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近年、スマートフォンアプリやソーシャルゲームの急速な普及に合わせて、企業のIT開発の人材需要が高まっているが、日本国内でのエンジニアの確保が難しくなってきている。そうした状況を踏まえ、今もっとも注目されているのが「オフショア開発」だ。
オフショア開発とは、システムインテグレーターが発注元となり、ソフトウェアやシステムの開発などを海外の事業者や海外子会社に委託することを意味する。日本が駄目なら海外でという発想だ。
最大のメリットは、高い技術力を持ったエンジニアを安価に雇用することで、開発コストを削減したり利益の拡大が望めたりすることと言われている。
そんなオフショア開発の委託先としては、これまで中国に人気があった。ところが、人件費の高騰や先般の尖閣諸島問題の影響により、その立ち位置は揺らぎはじめており、今もっとも注目されているのが、親日として知られるベトナムだ。
まずは、オフショア開発についてあまり詳しくない人のために、オフショア開発の現状と、開発先として注目度の高いベトナムについて紹介しよう。
■オフショア開発のメリットとデメリット
オフショア開発の最大のメリットは、前述のように何と言ってもコストだ。日本国内よりも物価が安いため、国内に比よりも安価に済むことが多い。
下記、資料を見れば明らかだが、半数以上が3割程度以上のコスト削減効果が出ている。その一方で、国内との差が「実質的にはほとんどない」という企業も1割存在しているのだ。
※出典:IT人材白書2011(独立法人 情報処理推進機構)
うまくいく企業と、そうでない企業の差は、どこにあるのだろうか?
オフショア開発を失敗する要因としては、現地で採用するスタッフの技術不足や、言語や習慣・風習の違いから来るコミュニケーション不足によって納期が遅れたり、仕様と違ったシステムが納品されてしまったり、十分な品質を確保できなくなる事が挙げられる。
日本国内ではまったく考えられないことが要因で、余計なコストが掛かってしまい、その結果として、「実質的にはほとんどない」という状況に陥る企業があるのだ。
そうしたリスクを低減させることが、オフショア開発を成功させる鍵だと言える。
■ベトナムが注目される理由
オフショア開発の委託先としては、これまで中国やインドが多かった。しかし、2009年にベトナムがインドを抜き、2位となっており現在も増加傾向にある。
また今後発注先として検討・興味ある国の1位もベトナム(29.8%)となっている。
もともとベトナムは中国とASEANを結ぶ絶好の位置にあるうえ、沿岸部が長く、生産・物流拠点としても大きく注目されている国だ。ベトナムの1人当たりのGDPはASEAN10カ国中7位だが、成長率は6%を超えてきている。ASEANの中では、注目株のひとつと言ってよいだろう。
ベトナムがオフショア開発の委託先として選ばれる理由のひとつとして、日本人と価値観が近く親日的であることがあげられる。特に北部の人間は真面目で頑張り屋な性格が多いので、指示に忠実に、真面目にコツコツと開発するのが得意だと言われている。
どこか日本と似ている外国、そこがベトナムの人気の理由と言えるのではないだろうか。
■現場エンジニアにも大きなメリットあり
オフショア開発は、日本国内の現場で作業しているエンジニアにも大きなメリットがある。日本の多くの現場エンジニアの悩みの種は、自分が携わった仕事のメンテナンスやサポートに時間をとられてしまい、なかなか新しい仕事に取りかかれない点だ。
現場エンジニアにも大きなメリットがある
もちろん、エンジニアのもとに部下を付ければよいわけだが、それ相応のスキルがなければ、現場エンジニアの手は空かないし、メンテナンスやサポートの要員として優秀なエンジニアを付けるのは日本ではコスト高となる。
そうした状況を打破する手段として、オフショア開発が今、注目されている。
では、実際にベトナムオフショアで成功している企業は、どうしているのだろうか。次回からその要因を探っていきたい。
■オフショア開発に関連した記事を読む
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下記、資料を見れば明らかだが、半数以上が3割程度以上のコスト削減効果が出ている。その一方で、国内との差が「実質的にはほとんどない」という企業も1割存在しているのだ。
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※出典:IT人材白書2011(独立法人 情報処理推進機構)
うまくいく企業と、そうでない企業の差は、どこにあるのだろうか?
オフショア開発を失敗する要因としては、現地で採用するスタッフの技術不足や、言語や習慣・風習の違いから来るコミュニケーション不足によって納期が遅れたり、仕様と違ったシステムが納品されてしまったり、十分な品質を確保できなくなる事が挙げられる。
日本国内ではまったく考えられないことが要因で、余計なコストが掛かってしまい、その結果として、「実質的にはほとんどない」という状況に陥る企業があるのだ。
そうしたリスクを低減させることが、オフショア開発を成功させる鍵だと言える。
■ベトナムが注目される理由
オフショア開発の委託先としては、これまで中国やインドが多かった。しかし、2009年にベトナムがインドを抜き、2位となっており現在も増加傾向にある。
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※出典:IT人材白書2011(独立法人 情報処理推進機構) |
また今後発注先として検討・興味ある国の1位もベトナム(29.8%)となっている。
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※出典:IT人材白書2011(独立法人 情報処理推進機構) |
もともとベトナムは中国とASEANを結ぶ絶好の位置にあるうえ、沿岸部が長く、生産・物流拠点としても大きく注目されている国だ。ベトナムの1人当たりのGDPはASEAN10カ国中7位だが、成長率は6%を超えてきている。ASEANの中では、注目株のひとつと言ってよいだろう。
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ベトナムがオフショア開発の委託先として選ばれる理由のひとつとして、日本人と価値観が近く親日的であることがあげられる。特に北部の人間は真面目で頑張り屋な性格が多いので、指示に忠実に、真面目にコツコツと開発するのが得意だと言われている。
どこか日本と似ている外国、そこがベトナムの人気の理由と言えるのではないだろうか。
■現場エンジニアにも大きなメリットあり
オフショア開発は、日本国内の現場で作業しているエンジニアにも大きなメリットがある。日本の多くの現場エンジニアの悩みの種は、自分が携わった仕事のメンテナンスやサポートに時間をとられてしまい、なかなか新しい仕事に取りかかれない点だ。
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現場エンジニアにも大きなメリットがある
もちろん、エンジニアのもとに部下を付ければよいわけだが、それ相応のスキルがなければ、現場エンジニアの手は空かないし、メンテナンスやサポートの要員として優秀なエンジニアを付けるのは日本ではコスト高となる。
そうした状況を打破する手段として、オフショア開発が今、注目されている。
では、実際にベトナムオフショアで成功している企業は、どうしているのだろうか。次回からその要因を探っていきたい。
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