Windows 8ではソフトウェアをマイクロソフトの「Windowsストア」から入手できるようになる。Windowsストアはオンラインで商用ソフトが購入できるサービスで、店舗でパッケージを購入することなく簡単に新しいアプリを導入することができる。

いわばAndroidにおけるGoogle Play、アップル(iOS)のApp StoreのWindows 8版がWindowsストアとなるが、各ストアがそうだったように、サービスイン当初から便利なソフトが、豊富にそろうわけではなさそうだ。

関係者によると、マイクロソフトのアプリ審査も当初はソフトの画面デザインやソフト自体の機能についてなど、細かい部分も厳密に審査していたようだが、さすがに細かくチェックすると数が少ないままでサービス開始となりそうなのか、いよいよ最近ではそれも緩くなってきたようだ。

その緩いアプリ審査のおかげか、無料アプリから有料アプリと数的にはある程度のボリュームは確保したようだ。以降もアップルのApp Storeなどのように企業や個人などから様々なアプリが続々と登場するだろう。

ただしアプリの数的には多いだろうが、Windows XP時代から存在しているオンラインソフトやシェアウェアをWindows 8で動作確認を取ったバージョンだったり動作できるようにしたアップデート版だったりといったところが多そうだ。

最大の問題は、タッチパネルなどに最適化された新しいタイル上のインターフェイスにどれだけ最適化したアプリが開発できているか、従来のアプリにタッチ操作が組み込まれているかといった点だ。

■Windows 8への本当の最適化はこれから
タッチパネル対応のPCは従来も販売されていたし、マルチタッチに対応したタッチパッドなども存在しているが、多くの開発者は今後発売されるWindows 8に最適化したハードウェアを使った上で開発しているわけではない。

そもそもハード自体が発売されていないので、新しいハードの機能を生かしたアプリを開発しろというのが無理だし、持っている機能もハードごとに異なる。

Windows 8発売前の段階では、従来のハードウェアにタッチ機能がついたらどうなるかというのを予想しつつ、かつタッチ機能付きだがWindows 8に最適化されているわけではないハードウェアを前提に開発をしていたりするわけだ。

大手ソフトメーカーなどは、ハードウェアメーカーから試作機を借りて開発するといったことができるだろうが個人や小さなソフトウェアハウスでは、そうしたこともできない。

ということで10月26日に発売されるWindows 8に最適化されたハードウェアを使うことを前提に開発されたアプリは、Windows 8発売当初には、あまり存在しないと見ていいだろう。プリインストールされたツールを除けば、タッチ操作が有効に使えるアプリがどれだけあるかがポイントになるだろう。

タッチパネルに対応したアプリはスマートフォン用などに今までもたくさんあったので、これらのアプリの移植版なども多くなりそうだが、Windows 8の機能に最適化された便利なソフトが発売当初からそろうわけではない。

おそらく、Windows 8に対応した新しいハードウェアを入手してから、順次Windows 8に本格的に最適化したアプリを開発するといった流れになると思われ、それまでには短期間でリリースできたとしても数週間はかかるだろう。そうしたアプリがある程度そろうまでは数か月はかかると見ていい。

もちろん、従来のパッケージソフトや各種オンラインソフトなどのデスクトップアプリはWindows RT以外は基本的にそのまま動作するので、互換性という点では問題はない。新しいインターフェイスを活用したアプリが本格化するまで、しばらく待たなければならない点は把握しておく必要がある。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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