車のインパネに裸眼3D液晶を応用した例。警告が飛び出して見える


3D立体視のシステムは、2010年が元年と言われ数年間は対応機器が次々と登場し、今でもテレビなどでは3D対応製品が出ている。現実に目を向けてみると映画館や携帯ゲーム機などを除き、あまり注目されていない。

一過性のブームとしての3D立体視が過ぎ去ったと言ってもいい状況ではあるが、ディスプレイ各社は3D関連の技術開発を地道に続けている。例えば、10月に横浜で行われたディスプレイ関連の展示会「FPD International 2013」では、ジャパンディスプレイが車載向け裸眼3Dシステムのデモをしていた。


■要注目な裸眼の3D立体視システム
偏光フィルターやシャッター式の3Dメガネをかけての3D立体視の3Dは映画館で落ち着いて映像をみる用途などではいいが、自宅のリビングでリラックスし、この状態であのメガネをかけてバラエティ番組を見るような用途には向かない。

このメガネ自体がオシャレじゃない上ジャマになる。そこで裸眼で3D立体視を実現できるグラスフリー化が望まれている。ただ、裸眼立体視の場合、方式によってはちょっと頭を動かしただけで、クロストークと呼ばれるゴーストのような画像が二重に見えてしまうことが起きる。

3D対応ディスプレイの活用は、テレビやタブレット、PC向けディスプレイだけではなく、産業分野でも進んでいる。その中で、各社が力を入れているのが自動車分野だ。たとえば自動車のインストルメントパネル(インパネ)を、従来の針を使ったメーターから、液晶などに置き換える動きが進んできた。さらなる発展形としてジャパンティスプレイがインパネに裸眼の3Dディスプレイを応用するモデルを出展していた。



展示されていたのはグラスフリーの裸眼3Dだ。これにヘッドトラッキングシステムと組み合わせ、従来よりもクロストークが出にくい3D立体視を可能としたことを強調していた。インパネ全体がディズプレイになるので様々な情報を表示できるようになることを生かし、たとえば警報を単に表示するだけでなく、3Dで飛び出してきたように表示するデモになっていた。

車の運転中は前方はもちろん、左右も注意する必要がある。そのため頭の向きは常に変化している。この微妙に動く頭をヘッドトラッキングシステムを用いて追跡、この動きに追従させることで視差バリア方式の裸眼3Dでもクロストークが出ないようにする。実際に試してみたが頭を素早く動かしても、従来の裸眼3Dに比べ格段にクロストークが減少しているのがわかった。

また、ディスプレイ上の警告マークは、それを点灯しただけでは、見落として気づかないこともある。これが3D立体視で飛び出してくるような表示になれば、すぐに目につくため緊急時でも即座に対応しやすくなりそうだ。
この技術や対応ディスプレイが、すぐにどこのかの自動車メーカーに採用されるわけでないが、このような技術を生かして何らかの製品に展開されると3Dも見直されるようになるだろう。

テレビやPCでは、あまり活用されなかった技術だが、応用する分野を変えることで、一気に普及し、さらに技術が高まっていくということになって、進化を続けていってほしいものだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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