日本HPがタッチ操作対応のオールインワンPC「HP ENVY Rove20」を発表した。 バッテリーを内蔵しているので電源ケーブルを接続することなく使えるのが特徴だ。複数人で大画面のタブレットとして使えるこの製品だが本体に内蔵されているスタンドを使ってタテ置きしてワイヤレスマウスとキーボードを利用して通常のデスクトップパソコンのようにも使える。

AndroidやiOS、Windows RTといったタブレット市場が盛り上がっている中でPCの立ち位置が微妙に変化してきており新たな使い方が必要になってきている中で、小型のタブレットとはひと味違う、かといって従来のオールインワンPCとも異なる、パソコンの新しい使い方を提案する製品に仕上がっている。

■液晶一体型デスクトップPCのようなドデカSlatePC
「HP ENVY Rove20」は、PCで、CPUはインテルCore i3-4010U、OSはWindows 8。オールインワン型PCのカテゴリーに属する。いわゆる液晶一体型の製品だ。

オールインワン型PCは各社が参入しているが、どれも電源に接続して使うことを想定しており、利用するにはACアダプターや電源ケーブルが必須だった。この製品はバッテリーを内蔵しているため、電源を入れたまま場所を移動させて使うことが可能だ。うっかり電源コードを抜いてしまったり、自宅内のブレーカーが落ちたそしてもPCの電源がいきなり落ちてしまうことはない。

ただ本体の重量が5.6kgで、さらに20インチの液晶でサイズであり、かなり大きいため気軽に持ち運べる製品ではない。二十世紀のアメリカなら本当に持ち歩いて使うくらいの製品であったかもしれないが、二十一世紀の日本では、室内を持って移動する程度が現実的なところだろう。

例えば、普段は机の上に置いて通常のデスクトップパソコンとして使い、週末などにリビングのテーブルに水平に置いた状態で、家族とPC画面をのぞき込みながら次の旅行の行き先を相談するというようなシーンにぴったりくる。



■収納も楽にできるスタンドのギミックが秀逸
この立てたり寝かしたりするためのスタンドがよく出来ているのだ。完全に収納することもできるし、収納状態からワンタッチでスタンドを出せる。また、片手で画面上部を軽く押すだけで寝かせることもできるし、寝かした状態から画面を少し持ち上げればスタンドが自動的に降りてくるようにもなっている。

これ以外にも、底面の形状に工夫が施されており、堅いテーブルなどに置いた状態なら、片手で簡単に向きを変えることも可能だ。こうした動作は、タッチパネルの操作には影響ないようになっている。タッチ操作をしつつ本体画面の角度調整を行うことも楽々できる。

残念な点があるとすれば、フルHD以上の高精細液晶ではないこと。画面解像度は1600×900ドットだ。せめてフルHDサイズは欲しかった。液晶事態はIPSのため発色などは悪くなく十分な画質ではある。また、SDカードスロットが、画面を立てた状態ではアクセスできない位置にあるため、デジカメデータなどを頻繁に入力したりする用途では操作は面倒になる。

HPの直販で約10万円、店頭モデルは14万円前後からで、パソコンとしてはそれなりの価格になっている。個人利用が中心のタブレットではなく、家庭内で家族一緒に使える大画面タブレットとしても、パソコンとしても普通に利用できる製品として考えると完成度はかなり高い。今後は、他メーカーからも似たような製品が登場して来るだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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