米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長発言を契機とした株式市場の変動も、ここにきて落ち着いてきた。
それに合わせて、新興市場を中心とする小型株にも持ち直しの動きが出ている。日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数ともに水準を戻し、それにつれて個人投資家の売買も活発になってきた。
前回に続き、この機会に注目したい小型株を取り上げてみたい。
■ジェイアイエヌ
ジェイアイエヌ<3046>は、均一料金の眼鏡「JINS」(ジンズ)ブランドを展開して急成長。2001年の開業からわずか10年余で、すでに全国に160店舗以上を展開する。人気の秘密は、メガネをおしゃれ製品と位置付けたセンスの良さと、デザインから製造までを自社で行うSPA(製造小売業)による低コスト。パソコンからのブルーライトをカットする「JINS PC」、ドライアイ予防の「モイスチャ」や超軽量の「エア・フレーム」といった機能付き製品が支持を集めている。とくに「JINS PC」は、視力矯正の必要のないユーザーもターゲットとなっていることで、市場が大きいことが優位点だ。「ITライフハック」の読者にも、ユーザーは多いことだろう。
キャンペーンも業界としてはユニーク。2010年に人気アニメ「ワンピース」とのコラボ製品を投入し、シリーズになる大ヒットを記録。7月からは、特撮で有名な円谷プロダクションの創業50周年を記念し、「ウルトラマン」などをモチーフにしたメガネとサングラスを発売する。
ジェイアイエヌの課題は、オンラインショップが不正アクセスで停止中なこと。業績への影響は軽微なようだが、長引くとイメージに影響するだけに早期回復を願いたい。
■デジタルアーツ
デジタルアーツ<2326>は、インターネットのセキュリティ・ソフトの開発・販売会社。代表製品は「アイ・フィルター」で、パソコン用として初めて、日本PTA全国協議会の推薦を受けたコンテンツフィルタリング(有害情報遮断)・ソフト。国内メーカー製パソコンにも標準搭載され(NEC、富士通<6702>など)、スマートフォン(高機能携帯電話)版も販売されるなど、もはや「定番ソフト」となりつつある製品。迷惑メール対策やメールの誤送信防止などの機能を持つ「エム・フィルター」も、企業を含め支持を受けている。
野村総合研究所<4307>グループの情報セキュリティ専門会社・NRIセキュアテクノロジーズとも業務提携で合意、メールセキュリティソフトウェアの製品一本化、共同企画・開発、市場開拓などを行う。
愛知県では、7月から18歳未満の青少年に携帯電話やスマートフォンを販売する場合、販売店などにフィルタリングの説明等を義務づける条例を施行した。同様の条例は千葉県でも施行済みで、この動きが広がることにより、同社への恩恵も期待できる。
株価は5月8日高値1795円から6月7日には安値871円まで半値水準まで売り込まれたが、現在はその修復過程。押し目買いを心掛けたい。
■Jトラスト
Jトラスト<8508>は旧商号が「イッコー」、金融業・不動産業等を行う持株会社。傘下には、日本保証(貸金業)、Jトラストシステム(システム開発)、アドアーズ<4712>(アミューズメント施設運営)などがある。日本保証は、旧・武富士の事業を承継していることでも知られる。
同社は、5月にライツ・イシュー(上場型新株予約権の無償割り当て)による1000億円規模の増資で話題になった。
もともと、積極的な合併・買収(M&A)で業績は好調な上、日銀による「量的・質的緩和」も追い風になっている。ライツ・イシューの発表で株式価値の希釈化が懸念されて下落したが、増資は将来への布石であり、この突っ込みは買い場と判断したい。
(小沼正則)
※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。
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株式投資これだけはやってはいけない (日経ビジネス人文庫) [Kindle版]
ジェイアイエヌ<3046>は、均一料金の眼鏡「JINS」(ジンズ)ブランドを展開して急成長。2001年の開業からわずか10年余で、すでに全国に160店舗以上を展開する。人気の秘密は、メガネをおしゃれ製品と位置付けたセンスの良さと、デザインから製造までを自社で行うSPA(製造小売業)による低コスト。パソコンからのブルーライトをカットする「JINS PC」、ドライアイ予防の「モイスチャ」や超軽量の「エア・フレーム」といった機能付き製品が支持を集めている。とくに「JINS PC」は、視力矯正の必要のないユーザーもターゲットとなっていることで、市場が大きいことが優位点だ。「ITライフハック」の読者にも、ユーザーは多いことだろう。
キャンペーンも業界としてはユニーク。2010年に人気アニメ「ワンピース」とのコラボ製品を投入し、シリーズになる大ヒットを記録。7月からは、特撮で有名な円谷プロダクションの創業50周年を記念し、「ウルトラマン」などをモチーフにしたメガネとサングラスを発売する。
ジェイアイエヌの課題は、オンラインショップが不正アクセスで停止中なこと。業績への影響は軽微なようだが、長引くとイメージに影響するだけに早期回復を願いたい。
■デジタルアーツ
デジタルアーツ<2326>は、インターネットのセキュリティ・ソフトの開発・販売会社。代表製品は「アイ・フィルター」で、パソコン用として初めて、日本PTA全国協議会の推薦を受けたコンテンツフィルタリング(有害情報遮断)・ソフト。国内メーカー製パソコンにも標準搭載され(NEC、富士通<6702>など)、スマートフォン(高機能携帯電話)版も販売されるなど、もはや「定番ソフト」となりつつある製品。迷惑メール対策やメールの誤送信防止などの機能を持つ「エム・フィルター」も、企業を含め支持を受けている。
野村総合研究所<4307>グループの情報セキュリティ専門会社・NRIセキュアテクノロジーズとも業務提携で合意、メールセキュリティソフトウェアの製品一本化、共同企画・開発、市場開拓などを行う。
愛知県では、7月から18歳未満の青少年に携帯電話やスマートフォンを販売する場合、販売店などにフィルタリングの説明等を義務づける条例を施行した。同様の条例は千葉県でも施行済みで、この動きが広がることにより、同社への恩恵も期待できる。
株価は5月8日高値1795円から6月7日には安値871円まで半値水準まで売り込まれたが、現在はその修復過程。押し目買いを心掛けたい。
■Jトラスト
Jトラスト<8508>は旧商号が「イッコー」、金融業・不動産業等を行う持株会社。傘下には、日本保証(貸金業)、Jトラストシステム(システム開発)、アドアーズ<4712>(アミューズメント施設運営)などがある。日本保証は、旧・武富士の事業を承継していることでも知られる。
同社は、5月にライツ・イシュー(上場型新株予約権の無償割り当て)による1000億円規模の増資で話題になった。
もともと、積極的な合併・買収(M&A)で業績は好調な上、日銀による「量的・質的緩和」も追い風になっている。ライツ・イシューの発表で株式価値の希釈化が懸念されて下落したが、増資は将来への布石であり、この突っ込みは買い場と判断したい。
(小沼正則)
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