東芝もUltra HD


ラスベガスの世界最大規模の家電ショーCES 2013のテレビ関連で話題になったのが、フルHDを超える解像度の4Kだ。この4Kは日本では「ヨンケー」と読む。フルHDの1920×1080の解像度と比較してちょうど2倍、1920×2=3840、1080×2=2160で、16:9のアスペクト比で3840×2160の解像度になる。3840を四捨五入すると4000、4に千を意味するKを加えて「4K」が誕生した。

しかし、一般の利用者にとってフルHDや4Kと言われて、ピンとくる人は、ほとんどいないだろうし、フルHDより高画質な解像度の呼び名が「4K」では、さらにわかりにくいだろう。そんな事もあってかどうかはわからないが、4Kのことを「Ultra HD」と呼ぶようになっていた。
CESの展示会場で各社の4K対応製品には必ず「Ultra HD」という表記があった。業界全体で次の高画質テレビの解像度を「Ultra HD」と呼ぶのは会場を歩いているだけで誰でもわかる。

これは、CESの主催団体で、アメリカの家電団体である「Consumer Electronics Association」(CEA)が2012年10月の時点で4KをUltra HDを呼ぶことを公表していたからだ。

HD(High Definition)以前の画質はSD(Standard Definition)で、従来の「スタンダード」(Standard)からその上の「ハイ」(High)へと名称もわかりやすかったと思う。SDよりも高精細なのがHDで、HDには1366×768ドットなどの解像度もあるが、HDの最大解像度である1920×1080ドットをフルHDとしたのも、消費者にとってわかりやすかったのだろう。

しかし、フルHDの上が4Kでは消費者にとってわかりにくい。そんなところを予見してか、4Kが本格的に普及する前に、業界団体としてわかりやすい名称のUltra HDという名称をアナウンスしたのだろう。

以上はディスプレイとしての話だが、テレビ放送に関してもITU(国際電気通信連合)が2012年5月に4Kや4Kの次の8KについてUHDTV(Ultra HD TV)と呼ぶことなどを公表している。

しかし、日本ではNHKがHDをハイビジョン、8Kをスーパーハイビジョンとして開発している。ハイビジョンという名称は日本でしか使われていないが、今後もNHKは8Kなどをスーパーハイビジョンと呼んでいくのだろう。

ユーザーが実際に購入できるテレビなどの製品に関しては、東芝やソニーなど、日本が世界的に先行しているが、まだ高価なこともあり名称が一般的に普及しているわけではない。

日本で4KをUltra HDを表記すると決まったわけではない。また、きつい・汚い・危険を意味する「3K」という言葉が日本にはあり、それにもう1つのKがついたような悪いイメージを持つ人もいるようだ。

ただ、海外での普及や客観的に見てもHDよりも高画質だとわかりやすい「Ultra HD」という名称を、日本でも使うようになるのは時間の問題ではなかろうか。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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