スマートビエラのマイホーム画面 |
先日、パナソニックの高性能テレビ、スマート「ビエラの」CM放送が、内容に問題ありとして民放各局から放送を拒否されるという、とんでもない状況になっていることが発覚した。
テレビの電源を入れるとテレビ番組と、同時にインターネットの情報が表示される機能があり、この機能が放送業界で定めた技術ルールに違反していることが原因だというのである。このあまりにも時代遅れかつ斜め上の対応がネット住民から袋叩きにされており、果てはこうした考え方がテレビの視聴率がガンガン落ちてきている理由だという人まで登場。どうにも収拾がつかないようだ。
そもそも、パナソニックのスマートテレビとは、どの機種で、民放各局がCM配信まで拒否するという便利機能はどんな機能なのだろうかチェックしてみた。
■ネットとの連携を強化したのが「スマートビエラ」
テレビ番組を表示するだけの従来位通りの映像機器が「ビエラ」(VIERA)だとすると、インターネットなどの連携機能が強化された製品は「スマートビエラ」と呼ばれる。2012年2月の製品からスマートビエラという名称を使うようになり、新モデルを発表する度に、さらなる先進機能を追加している。
■民放が嫌がっている「マイホーム機能」
民放各社が技術ルールに違反しているという理由でCM配信を拒否している機能とは「マイホーム機能」のことのようだ。2013年4月に発表された製品から、タッチ対応のリモコン経由や音声操作に対応するなど、スマートな機能がより強化され、そして「マイホーム」という機能が追加された。
マイホーム機能とは、テレビの電源を入れたときに表示される画面をカスタマイズできる機能だ。テレビ番組の画面を全画面表示することもできるし、テレビ番組の画面に加えて、天気予報、Webサイトへのブックマークなどど同時に表示するなど、自分が使いやすい画面を設定できる。Windowsでいえばデスクトップ画面のカスタマイズだ。
しかし、民放各社の技術ルールでは、視聴者がテレビ番組の内容とそれ以外の情報を混同しないように、テレビ番組を表示する際、それ以外の情報を表示することを禁じるなどしているということで、このマイホーム機能が技術ルールに違反しているとしているようだ。まあそれは表向きの理由だろう。
この機能に対応しているのはパナソニックの製品でも上位機に限られる。プラズマのVT60シリーズとGT60シリーズ、液晶のFT60シリーズ、DT60シリーズ、E60シリーズだ。画面サイズは最小で42型。価格は最安値の製品で7万程度から。
こうしたテレビ放送以外の情報を表示する理由であるが、たとえば現状ではフルHD(1920×1080ドット)が最大と決まっている状態で4Kといった大画面状にフルHDを表示させたいといったケースでは、画像を4Kサイズに拡大して映し出すケースと、フルHDの範囲だけ再生させるという方法が取られる。
ただ、4KディスプレイでフルHD部分だけ再生していたら、あまりにもバランス的に悪いということで穴埋め用のコンテンツを表示させる。ネット関連のメニューに加えテレビ番組部分をディスプレイ上のフルHDサイズ内で再生させるという手段を取ることで画面サイズに散らばるアイコン等を適時整頓できる。
まあフルHDで再生させておけばキレイに見えるということと、まだまだ4K対応コンテンツが少ないためアップコンバートして画質を荒くさせることよりは、フルHD解像度のコンテンツではアップコンバーター等は使わずそのサイズで表示させ、空白となる部分にネット動画へのサイトや各種コンテンツを並べて対応したほうがよほど賢いと言えるだろう。
消費者としては民放各社が豊富に4K対応コンテンツを充実させていないのに、受け皿となるテレビのメニューの便利機能を拒否するというのは、頓珍漢なマネをしているようにしか見えない。今後も対応コンテンツが増えなければ、テレビが4Kや8Kといった高精細画面になればなるほど空白部分を別コンテンツで埋めるといったことが必要になってくる。
今後もパナソニックに限らず国内各社はテレビ機能のスマート化を進めていくだろう。こうしたチグハグさは解消されていくかもしれないが、今回問題になったような技術ルールなど、ネット側を叩きたい民放としては、そうそう簡単に引き下がることはないというのが実情だろう。
まさに消費者不在でモノの価値を勝手に決めるような行為はテレビ局の得意とするところだが、ちなみに消費者向けの家電製品へのこうした風当りに対して、テレビ局傘下であるためか、批判報道がほとんどないのが残念だ。
このように消費者にはよく伝わらない状態で、勝手に物事が決まってしまた例では、全録レコーダーでのB-CASカードの枚数などがある。例えば、パナソニックの全録機DMR-BXT3000はB-CASカードは3枚必要となっている。1台なんだから1枚で済ませればいいのに、そうせずに余計なことをさせる頭の固さといったことで、今後もテレビ番組離れは確実に進みそうだ。
民放各社もこのようなことを続けていけば、音楽業界がコピーコントロールや違法ダウンロードへの対応が悪すぎて売り上げが落ちるという悪い方向に向かったように、テレビ離れだけでなく、国内家電の世界での競争力低下にもつながっていく可能性もある。はやいとこ解決しなければならないだろう。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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■民放が嫌がっている「マイホーム機能」
民放各社が技術ルールに違反しているという理由でCM配信を拒否している機能とは「マイホーム機能」のことのようだ。2013年4月に発表された製品から、タッチ対応のリモコン経由や音声操作に対応するなど、スマートな機能がより強化され、そして「マイホーム」という機能が追加された。
マイホーム機能とは、テレビの電源を入れたときに表示される画面をカスタマイズできる機能だ。テレビ番組の画面を全画面表示することもできるし、テレビ番組の画面に加えて、天気予報、Webサイトへのブックマークなどど同時に表示するなど、自分が使いやすい画面を設定できる。Windowsでいえばデスクトップ画面のカスタマイズだ。
しかし、民放各社の技術ルールでは、視聴者がテレビ番組の内容とそれ以外の情報を混同しないように、テレビ番組を表示する際、それ以外の情報を表示することを禁じるなどしているということで、このマイホーム機能が技術ルールに違反しているとしているようだ。まあそれは表向きの理由だろう。
この機能に対応しているのはパナソニックの製品でも上位機に限られる。プラズマのVT60シリーズとGT60シリーズ、液晶のFT60シリーズ、DT60シリーズ、E60シリーズだ。画面サイズは最小で42型。価格は最安値の製品で7万程度から。
こうしたテレビ放送以外の情報を表示する理由であるが、たとえば現状ではフルHD(1920×1080ドット)が最大と決まっている状態で4Kといった大画面状にフルHDを表示させたいといったケースでは、画像を4Kサイズに拡大して映し出すケースと、フルHDの範囲だけ再生させるという方法が取られる。
ただ、4KディスプレイでフルHD部分だけ再生していたら、あまりにもバランス的に悪いということで穴埋め用のコンテンツを表示させる。ネット関連のメニューに加えテレビ番組部分をディスプレイ上のフルHDサイズ内で再生させるという手段を取ることで画面サイズに散らばるアイコン等を適時整頓できる。
まあフルHDで再生させておけばキレイに見えるということと、まだまだ4K対応コンテンツが少ないためアップコンバートして画質を荒くさせることよりは、フルHD解像度のコンテンツではアップコンバーター等は使わずそのサイズで表示させ、空白となる部分にネット動画へのサイトや各種コンテンツを並べて対応したほうがよほど賢いと言えるだろう。
消費者としては民放各社が豊富に4K対応コンテンツを充実させていないのに、受け皿となるテレビのメニューの便利機能を拒否するというのは、頓珍漢なマネをしているようにしか見えない。今後も対応コンテンツが増えなければ、テレビが4Kや8Kといった高精細画面になればなるほど空白部分を別コンテンツで埋めるといったことが必要になってくる。
今後もパナソニックに限らず国内各社はテレビ機能のスマート化を進めていくだろう。こうしたチグハグさは解消されていくかもしれないが、今回問題になったような技術ルールなど、ネット側を叩きたい民放としては、そうそう簡単に引き下がることはないというのが実情だろう。
まさに消費者不在でモノの価値を勝手に決めるような行為はテレビ局の得意とするところだが、ちなみに消費者向けの家電製品へのこうした風当りに対して、テレビ局傘下であるためか、批判報道がほとんどないのが残念だ。
このように消費者にはよく伝わらない状態で、勝手に物事が決まってしまた例では、全録レコーダーでのB-CASカードの枚数などがある。例えば、パナソニックの全録機DMR-BXT3000はB-CASカードは3枚必要となっている。1台なんだから1枚で済ませればいいのに、そうせずに余計なことをさせる頭の固さといったことで、今後もテレビ番組離れは確実に進みそうだ。
民放各社もこのようなことを続けていけば、音楽業界がコピーコントロールや違法ダウンロードへの対応が悪すぎて売り上げが落ちるという悪い方向に向かったように、テレビ離れだけでなく、国内家電の世界での競争力低下にもつながっていく可能性もある。はやいとこ解決しなければならないだろう。
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