先日お伝えしたようにアドビのプロフェッショナル向けクリエイティブソフトウェアの最新バージョンは、今後サブスクリプション版の「Creative Cloud」(CC)のみで提供される。

いままではパッケージ版かアップグレード版の支払いを一度すれば、そのバージョンを使い続けることができたが、サブスクリプション型では常に最新バージョンが使える代わりに、毎月一定額の利用料金を支払わなければならなくなった。

従来とはライセンス形態が変わるため、様子見としてとりあえずパッケージ版のCS6や過去のバージョンを使い続ける人もいるだろう。逆にこの機会にサブスクリプション版を試してみようと積極的な人もいるだろう。

CCに移行すると支払額などがどうなるのか、ソフトを1本だけ使用しているケースで調べてみた。



例えばPhotoshop CS6を使用する場合、パッケージ版を新規で購入すると88,000円になる。アップグレード版は25,000円だ。この料金を支払えば、ライセンス条件に適合する環境で使い続ける限り、そのソフトを使用し続けることができる。

いっぽうサブスクリプション版では、年間プラン(12か月)の場合、常に毎月2,200円、総額で26,400円支払うことになる。仮に年間プランに入り4年間使い続けると、サブスクリプション版の総支払額は105,600円となる。実際は初年度割引があるので若干安くなるが、パッケージ版は88,000円なので、4年でパッケージ版よりも割高になる。

使わない月があるようなケースでは月額プランというのがある。月額プランもあり、こちらは使う月だけ3,200円支払えば、その月だけ利用できる。たとえばソフトの利用が年間8か月以下の場合は月々プランの方がお得になる。

■最新版へ常にアップグレードするならどちらもそれほど差はない
今後パッケージ版は提供されないのでアップグレードはないが、従来のようにパッケージ版が発売され続けた場合とサブスクリプション版で比較してみよう。

Photoshopのアップグレードは1年から1年半程度の周期であり、アップグレード価格は25,000円だ。これは、サブスクリプションの年間支払額に価格に近い。アップグレードポリシーは以前と比べるとだいぶ変更され1世代前までになっているが、最新の状況で比べると常にアップグレードするならパッケージ版でもサブスクリプション版でもかかる費用にほとんど大差ない。

■とりあえずの様子見は選択肢としてアリ
このあたりの費用の差は、いつ新規購入、アップグレードするかにもよるし、利用するソフトの価格もそれぞれ違うため単純比較はできない。7月31日まではCS3からの移行ユーザーが初年度の年間プランで1,000円になるが、あくまでも初年度の価格だ。

6月に提供される最新バージョンの機能に魅力がなければ、当面パッケージ版のCS6など旧来の製品を使い続け、様子見をするのもよいだろう。Photoshopだけなど、利用しているソフトが少ない場合、自分が必要な機能が提供されるバージョンが登場するまでサブスクリプションへの移行を待つという選択肢もある。

しかし、初年度割引等を考えた場合、CSを残したまま、月額1,000円を出して積極的にCCを試してみるというのもアリだろう。それ以上の金額を支払う価値があるかどうかは、さすがに1年間も使っていれば判断できるはずだ。自分はどうすべきかを、きちんと見極めて、損をしないCCへの移行を目指してもらいたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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