参議院選挙公示直前の前回の記事「インターネット選挙解禁直前 候補者のネット活用状況に大きな格差」では、筆者の選挙区の定数3議席に対して、立候補予定者は7名と紹介したが、最終的に立候補したのは8名になった。公職選挙法では公示日前に事前運動することはできないため、だれが立候補するのか事前にわかりにくかったということでご容赦願いたい。

各候補者の政治活動や新聞やテレビの報道などで、誰が立候補するのかはだいたい事前にわかるようにはなっているが、直前まで立候補するのかどうか方針がはっきりしない候補者もおり、そうした人たちはネットでの選挙活動以前の問題、立候補を事前から準備していた別の候補者に対し選挙戦ではかなり出遅れることになる。


前回の記事の時点では確実に立候補しそうな候補者が7名いたため7名としたが、実はそれ以外にも立候補しそうだった候補者が2名いた。実際に立候補したのはそのうち1名のみで、結果8名が立候補することになった。そして、その中で実質的に選挙活動らしい活動をしているのは7名だ。1名は立候補したものの、ほとんど選挙活動と呼べる活動はしていないため、筆者の選挙区では実質7名が選挙戦を戦っている。

■本当に当選する気があるのか?
選挙活動をほとんどしていないある候補者は、公示から1週間近く経っても筆者の近所のどこをみても選挙看板にポスターが貼られていない。また、SNSのアカウントもあるのだが、普段からほとんど発言をしておらず、選挙期間になっても何の活動もしていない。どこかで活動しているのかもしれないが、立候補しただけで活動しているようには見えない。完全なる泡沫候補と言い切れる存在だ。

対して、今回の参議院選挙に立候補した別の候補者は、選挙の1年ほど前から政治活動のポスターが街の至る所に貼られていた。当時は何の選挙に立候補するのかもわからなかったが、少なくとも名前と顔だけは事前に浸透している。

このように選挙活動では、公示日前からの選挙区で認知されるための政治活動は非常に重要だ。たとえば通勤時に駅前でのぼりを立てて通勤途中の有権者に声掛けをして認知してもらったり、マイク片手に現状国が抱えている問題への疑問や解決方法などを演説したりといった活動を通し、有権者たちに名前と顔を覚えてもらい、投票してもらうという地味な努力をしているかといったことが当落を左右したりする。

■出遅れた人でもネットを活用すれば一気に認知度がアップするはず
ネット選挙解禁でインターネットで選挙活動ができるようになったことで、公示日以後ネットを積極活用すれば、事前活動が不足していても巻き返すことも可能かもしれないと筆者は考えていた。実際、いままでにもSNSや巨大掲示板を通じネットで急激に広まった政治家は多数いたし、良い評判だったためうまい具合に認知された人もいれば、炎上ネタだったため評判をがくんと落とした人もいるようだ。ネット選挙では、どんなプロモーションを行っていくのかと、注目していたのだ。

しかし、選挙の公示から1週間ほど経っても、筆者が住む選挙区の主な候補者は、日々の行動報告や直近の予定の公開程度にしか使っておらず、インターネットを積極的に活用しているとは到底言えない状況だ。これじゃあほとんど意味がない。

そのサイトから候補者の顔が見えてこない。あまりにも稚拙なサイト構成、そしてそこに掲載されている情報が少なすぎるのだ。あのレベルのサイト構築で、巨額のお金が動いているのだとしたら間違いなく詐欺だ。その候補者がもし落選したら、その業者を訴えてもいいのではと思える。それだけ拙いサイトが今回の参議院選でネット上にちらほらと登場している。

まあ身内による手作りのサイトもあるようなので、それは仕方ないと言えるが、もし高いお金を取られていたのだとしたら、濡れ手に粟のネットビジネスが1つ増えたというだけのことになりそうだ。ほとんど意味がないとは言い過ぎで、少ない情報でも有権者にとっては、街頭演説の予定などが事前にわかるため、興味のある候補者の演説には行きやすいなど、最小限の意味はあるかもしれないと言い換えておく。

ただ、自己紹介や街頭演説を動画で公開している候補者もいる。そうしたサイトでは候補者の実声などを好きな時間にいつでも確認できるようになるなど、インターネットでの選挙活動解禁はそれなりに効果を出せそうな雰囲気だ。しかし、今回の選挙では「なるほど、これは上手い!」と呼べるネット選挙の手法に巡り合えることは、おそらくないだろう。

しかし、頑張ればサイトは4~5日で作成できる。投票日まで、残り10日ある。その投票日までに改善できる部分を改善し、ネットでの選挙活動を制した候補者が選挙も制することになるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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