EPSONが同社の誇るコンシューマー向けインクジェットプリンター2013年の秋モデルを発表した。いちばんの注目はA4プリンターの本体サイズながらもA3用紙への印刷が可能なフラッグシップモデル「EP-976A3」だ。さらにプリンターの印刷エンジンを小型化し全モデルに搭載したことで、ほとんどのモデルで前モデルからのコンパクト化を実現している。これによりプリンター搬送時の体積を削減できることになり、出荷時にかかるCO2の削減に成功するなど環境への配慮などもなされている。また、全モデルが無線LAN対応となったり、スマホやタブレット対応の強化など、時代に合わせより便利に進化している。


■本体デザインを刷新、ベースカラーを黒からホワイトへ変更
カラリオ2013年のラインナップの大きな変化は、全モデルが小型化したことに加えプリンターのベースカラーを従来の黒から「セラミックホワイト」と呼ぶ白ベースのカラーに変更したことだ。これにより、あらゆる場所に置いても自己主張をしない「うるさくないプリンター」へと変貌を遂げた。売れ筋モデルに関しては、ホワイトに加えて黒と赤も選択できるようにするなど従来から好評だった部分はきちんと残している。それではフラッグシップモデルから紹介していこう。

■コンシューマーモデルフラッグシップはA3対応の「EP-976A3」
2013年のフラッグシップを飾るのが「EP-976A3だ。型番最後のA3の文字が示すようにA3印刷に対応したモデルとなる。同社のビジネスモデルには、すでに爆発的ヒットを飛ばしているA3のスキャン&印刷に対応している「PX-1700F」「PX-1600F」というモデルがある。ただし、これはA3をいつも利用するユーザー向けの製品だ。A3サイズの印刷がたまに必要になるようなユーザー向けとは言えない。そこで背面の手差しトレイを利用して1枚だけのA3印刷を可能にしている。スキャナーはA4までだが複数回に分けてスキャンして合成するA3スキャンにも対応、文字通り家庭向けのインクジェット複合機で最高峰モデルにふさわしい製品に仕上がっている。

「EP-976A3」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:1.5pl
インク種類:6色染料(つよインク200)
スキャナー解像度:4800dpi(CISセンサー)


■ハイエンド向けのFAX対応モデル「EP-906F」
FAXの送受信もしたいという人向けのモデルが「EP-906F」だ。ADF(自動紙送り装置)を搭載しているので複数枚のスキャンやコピーも可能になっている。しかも自動両面印刷にも対応、ADFは両面読み取りが可能なので表と裏をスキャンして、なおかつ用紙の表と裏に印刷するなんてことも簡単にできる。3.5インチの液晶を使ったメニュー操作もフリック操作に対応するなど快適な操作性が自慢の製品だ。

「EP-906F」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:1.5pl
インク種類:6色染料(つよインク200)
スキャナー解像度:4800dpi(CISセンサー)


■最大の売れ筋「EP-806」シリーズ
唯一、3色のカラバリが用意されているのが、最大の売れ筋モデルとなる「EP-806」シリーズだ。色の違いによって型番が「EP-806AW」(ホワイト)、「EP-806AB」(ブラック)、「EP-806AR」(レッド)となる。FAX機能は持たないが快適な操作性や3.5インチの大画面を使ったフリック操作など、「EP-906F」から受け継ぐ高性能さが自慢だ。自動両面印刷も標準で搭載しており、2013年モデルの中でいちばんバランスの取れた製品となるだろう。

「EP-806AW」


「EP-806AB」


「EP-806AR」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:1.5pl
インク種類:6色染料(つよインク200)
スキャナー解像度:2400dpi(CISセンサー)


■手ごろな価格で性能も満足のスタンダードモデル「EP-776A」
印刷・スキャン・コピーの3機能に加え、2.5インチサイズの見やすい液晶そしてタッチパッドによる簡単操作がポイントのスタンダードモデルが「EP-776A」だ。失敗印刷を防止してくれる「用紙サイズチェック」機能なども搭載しており、手ごろな価格で高機能を使いたいという人向けのモデルが本製品と言えるだろう。

「EP-776A」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:1.5pl
インク種類:6色染料(つよインク200)
スキャナー解像度:1200dpi(CISセンサー)


■6色染料モデルの中で最も安価なバーシックモデル「EP-706A」
1.44インチという最低限の液晶を搭載し、印刷・スキャン・コピーの3機能は、上位に引けを取らない性能を持っているベーシックモデルが「EP-706A」だ。6色染料インクを搭載するカラリオシリーズの中では、最下位モデルとなる。必要な機能をぎゅっと凝縮することで最低限の機能を確保、印刷画質優先で価格を押さえたいというのであれば、多少の操作性は顧みないという割り切りができる人向けにおススメなモデルと言えるだろう。

「EP-706A」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:1.5pl
インク種類:6色染料(つよインク200)
スキャナー解像度:1200dpi(CISセンサー)


■数少ない4色顔料インク搭載の複合機「PX-436A」
顔料インクの良さは、印刷後にインクが乾燥してしまえば、多少の水濡れが平気だったり、いつまでも色が褪せない長持ちの発色性だったり印刷面をマーカーで書きこんだりしても弾かないといった部分だ。こうした染料インクに比べて優位な点を優先したいという人向けのモデルが「PX-436A」と言える。こちらも1.44インチの液晶といった感じで、使い勝手の部分をかなり凝縮している。顔料インクにこだわりたい人向けにおススメしたい。

「PX-436A」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:3pl
インク種類:4色顔料(つよインク200X)
スキャナー解像度:1200dpi(CISセンサー)


■印刷に特化しつつもスキャン機能も搭載するお手軽モデル「PX-046A」
4色顔料インク採用でプリント機能だけと思いきや、A4スキャナーまで搭載している低価格モデルが「PX-046A」だ。ボタンを押して行くだけの簡単操作でスキャンやコピーが可能になっている。本体はモニターレスなので、印刷を行うPCやスマホと連携をしつつ印刷するという人や、自宅で使う2台目のプリンターとしてもおススメだ。顔料インクなのではがきのあて名印刷に使い、背面は染料インクモデルで印刷するといった使い分けも可能だ。

「PX-436A」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:3pl
インク種類:4色顔料(つよインク200X)
スキャナー解像度:1200dpi(CISセンサー)


■染料インク印刷の高画質だけを提供「EP-306」
最小インクドロップサイズ1.5plの高諧調表現による高品位印刷だけを提供するモデルが「EP-306]だ。A4印刷だけのカラリオは、本モデルのみの貴重な製品となった。すでにスキャナーが付いている複合機を所有していたり、ネットワーク経由でスキャナーが利用できる環境であれば、スキャンは別の部屋に置いてある複合機を利用すればいい。しかし、素早く印刷を行い時には手元にプリンターがあると便利だ。そうした人向けに単機能ながら5760dpiの6色高画質印刷を提供してくれる「EP-306」はおススメと言えるだろう。

「PX-436A」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:1.5pl
インク種類:6色染料(つよインク200)
スキャナー解像度:1200dpi(CISセンサー)


■はがきや写真印刷専用のカラリオミーシリーズ
また、写真やはがき専用の超コンパクトプリンター「カラリオme」もアップデートされた。スマホとの親和性を高めており、iOSやAndroid経由で簡単に印刷が可能になった。スマホを操作画面代わりにしてスマホに付属してきたmicroUSB-USB接続ケーブルを利用するだけで写真や住所録の印刷などが行える「E-370W」(ホワイト)、「E-370P」(ピンク)、そして宛名印刷まで本体だけで可能になっている宛名達人モデルの「E-840」も登場。

「E-370W」(ホワイト)


「E-370P」(ピンク)


「E-840」


■主な仕様
解像度:5760dpi
インクサイズ:2pl
インク種類:6色染料(つよインク200)


なお、出荷は9月16日からで、価格はオープンプライスとなっているが、参考として予想実売価格を掲載しておく。機能の割に激安とも言える価格設定となっているので、そろそろプリンターの買い替えを検討してみるのはいかがであろう。

■カラリオ2013年秋モデル予想実売価格
EP-976A3:3万円台中盤
EP-906F:4万円台中盤
EP-806AW:3万円台前半
EP-806AB:3万円台前半
EP-806AR:3万円台前半
EP-776A:2万円台中盤
EP-706A:1万円台後半
PX-436A:1万円台中盤
PX-046A:1万円台前半
EP-306:1万円台中盤
E-840:5万円台中盤
E-370W:1万円台後半
E-370P:1万円台後半


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