「タイムカプセル+(プラス)」は、「あらゆる土地に人類のキオクを貯める」というテーマのもと、今いる場所の写真をみんなで残すために開発されたサービスだ。ユーザーは何気ない風景や物を撮影するだけで、記憶を次世代へ残すという壮大な目的を実現するプロジェクトに参加できる。

リアル店舗をネットで宣伝!「鷹や浅草」は「タイムカプセル+」で集客』で紹介したように、バージョンアップにより機能が大幅に強化され、より魅力的なアプリへと進化した。

アプリの本来目的は「あらゆる土地に人類のキオクを貯める」ということ。現在自分がいる場所の写真を撮影し、それを未来に残すために開発されたわけが、使い方次第で店舗の集客効果を高めるツールとして活用できることを解説した。

そんなタイムカプセル+の新しい使い方情報が飛び込んできた。全国の観光資源を活性化するソリューションとして、タイムカプセル+がにわかに注目されはじめているというのだ。そこで今回は、タイムカプセル+を使って観光地を活性化させる新たな試みを紹介しよう。

■使い方次第で無限の可能性があるタイムカプセル+(プラス)
タイムカプセル+の利点は、iPhone内蔵のGPS機能を利用することによって、写真を撮った場所の位置情報まで記録できる点にある。その結果、写真を地図上の位置と符合させることができ、その場所に関連した情報を記録できる。システム的には、単純に思えるかもしれないが、この単純さゆえに無限の可能性がある。

●隠れた名所を見つけ出そう
タイムカプセル+の特徴のひとつが、今いる場所に近いところの投稿を見られる点だ。ある土地にまつわる名曲、アーティストなど、場所と人との思わぬ関係を知ることができる。たとえば渋谷に通勤している人でも以外と知らない「渋谷の大きな池」など、いつも見慣れた場所で気づかなかった意外な発見があるかもしれない。

そのほかにも、毎日横を通り過ぎているビルの形がユニークだったり、某有名企業の受付嬢が大人気だったりと、タイムカプセル+があるだけで、隠れた名所や情報を見つけ出せる。人との待ち合わせや、電車が来るまでの隙間時間を楽しく過ごすツールとしても使えるわけだ。

時には、地元の人があまり人に教えたくない名店を見つけ出せるかもしれない。
左が起動画面、右が詳細画面


●思い出の場所をみんなで共有
タイムカプセル+に投稿された数々の写真で、最近注目を集めているのが、オン・ザ・エッヂの創業の地だ。IT企業に関連した業種であれば、その名前を聞いたことがあるだろう。

オン・ザ・エッヂとは、堀江貴文 氏が学生時代に立ち上げた法人であり、ライブドアの前進となる会社だ。タイムカプセル+を起動して渋谷区3丁目あたりをぶらつくと、その場所がわかる。
オン・ザ・エッヂの創業の地


さて、思い出の場所といえば、欠かせないのが出身校(いわゆる母校)だ。学校については、様々な人がその付近の様子と一緒に投稿しているので、もう何年も行ってない母校の様子をうかがい知ることができるだろう。お店や公園、駐車場、空き地など、「タイムカプセル+」で現在の様子を記録しておけば、何年か後にその人にとって大きな財産となるわけだ。
左がアルバムマップ、右がARマップ


●地域活性化に一役担う、タイムカプセル+
以上、タイムカプセル+が持つ機能をざっくり紹介したところで本題に入ろう。タイムカプセル+は、今後実施されるアップデートにより、さらに便利で高機能なアプリへと進化するという。

まず最新のアップデートでは「どこでもドア」機能が追加された。これは、過去に撮影して記録した場所に今どんな投稿が集まっているか、いつでも覗きにいくことができる機能だ。
どこでもドア機能


さらに、未閲覧の新規投稿があると、その写真と枚数を教えてくれる。児童館のイベントお知らせや、町内会の掲示板、大学の就職課の張り紙など、わざわざその場所に行かなくても、タイムカプセルユーザの誰かがアップすれば情報を共有することができる。町内会で個別に回し合う回覧板もタイムカプセル+があれば、その代わりができるだろう。
その場で張り紙を確認できる


Eagleの藤永氏によると、今後はタイムカプセル+から派生したアプリも登場するという。そのひとつに、先述した観光資源の活性化がある。

観光に頼っている地方自治体は、ITを活用して観光地の宣伝を行っている。たとえば地元の名所の風景写真がFacebookなどのSNSにアップされて話題になるようなこともかなり重視しているようだ。

アプリの開発元であるEagleには、これらの地方自治体の引き合いが多く、すでにガイドマップやチェックインゲームに記念撮影機能を搭載したタイムカプセル+からの派生アプリを開発中だという。

セカイカメラは、フィルター機能の追加という、一つのアプリに集約させていた。これに対しタイムカプセルは、クライアントの要望にあわせて個別のアプリを作り、そこに「記念撮影機能」を提供するという戦略の違いがある。

記念撮影機能を搭載するクライアント側のメリットとしては、無料でタイムカプセルAPIを使えること、Facebook連携やTwitter連携でアプリのURLを差し込んでプロモーションできること、そして、観光資源がユーザーにより画像化され、それがネット上に流れることにある。

タイムカプセル+は、投稿と閲覧をアプリにあわせた特定地域に絞ることで、チェックインした者同士の時間を超えた交流や、日々更新されるガイドマップレポートなど、全く別次元のアプリ体験や価値を加えることができる。セカイカメラを超えるアプリに成り得る可能性もあるのだ。

どこまでも進化し続けるタイムカプセル+、まずは使って、その楽しさを体験してみてほしい。

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