パッケージ販売からサブスクリプション型へ!アドビのCreative Cloudの行く末は?」でも紹介したようにアドビ システムズ 株式会社は、2013年5月7日、都内 セルリアンタワー東急ホテル において、クリエイティブ製品の最新情報に関する記者発表会および、「Create Now MAX 2013 速報 スペシャルイベント」を開催した。

従来のソフトウェアのパッケージ版販売をメインとするソフトウェア事業から、毎月定額を払うことでソフトウェアの利用やそれに付随するサービスが利用できるサブスクリプション型へと大きく舵を切った。こうしたビジネスモデルは、すでにMMORPGなどで各種ネットサービスですでに行われているが、スターターキットなどパッケージ販売と併用されているのが普通だ。今後進むべく方向性としては間違っていないと思うがが、かなり思い切った決断と言える。



■Creative SuiteからCreative Cloudへ - クレイグ ティーゲル社長
発表会は、アドビ システムズ 株式会社 代表取締役社長 クレイグ ティーゲル氏の挨拶から始まった。

発表会に登場したクレイグ ティーゲル社長は、
「アドビのミッションは、世界を変えるデジタル体験をお届けすることにあります。これは、今まで以上に私たちのお客様にとって重要な要素となってきております。企業はどんどんオンライン化を進めております。また携帯端末からタブレット、テレビ、そして飛行機内のモニターに至るまで、どんどんインターネットに繋がってきています。そういった中で、コンスーマーの皆さんは、そうしたものに浸れる常時接続の体験を期待するようになっています。」と、ネットへのアクセスが日常に浸透した現状を語った。
アドビ システムズ 株式会社 代表取締役社長 クレイグ ティーゲル氏


確かにネットを中心に日常が動くようになったのだから、ソフトウェアもネットと融合させてしまおうというのは、流れとしてごく自然である。

クレイグ ティーゲル社長はこういったトレンドは、アドビにとってみると、よりデジタル体験を革新させる機会であるというのだ。同社のアドバンテージは、次の4つの統合型プラットフォームを提供できる点にあるという。

1)MAKE(制作)- Adobe Creative Cloud
2)MANAGE(管理)- Adobe Creative Cloud
3)MESURE(計測)- Adobe Marketing Cloud
4)MONETIZE(収益化)- Adobe Marketing Cloud


クレイグ ティーゲル社長が「毎週、Creative Cloudの何かアップデートさせてきました。」と語るように、Creative Cloudは2012年5月のサービスイン以来、1年をかけて様々な取り組みを行ってきた。


そのCreative Cloud であるが、1年経過してみると世界中のクリエイティブコミュニティから思いのほか好評を得ることができたようだ。2012 年のサービス開始以来、Creative Cloud 有償メンバーは50万人に達し、また無償メンバー数は200 万人をはるかに超えている。年間プランを選択するユーザーの割合は92%、CC通常版を選択するユーザーの割合(vs. 単体サブスクリプション)は81%となっている。日本においても、同社の予想をはるかに上回るペースでCCの普及が高まっているという。


「クリエイティブ プロフェッショナルの皆さんは、急速に変化する課題の中で、素早く対応していかなければなりません。アドビのCreative Cloudをお使いいただくことによって、まさにそれが実現できます。これを理由として、アドビは今までの永久版からサブスクリプションのソフトウェアへとフォーカスをシフトさせています。そうすることによって、クリエイティブ プロフェッショナルの皆さんが必要とするようなツール、テクノロジーの最新版をお届けすることが常にできるようになります。アドビはすでに30年以上にわたり、お客様をサポートすべく、イノベーションを続けてきております。また次世代のCreative Cloudをもって、さらにお客様の支援をしていく所存でございます。本当に本日は、ご参加いただき、ありがとうございます。」(クレイグ ティーゲル社長)

アドビは、今後のクリエイティブ関連のソフトウェア開発をCreative Cloud 経由の製品とサービスに集中させる。永続ライセンス版のAdobe Creative Suite 6 製品のサポートと製品提供は継続するが、新たなCreative Suite およびその他CS 製品の今後の新しいリリースは計画していない。パッケージ販売の「Adobe Creative Suite」から月額課金の「Adobe Creative Cloud」へと完全移行する。



■Adobe Photoshop CCを発表
Adobe Creative Cloudのメジャーアップデートの一環として、同社はAdobe Photosho CCを発表した。同社によると新しいAdobe Photoshop CCは、クリエイティブの可能性を極限まで突き詰めた製品であり、これまでにない強力なクリエイティブや、Photoshopの代名詞である魔法のような画像編集を実現しながら、最新のツールとワークフローによって自由度の高いクリエイティブが実現できるソフトに仕上がっているという。このAdobe Photoshop CCは、Adobe Creative Cloudのメンバー限定で、6月からの提供開始を予定している。


Adobe Photoshop CCには、ぼけた画像を修正・鮮明化する機能や、様々なフォトレタッチ機能を搭載することで従来以上にデザインワークフローを向上してくれるという。またCamera Rawの新機能など、画期的な新機能も数多く採用される。

今回のアップデートでは、Adobe PhotoshopとAdobe Photoshop Extendedの機能が一本化されており、3Dツールや画像分析機能が大幅に使いやすくなっているほか、Adobe Creative Cloudとの連携により、柔軟なコラボレーション機能と共有機能を実現したという。





以上のように、かなり精力的にネットと融合した総合的なサービス展開へと舵を切ったアドビシステムズ。現状、同社の製品は、広告や出版、デザインといった多方面に渡って標準のアプリとして利用されている点からもプロフェッショナルの分野では一定の成果を上げることは確実だと思われる。

Creative Cloudの年間利用の最低利用料金は、個人向けで月2,200円(年額26,400円、月額1,000円になる低価格キャンペーンアリ)だ。ビジネス利用であればサブスクリプションの利用額を、成果報酬に含めて請求すると言ったことができるが、一般ユースでのコストとして2万円弱というコストをかけるだけのメリットがあるかがポイントになってくるだろう。

アドビ システムズ 株式会社

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