実際に青山小学校で使われているThinkPad Tablet 2


マイクロソフトのWindows 8を搭載したタブレットPCが早くも教育現場に登場した。もちろん今までもPCが授業で使われることはあったが、Windows 8搭載タブレットPCは、今回が初めてとなる。

東京の港区立青山小学校が、レノボから31台のThinkPad Tablet 2の提供を受けた。このPCを使用し「21世紀型スキル育成授業」として実際に同校の児童が授業で利用する。これは日本マイクロソフトと、レノボ・ジャパンの支援により実施され、今後4か月かけてその学習効果を検証していくことになっている。



青山小学校は港区の研究パイロット校に指定されており、以前より教育へのICT活用が進んでいる学校でもある。例えば「NEXTプロジェクト」(2006年度から2008年度)、「デジタル教科書教材協議会(DiTT)実証研究」(2012年度)など、さまざまなプロジェクトや検証に取り組んでいる。

そうした中でも信州大学の指導を仰ぎ取り組んでいる個別支援システム「インタラクティブスタディ」(2012年度から)では、教員OBや地域コミュニティと連携した指導を実施することで、算数の基礎学力が向上するなどの成果が得られているという。

今回のWindows 8搭載タブレットでは特別支援学級にもその対象を広げ、児童のコミュニケーション力補佐ツールとしてのICTの可能性を探ることになるという。

新OSの「Windows 8」やタブレットPCは2012年末に搭乗したばかりなので、教育現場には導入実績がなく、今回児童や教師など教育現場で初めて使うことになる。何かと騒がれたスタートメニューの操作性に慣れることから始まり、タブレットPCで可能なマルチタッチ操作などをどう教育に生かしていくかは、教師はもちろん、それを支援するマイクロソフトやレノボとしても課題になっている。

現状では利用する教育向けアプリも、Windows 8のタブレットに最適化されたものが用意されているわけでもなく、どんなアプリを使うのかについても今後の課題となっている。マルチタッチ操作、手書きや持ち運びができるなど、タブレットPCだからこその利点はいくつかあるが、教育現場へどのように活用していくのだろうか。



青山小学校の竹村郷副校長によると、これからの世の中に対応する力を小学校でもつけて行かなければならないが、そのためには教科書に載っている基礎基本以上の幅広い知識などが必要になるという。

このために、デジタル教科書などICTを利用すれば教師が黒板に書くよりも視覚、音声情報を短時間に児童が取得できるため

「短縮された時間を、子供たちが主体的に学び、考えたことを交流する時間に振り分けるようになる」

「自分の考えをプレゼンさせることで、積極性も出て、発想の幅を広げる機会を与えることができる」

「従来の教科書の範囲を超えた、新しい価値を見いだす授業がICTによってできるようになる」

とWindows 8タブレットのような機動速度が速く、操作性に優れた製品に期待していることを語った。

同校では2月28日に公開授業が予定されているが、タブレット以外のICTを利用した授業も進められており、Windows 8タブレットを使った授業はその一部になる。

この21世紀型スキル育成授業やタブレットPCの利用は、まだ始まったばかりで、戦術したように利用するアプリなども今後の課題として残されているものは多い。

パソコン自体の教育現場での活用は一部の各教育機関ですでに始まっているし、iPadやkoboを教育機関に配布する活動もあり、今回のWindows 8搭載タブレットPCのような新しい機器も含め、こうした取り組みが全国的に広がっていくことで、IT機器の活用が私たちの日常生活を、今以上に豊かにしてくれるようになることを望みたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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