Roviという企業の業務内容を知っている人はそう多くないだろう。同社はテレビ番組や動画など各種メディアのメタデータを持つ会社だ。日本でもG-GUIDE番組で多くのテレビなどに向けて、番組情報などを配信しているので同社のサービスは身近ながら認知度の遠い企業と言える。そのRoviがラスベガスで行われたCESにあわせて最新の技術を紹介した。

最新の番組表はHTML 5ベースで表示されており、新しい情報などに書き換える際にも簡単に対応できる。動画配信は4Kがどうなるかまだわからないなど、未知の部分も多いが、番組表に関してだけは今後の変化に柔軟に対応できるようになっているようだ。


今回CESは様々な新技術を紹介する中で、特に目を引いたのがHTML 5ベースでのテレビ番組の情報表示のデモだ。HTMLベースで表示されているとは見えない感じで、デモを見る限り見た目や操作感は従来と同様、画像表示が遅れるようなことはなく安定して使用できていた。



日本では、最新のテレビでも基本的に文字表示が基本のラテ欄ベースのデザインで番組表が表示される。ラスベガスでは、Roviによる最新の日本のHTML 5ベースの番組表もデモしていた。基本的にラテ欄表示だが、番組情報を表示すると、テレビ番組のロゴなどが画像で表示され、どんな番組なのかが一目でわかるようになっていた。さらに、出演者を選ぶと、その画像が表示され、他の出演番組なども表示されるというように表示する内容も、より内容の濃いものとなっていた。

このような日本の番組表の構成自体は2013年10月のCEATECで公開された情報だ。しかし、アメリカはCATVサービスが広く普及しており、300以上というチャンネル数が多いこともあり、柔軟に画面表示を変更できるHTML 5による番組表は、かなり有効だ。

このHTML 5ベースの番組情報表示では、テレビやチューナーがインターネットに接続されていれば、放送番組だけでなく、インターネットの動画紹介を組み込みといったことも技術的には可能になるだろう。

進化が続けば、将来はテレビを視聴しようと電源を入れるとRoviのレコメンデーション機能「TotalGuide」が過去の視聴履歴などから、現在インターネットで話題になっていて、なおかつユーザー好みの動画をおすすめしてくると言うような機能が搭載されるようなこともあり得るだろう。

Roviが持っている動画のメタデータは、現状では映画などが中心で、このメータデータと個人の好みを組み合わせたレコメンデーション機能自体も放送波を基本としている。これがネット動画などにも広がり、放送波とネット動画を横断したレコメンデーション機能をもつようになってくると、ユーザーとしてはおもしろい動画に出会える確率が増え、こうした番組表の重要度が飛躍的に上昇することになるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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