンサーを採用しながらミラーレス一眼のサイズで収められる技術の進歩には驚かされる。
技術の進歩はそれだけにとどまらず、さらに、Wi-Fi機能を搭載したソニーNEX-5Rが登場したことで、ネット時代のデジタルカメラとしての差別化も動き出している。
小型化か、高画質か、はたまた新世代か、まさに第2の変革を迎えようとしているミラーレス一眼のシェア争いは、今、始まろうとしている。 2012年 下半期のミラーレス一眼のシェア動向には注目だ。