NVIDIAのSHIELDが北米で販売されるはずだった。6月末に出荷開始予定で北米のユーザーはそろそろ手に入れられる頃だったが残念なことに7月に延期されている。

一般的なゲーム機専用の場合、早い段階で予約が予定台数に達して、数時間で締め切られるが、出荷直前でもオーダー可能だ。また、出荷の2週間ほど前になって価格が50ドル下がり299ドル(約3万円)になっている。それがユーザーからの注目度合いと考えればいいのか、このため予約はそれほど多くなさそうだ。

一般のゲーム機のように初期段階でそれなりの数が出ると言うことはなく、ゆっくりとした立ち上がりになりそうだ。SHIELDの実機を短時間さわった限りハードウェアとしての完成度は悪くないが、人気のゲーム機になっていくのだろうかと聞かれると、すぐには返答できない。



■立ち位置が微妙なSHIELDの本体サイズ
以前も紹介したがSHIELDはどちらかというと携帯型ゲーム機だ。実際には、Xbox 360のコントローラーに液晶画面が付いたような形状をしているので、持ち運びにはかなりかさばる。

しかし、この形状のため、ニンテンドー3DSなどの携帯性も考慮されたゲーム機に比べると、コントローラーの操作はしやすく、本格的にゲームを楽しむのは最適なゲーム機だ。

製品版を実際にさわってみたが、ハードウェア自体はかなりしっかりしているのだが、形状が特殊で持ち運びに最適化されてはいないため、日本などの公共交通機関を使う環境で持ち運ぶとかなりかさばりそうだ。

ボタン類などは一般の据え置きゲーム機と同等で、ゲームの操作性という点ではかなり高く、長時間遊んでも手が痛くなると言うようなことはなさそうだ。

■Android端末としてはトップクラスの性能だが・・・
ハードウェアとしては、OSにAndroidを採用し、NVIDIAのTegra 4を採用しているため単純な性能自体は現行世代のスマートフォンなどと比較してもぶっちぎりでトップクラスだ。

問題はどんなゲームを遊べるかという点で、Android用のゲームが遊べ、HDMIで大画面テレビなどに出力できるのは当然だが、PCゲームをWi-Fi経由でSHIELDの画面に表示し、コントローラーを使ってプレイできるのがこのゲーム機の特徴の1つだ。

今まで一般的にPCゲームは机の前に座ってゲームをするしかなかったが、SHIELDならリビングでPCゲームを楽しむこともできるようになる。

ただし、この機能は当面ベータ版として提供され、対応するのはKepler世代のGeForceを搭載したPCなどに限られる。このため、SHIELDでできる機能を全て楽しむには、本体の約3万円に加え、最新世代のビデオカードを数万円で購入するか、対応PCを丸ごと買う必要がある。

現時点で、Androidのゲームを物理コントローラー付きのゲーム機で遊びたいという方はそれほど多くないだろうから、当初購入するのはゲーム機マニアや、PCなどSHIELDに対応する環境を所有するユーザーに限られるだろう。

単純にゲーム機と言うことで見ると当初苦戦しそうではあるが、スマートフォンなどの台頭もあり、ゲーム環境が大きく変わりつつある。NVIDIAとしてもクラウドゲームを提供するGRIDなどのサーバービジネスも展開している。
Tegraの採用は当初それほど多くなかったが徐々に増えてきていることを見る限り、SHIELD自体に関しても中長期的に見ていく必要はありそうだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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