スカイツリーは電波塔であり、地上波デジタル放送などの電波を周囲に向けて送信するために建築された。東京タワーと同じ役目なわけだ。2012年にスカイツリー自体は完成しているが、関東地方の地デジ放送はいまだに東京タワーから送信されている。

テレビ放送だけに限れば、現在のように東京タワーからの電波を送出すれば誰も困ることはない。なお2013年5月をめどに電波の送出が東京タワーからスカイツリーへ切り替えが計画されている。

しかし、スカイツリーに切り替えることで、電波障害などが予想され、そのままではテレビ放送が視聴できなくなる難視聴世帯が出てくる可能性があることがわかったのだ。


スカイツリーは東京タワーよりも高いため、高層ビルなどの影響を受けず、地デジ放送なども遠くまで届くようになるなどと言われていたが、実際には電波の発射位置が変わるため、受信する地域によっては受信するアンテナの向きや近隣のビルなどの影響で電波障害の発生や難視聴区域が出現する可能性があることがわかった。

そこで東京タワーからの電波の送信を止めて、スカイツリーから電波を発射し、どの程度の障害になるのかのチェックが行われている。具体的にはチェック用の試験電波を発射して、その電波が受信できるかを確認するというものだ。このチェックが2012年12月から、さらに本格化する。

この放送が土曜日早朝の午前4時58分からの2分間で、スカイツリーへの移転でテレビが映らなくなることが心配な人は、この放送で全チャンネルの電波レベルなどを確認してみるといいだろう。

例えばアナログ放送でも特定のチャンネルだけうまく映らない経験をしたことがある方もいると思うが、デジタルになっても電波障害などに関しては大して変わっていない。

チェック放送が早朝なので、録画しておいてあとでチェックすることもできるのだが1つのチャンネルだけ録画してみて、それが映っていれば全チャンネル大丈夫というわけではない。自分の地域で見れる放送全チャンネルを録画する必要がある点に注意しよう。

多くの場合は問題なく映るようだが、アンテナの向きの変更や調整が必要になったり、アンテナブースターを使っている人は、その影響でうまく映らなくなる場合もあるようだ。

当然、CATVなどで視聴している場合、CATV事業者側が調整するので何もする必要はない。しかし、一戸建てなどで地デジアンテナを設置して視聴しているなら事前に、この試験放送を確認しておくことを強くおススメしたい。というのも、もし調整が必要だとわかれば、コールセンターに連絡すれば必要に応じ無料で調整してもらえるからだ。

東京スカイツリー移行推進センター

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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