ピアノアプリで演奏しているところ


日本HPが、17型液晶搭載の「HP ENVY17 Leap Motion SE」というノートを発売する。Leep Motionというセンサーを内蔵しているのが最大の特徴だ。このセンサーは両手の指10本の動きを認識する。キーボードの上部空間に両手を差し出すことでセンサーが指の動きを感知するようになっている。

もちろん一般的なノートパソコンのようにも利用できる。このセンサーを使用している様子は、SF映画のマイノリティ・リポートで登場した空間上の端末操作やブードゥー教の魔術師の祈りのようにも見える。現状で対応するアプリは限られるが慣れると、かなり便利に利用できそうだ。


■モーションセンサーによるPC操作の歴史
以前から、東芝の液晶一体型PCやデルのデスクトップPCなどでWebカメラを利用してジェスチャー操作に対応したパソコンが登場している。どれも本格的なアプリの操作というよりも、離れた場所でのビデオの再生や停止など、どちらかというとリモコン代わりに使うような機能だった。PC向けのジェスチャー操作機能は、まだまだ発展途上で本格的に使うには、機能が不十分だったためだ。

その一方でXbox 360のKinectといったゲームをプレイする用途には十分実用に耐えられる機能が登場している。パソコンでもジェスチャー操作への対応を強化する「Kinect for Windows」もある。3Dカメラを使用したインテルの「Intel Perceptual Computing」なども登場しており、ここ最近でジェスチャー関連技術が一気に向上してきたと言っていいだろう。

Intel Perceptual Computingと同じように、高度なジェスチャー操作を実現できるのが、今回のHP製品に内蔵された「Leep Motion」だ。Leep Motion自体はUSB接続の外付けセンサーとしてすでに発売されているが、このセンサーを本体に内蔵してしまったのが「HP ENVY17 Leap Motion SE」のというわけだ。

黒いバーの部分がLeep Motion


センサーはキーボード下のパームレスト部分に内蔵されており、センサーの上部空間で手を空中で操作することでジェスチャー操作ができる。Webカメラでのジェスチャー操作は、ディスプレイ上部にカメラが設置されているため、手をかなり上に上げる必要があるが、Leep Motionはキーボード面から10cmから15cm程度に上げるだけでジェスチャー操作ができる。

実際に使ってみたところ、手や指を軽く動かすだけで認識する。最初はかなりの違和感があるがマウスなどとは違った操作感の体験は新鮮だった。しばらく使っていくうちに操作に慣れると、例えばGoogle Earthはマウスなどの操作よりも快適に世界中を飛び回っているようにグリグリと操作することができた。

これだけでキーボード入力やマウスを含む全操作が行えるようになるセンサーではないものの、こうした新しい操作の一体系として今後の対応アプリの充実を期待したい。タブレットにこのセンサーを搭載してソフトウェアキーボードの操作ができるようになるなど、応用範囲は広そうだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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