■はじめに
失礼します。いきなり告知からです。9月25日(水)にJEPA(日本電子出版協会)さま主催のセミナーを担当させていただくことになりました。タイトルは「Appleの電子出版:iBookstoreとiBooks Author」で、主要テーマの1つにiBooks Authorを入れています。

さらに告知を重ねますが、このセミナーは拙著「iBooks Authorレッスンノート」(ラトルズ:2,709円(税込))の出版をキッカケに企画していただいたもので、当日セミナー会場でも書籍の現地販売が行われる予定です。

ということで、今回は本ブログでもiBooks Authorについて触れてみようと思います。



■iBooks Authorの特徴(メリット・デメリット)
iBooks AuthorはAppleが開発した、電子書籍制作ソフトです。MacのApp Storeから無料で入手できます。



iBooks Authorで作成する電子書籍(以後、「iBooks Authorコンテンツ」)は、残念ながらEPUB形式ではありません。Appleの独自形式なので、Appleの電子書籍リーダーアプリiBooksでしか閲覧できません。

しかも、iPhoneやiPod TouchにインストールされているiBooksでは閲覧できず、iPadにインストールされているiBooksが必要です。

ここで挙げたのはデメリットですが、iBooks Authorにはこれ以外にも様々なメリット・デメリットがあります。読者の方が、iBooks Authorでの制作を考える際に、予めそれらを理解しておく方がよいと思うので、以下にまとめてみます。

◆メリット
・アプリが無料である
・高品質な電子書籍を簡単に作成できる
・iBooks Authorでの制作時のイメージとiBooksでの見た目がほぼ等しい
・横向き時は固定レイアウト、縦向き時はリフローで表示できる
・EPUBでは利用できないiBooks Author用のオブジェクトを利用できる
・用語集が利用できる


◆デメリット
・Macでしか使えない
・2013年9月現在、日本語のiBooks AuthorコンテンツはiBookstoreで販売できない
・iBooks AuthorコンテンツのiBookstore以外での販売も認められていない
・iBooks AuthorコンテンツはEPUBのような標準仕様ではない
・iPad版のiBooksでしか閲覧できない
・EPUBのMedia Overlays仕様が使えない
・iBooks Author ver 2.0では縦書き、ルビ、右開きなどの日本語書籍向け機能がサポートされていない


■iBooks Authorの活用場所
以上のようなことを考えると、iBooks Authorコンテンツの販売を考えている方にとっては今すぐ使えるツールではないことが分かります。

それでも、日本語のiBooks Authorコンテンツの販売ができない状況がいつまでも続くとは思えません。また、日本語書籍向け仕様も未来永劫サポートされないと決まったわけではありません。

当面後回しになったとしても、横書きの雑誌のようなコンテンツはiBooks Authorを使用することで非常にクオリティの高いものを制作できます。なので、オシャレな電子雑誌などの制作を考えている方は、iBooks Authorの使い方をチェックしておいてよいと思います。

ですが、今現在に話を限定すると、やはり商用での利用は難しいというのが正直なところです。では、iBooks Authorはどんなところで活躍できるのでしょうか。

コンテンツの販売ではなく、コンテンツの制作に価値を見いだせる場所では活躍できそうです。例えば、学校などの教育機関で、班ごとにテーマを決めさせて資料を作らせるといった感じです。

デジカメなどで写真やビデオを撮影し、iBooks Authorに取り込んで1つのテーマに基づいたコンテンツを作成することは、少なからず得るところがあるでしょう。

iBooks Authorは元々は電子教材の作成を想定して開発されたものなので、資料の制作にも非常に適しています。ただ、機材としてMac、デジカメ、iPadなどが必要になるので、どの学校でもすぐに実行できるという状況ではないかもしれません。

ただ、機材が揃えばiBooks Author自体は無料ですし、いずれiBooks AuthorコンテンツがiBookstoreで配布できるようなったときには、広く公開することもできるので、費用対効果としては悪くない気がします。

■最後に
今回はiBooks Authorの概要について紹介してきました。次回も引き続き、iBooks Authorについて触れる予定ですが、次回はiBooks Authorのアプリケーションとしての特徴や機能について扱ってみようと思います。

■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi


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