「カバチタレ」というマンガの影響もあり、最近は「行政書士」という職業が、にわかに注目を浴びている。行政書士とは、官公署に提出する書類の作成や、権利義務、事実証明に関する書類の作成を行う職業のことだ。

“儲からない”行政書士からの脱出!体験してみてわかったビジネス成功の法則」で紹介したように、低所得な行政書士が多いのも事実だが、そうした行政書士の中でも、課税所得2億円超の行政書士がいるのも事実だ。

行政書士の仕事をしている人にも関わらず、読者の中にも、そうした行政書士がどうやってビジネスを成り立たせているのかが気になるところだろう。

そこで、成功するノウハウを聞いてみた。

■リスクを負う覚悟のない人間は、じっと辛抱してください
『リスクを負う覚悟のない人間は、他の人がどんなに儲けていても、むやみにうらやましがったり妬んだりしてはなりません。貧乏人でいることに甘んじて、じっと辛抱してください。リスクを負う人間のおこぼれをもらって、それで我慢するのです。リスクを負わない人間には、リターンを得る資格がないのですから』

これは氏の最新著書『プロ法律家のビジネス成功術』の一節だが、グサリと突き刺さってくるようなお言葉だ。「理詰めで富裕層になる」と10年前に宣言した金森氏。氏は、「行政書士=許認可業務の相談を受ける人」と定義し、相談相手からビジネスチャンスを聞き出すことで、自身のビジネスを大きく拡大していく手立てを掴んだ。そこからどうやって、ズバリ「金儲け」をしてきたのか。そのプロセスを余すところなくつづっているのが、本書なのである。

著者が実践したビジネス戦略や集客方法、現在取り組んでいる事業まで、事例とともに紹介。行政書士になったばかりの頃に打った半年間48万円の広告の話や、広告宣伝費ゼロでできる集客技法、氏が得意とするFAX-DMのノウハウ、東アジア某国での金脈開発など。
また、現在の資格市場についても生々しく語られ、生き残る戦略方法がつづられている。赤貧状態とも言われる行政書士出身の金森氏によるものだけに、一層興味深い。


■どうして全てを書いてしまうのか?
ところで、本当に「理詰めで富裕層に」なったからといって、こんなにも赤裸々に、お金儲けの方法を次から次へと、全部書いてしまってもいいものだろうか。

この疑問について金森氏は、
「誰も責任を保証しない自己責任原則の中で、ごくごくシンプルなルールを守る度胸がある人間は実際にはほとんどいないから、僕のノウハウを100%オープンにしてもどうということはありません。模倣してください。どうぞどうぞ。」とのこと。

心配は無用、そして思わず目からウロコのこの言葉。この「度胸」こそが、著者の人生にハイリターンをもたらしたことは、まず間違いないだろう。

氏の「度胸」が詰まった一冊、リスクを負うことを選ぶ起業家はもちろん、毎日をごく普通に過ごす人にも、新たな視点が刺激的な一冊となるだろう。

プロ法律家のビジネス成功術 (著:金森 重樹)