Free 4Gとして販売されているChromebook


先日、GoogleのChrome OS搭載の「Chromebook」は、スマホやタブレットと共にパソコン市場(Windows PC)に影響を与えるであろうことを紹介した。その理由の1つとして3万円程度と価格が安いことを挙げた。そして直販系PCのようにオンライン販売だけでなく、家電量販店で販売されることも、一般ユーザーへ訴求しやすいポイントの1つと言える。「見て、さわって、気に入ったら、その場で買って帰る」、しかも価格は3万円となれば、飛ぶように売れたとしてもおかしくはない。

価格が安いということでもわかるようにハードウェアスペックは低い。しかし、Chromebookの中には高解像度ディスプレイを搭載し、10万円を超える「Chromebook Pixel」という高級モデルも存在しているのだ。このモデルはWi-FiとLTE対応モデルと通信方法も選択できるようになっている。このように、Chromebookは単に安いだけの製品ではないということにも触れておきたい。




ここまでChromebookを取り上げてきたが、デバイス自体のストレージ容量が少ないという問題は残る。オンラインストレージのGoogle Driveの利用を前提としている。低価格なChromebookは2年間で100GB分の利用権がついている。これだけで1万2千円程度の価値がある。ただし2年後に別途課金が必要になる。

高級機であるChromebook Pixelは、Wi-Fi版が1299ドル(約13万円)だが、Google Drive の容量1TBを3年間使える利用権がついている。Google Drive の容量1TBの3年間の料金は約18万円なので、デバイスの価格よりも無料で提供されるサービスの価値のほうが高い計算になる。かといって3年後にさらに18万円出すかといえば、おそらく出さないだろう。

高級機のChromebook PixelはGoogleが提供しているが、低価格モデルのChromebookは、PCメーカー各社から提供されている。メーカーごとにそれぞれ特徴があるが、例えばHPが提供しているChromebookの場合、LTEデータ通信の利用権がついている製品もある。

本稿執筆時点(2014年1月29日)、本家HPのオンラインサイトで348ドル(約3万5千円)で販売されているのが「HP Chromebook 14-q070nr WWAN 4G」、Costco(コストコ)のオンラインサイトで「HP Chromebook 14-q063cl」が379.99ドル(約3万8千円)で販売されている。この両製品にLTEのデータ通信利用権がついているのだ。

KindleでもAmazonへの通信をAmazonが負担してくれるWi-Fi+3Gサービスというのがあるがネットが使えるというわけではない。いっぽうChromebookはLTEや3Gのデータ通信が可能で容量は月に200MBまでという制限はあるがかなり太っ腹なサービスだと言える。

これには、アメリカ国内線の機内で使えるWi-Fiサービス、GoGo Inflightの12回分の無料使用権もついており、各種ホットスポットサービスなどを組み合わせて使えば、データ通信利用料が不要になる。こうしたサービス込みのモデルを日本にも投入してくれば、Chromebookは安くていい買い物になるだろう。日本ではどこのキャリアが自社のLTEや3G回線付きのChromebookを取り扱うのか? といった点にも注目したい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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