ASUSが先日発表した「ASUS TransAiO」と「ASUS Fonepad」は、パソコンとAndroidタブレット、Androidタブレットとスマートフォンという一台二役の製品である。この2台で機能的には Windows PC、Androidタブレット、Androidスマートフォンがそろう。

TransAiOは、家庭向けのWindows 8デスクトップとAndroidタブレットが利用シーンの範囲で、Fonepadは持ち運んで使うスマートフォンとタブレットが利用シーンになる。ではこの二台を合わせたら、どういったことに効果的に利用できるかを考えてみたい。


■同じ場所で使っているパソコンに対しスマホやタブレットは場所を選ばない
自宅でパソコンを使う場合、デスクトップパソコンは、気軽に持ち運ぶというわけにはいかないので設置している場所で使うのが普通だ。日本では省スペースや可搬性を目的としてノートパソコンを使用する人が多いが、実は使う場所はいつも同じという人が多いと思う。

このようにパソコンは設置した場所で使うのが基本で、自宅内を移動しながら使うことは、ほとんどないと思う。
インターネットを利用するにはパソコンを使うのが一般的で、携帯電話ではメールや専用サイトの閲覧で使っても、本格的な調べ物をするときは、三窓、四窓といった複数ウィンドウが可能なパソコンを使う人が多いと思う。

自宅で使うパソコンは、基本的につけっぱなしでスクリーンセーバーやスタンバイにしていることが多いと思うので、スマホやタブレットのように起動の速さは特に問題にはならないが、リビングなどリラックスする場所では、テレビをながめつつ片手でスマホをいじったり、タブレットで別コンテンツを見ながらテレビをザッピングなんてことをしている人も多いはずだ。

このようにスマホやタブレットが日常に取り込まれることで、ちょっとした調べものであればパソコンを使わなくても、スマートフォンやタブレットを使えば、パソコンと同様の情報に簡単にアクセスできるようになり、パソコンの利用頻度が落ちている人が多いと思う。

■デスクトップ兼タブレットの「ASUS TransAiO」
そうした中でハイエンドのデスクトップパソコンとしても使え、なおかつAndroidタブレットとしても利用できるASUS TransAiOは、どういった立ち位置になるだろうか。

TransAiOはタブレット部分が2.4kgと軽くはないが、それだけ取り外してタブレットとして使うことができる。18.4インチと巨大なサイズなので、手に持って使うには重いし大きすぎる。しかし、家族みんなで顔を突き合わせて、いろいろ調べものをしたり、といったことが場所を選ばずに行えるようになる。

TransAiOが家族用のハブとして機能し、コミュニケーションを取りやすくなる。家庭内でも個人主義が広がりつつある日本で、動画コンテンツを一緒に見る以外で、同じ画面をのぞき込むようなシチュエーションは、そうそうなかった。こうしたコミュニケーション不足を解消するきっかけとして導入するというのもいいだろう。

ちょっといままでなかった位置にASUS TransAiOは落ち着くことができるかもしれない。

■家で使う電話機としてのASUS Fonepad
Fonepadは通話機能が利用できる7インチのAndroidタブレットだ。スマホも使いたいが画面が小さいしできれば大き目の画面で通話機能も利用したいという人に向く。しかし、常に持ち歩く製品として考えると、サイズが中途半端に大きいし、通話機能だけを考えると使い勝手は完璧とは言えないが、ある程度割り切ればスマートフォンとタブレットを融合した製品としても十分使える。

Fonepadを持ち運んで使うというのは、かなりの割り切りが必要で、これだけでタブレットとスマートフォンを完結させるのは難しいかもしれない。しかし、FonepadはHSPA+/3Gであればキャリアを選ばないので家族全員で同じキャリアを使っているというのであれば、全員にFonepadを配布し、自宅ではスマホのSIMをFonepadに差し替えて使うというのはどうだろう。

最近ではLINEやSkypeなど、無料通話が可能な機器が増えてきているので内線としても利用できる。SIMの差し替えが面倒だというのであればWiFi運用してもいいだろう。TransAiOと違って、家の中をもって動き回るというのも苦痛にならないし、イザとなれば外にだって持ち出せる。

こうやって考えてみると一台で二役、二台四役どころではなく、それ以上になる可能性もある。そしてTransAiOやFonepadのような製品を導入することで家族のコミュニケーションがぐっと増える可能性が高くなる。

最近どうも家族とのコミュニケーションが不足しているという人は、こうした家の中でハブとなってコミュニケーション不足を補える機器を導入してみるというのはいかがだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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