アマゾンの電子書籍リーダー端末「Kindle Paperwhite」の最新モデルが発表された。電子インクを使用し、白黒で十分な小説などに適した電子書籍リーダーで、従来モデルと比較し、白と黒のコントラスト比が強化され、プロセッサーが25%高速化、ストレージ容量が2倍の4GBになるなど、基本機能が強化された。

従来モデルは7,980円だったが、新モデルはスペックがアップした分9,980円に値上げされている。ただこの価格は海外版の価格に比べると安い。しかも11月末まで購入すれば1,980円分の電子書籍購入券が付くので、実質的には値段は据え置きという計算になる。これは、国内での電子書籍リーダーの競争が激しいことから、日本では独自の価格設定にしているようだ。



電子インクを使用した電子書籍リーダーは、液晶に比べると書き換え速度が遅いが、画面書き換え時しか電力を必要としないので、バッテリー駆動時間が長いという特徴がある。カラー表示が可能な電子インクもあるが、Kindle Paperwhiteなどで採用されている電子インクは、白黒表示に特化したものだ。

挿絵が重要なライトノベルなどを除くと、小説などは基本的にカラー表示などは必要ないため、小説など、文字が中心の電子書籍を読むのに適したデバイスだ。

日本では、電子インクを使用した端末や電子書籍市場自体、アマゾンのKindle、楽天のKobo、ソニーのReaderなどライバルも多く、価格競争も激しいことから、米国での価格より大幅にディスカウントされて販売されている。今回のKindle Paperwhiteも新モデルでスペックアップ分値上げとなったが米国での価格に比べるとかなり安い。

アメリカでは広告付きで119ドルなので約1.2万円。広告なしで139ドル(約1.4万円)。日本の9,980円は広告無しと同等になるので、3割引き程度で販売されることになる。従来モデルは円高時期だったし、Kindleの本格参入ということもあり、かなりお買い得だったが、今回は為替の影響を受けた上にスペックアップがあったため値上がりしたが、それでも安い。やはり楽天のKoboなどライバル機が存在するからこその価格設定だろう。

なお、別の話になるが米国では「Kindle MatchBook」という紙の書籍を買えば書籍にもよるが、無料から3ドル程度の追加出費で電子版も購入できるサービスが始まっている。端末だけではなく、サービス面での競争も激しくなっており、複数社が競い合うことで市場が健全化しユーザーににとってよい方向へ向かって欲しいところである。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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