東芝のパソコンは国内市場では「dynabook」ブランドで展開しているが、海外では商標権の問題から「dynabook」は使うことができず「Satellite」、「Qosmio」、「Portege」、「Tecra」などの製品シリーズ名として使い分けられてきた。

QosmioはAVノートパソコンとして日本でも使われるなど、シリーズ名は一部共通しているものの、日本と海外では基本的に異なる製品名が使われているのがほとんどだ。

先日発表された高解像度ディスプレイを搭載した「dynabook KIRA V832」から「KIRA」という新しいブランド名が使われ、この発売以前に発表された「V632」にもこの名が付いた。dynabookが使えないためKIRAブランドとして新しいUltrabookを全世界で展開していく模様だ。

■パソコンの父アラン・ケイが提唱した「ダイナブック構想」から来たdynabook
dynabook(ダイナブック)は現在の本格的なノートパソコンの原型とも言える東芝の「J-3100SS」で初めて使われた製品名だ。当時はDynaBookと表記していたが、2003年頃からロゴのデザインが変更され、dynabookになっている。

このダイナブックという名称は、現在のパソコンなどに多大なる貢献をしたアラン・ケイの提唱する、個人向けパーソナルコンピュータのダイナブック構想から来ている。

ダイナブック構想は最近になってようやく現実の物となり始めているが、東芝のJ-3100SS発売当時は理想とはかけ離れたものであった。だが現在のノートパソコンの原型としては一定の成果を上げている。

そんな東芝のパソコンでダイナブックブランドが使われているのは日本のみで、海外では商標権が認められずdynabookが使えないため前述したSatelliteはPortege、Tecraなどが使われている。

Satelliteは海外で売れ筋の製品に使われているシリーズ名だが、日本では企業向け製品やダイレクト販売用製品などで一部に使われているが、個人向けに大々的に展開しているわけではない。

Qosmioは日本ではTVなどマルチメディア仕様のノートパソコンとして展開しているが、海外ではTVパソコン市場がほとんど存在していないため、マルチメディアやゲーミングノートパソコンなどとして展開している。

このように、東芝は日本と海外ではシリーズ名の展開方法が異なり、世界的に同じ名称を展開できていなかったが、先日発表された「dynabook KIRA V832」ではKIRAというブランド名を世界で共通するシリーズブランドとして展開していくようだ。

日本ではdynabookブランドの中のKIRAシリーズとしてV832やV632を、海外では「KIRABOOK」として展開する。今回dynabook KIRAシリーズとなるV632やV832であるが、東芝の新しいUltrabookのシリーズでもあるわけで今後の製品展開はもちろん、世界的なブランド展開がどういった展開を見せるのかに注目したい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

dynabook KIRA

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