PlayStation 4が日本でも発売された。Xbox Oneも今後、日本での予定が発表されるだろうが、どちらもPCアーキテクチャを採用した最新世代の据置型ゲーム機だ。現在のミドルレンジPCクラスの性能があり、同等性能のPCを買うと8万円程度にはなるが、4万円から5万円程度とお得な価格で提供されている。

こうなると、ゲーミングPCが不要に思えてくるが、PCならではの特徴がある。その中で、デスクトップPCで特徴的なのが拡張性だ。
■最新ゲーム機があればPCは不要?
PS4とXbox Oneは、従来のゲーム機とは異なり、PCベースのアーキテクチャを採用している。ゲーム機ではあるが中身はほとんどパソコンということだ。どちらもAMDのCPUとGPUを統合したカスタムAPUを採用しているため、単純に現行製品と比較することはできない。

PCアーキテクチャとして比較した場合にXbox Oneより性能が高いのがPS4となる。CPUにAMDのJaguarコア、AMDのRadeon HD7850程度のGPUを採用と、性能がわかっているためだ(ただし、OSの動作によってゲームプレイの快適さは異なる)。これと同等性能のWindowsパソコンは、8万円程度で売られているミドルレンジのゲーミングパソコンとなり、PS4はこの半額程度なので、安いと感じられるかもしれない。

毎回新しくゲーム機が発売されると、性能と価格のバランスが注目されることが何年も続いている。今回は、PCベースのアーキテクチャと言うことで、高価なゲーミングPC不要論が特に目立っているようだ。

■確かにPCのメリットは薄れつつあるが・・・
家庭用ゲーム機と比較し、PCで遊ぶゲームの利点はいくつかある。その中でも家庭用ゲーム機と比べた際にわかりやすいのが、圧倒的に高品質なグラフィックだ。もちろん、ハイエンドのゲーミングPCはPS4などに比べると圧倒的に高性能だ。しかし、PS4やXbox Oneのように8万円程度のPCが4万円程度の家庭用ゲーム機と同等のグラフィックスになってしまうと「ゲーム機でいいや」と思う人が出てきても不思議ではない。

しかし、PC、特にデスクトップPCは、内部のパーツを交換できるという特徴がある。PS4やXbox Oneといったゲーム機は購入したとき以上の性能に強化することはできないが、パソコンなら部品を交換すればそれが可能だ。CPUやメモリー、グラフィックスなど、どのパーツを選ぶかにもよるが数年前のPCでも性能の底上げができる。

特にゲームで効果を発揮するのがグラフィクスカードの交換だ。ゲームは、CPUやメモリーの性能も重要であるがもっとも重要なのがグラフィックすで、その根本がGPUの性能だ。ゲームに適したGPUを開発しているAMDやNVIDIAは、2年前後の周期でGPUの世代を新しくしている。つい先日もNVIDIAが現行のKeplerアーキテクチャに代わるMaxwellアーキテクチャをリリースした。Keplerに比べ、1コアあたりの性能で1.35倍、ワットパフォーマンスでは2倍の性能向上を実現している。

といったようにGPUの世代が変わると、性能は一気に上がるので、世代交代に合わせてGPUが搭載されているグラフィックスカードを交換すれば簡単に性能を上げることもできる。また、ゲーム機としての性能が低くなってしまったとしてもWindowsパソコンであれば、ネット視聴用、ビジネス用、といった各種用途に使えるという大きな違いがある。PS4でライトゲームをプレイしながら、メールをやり取りしたり、攻略サイトを見ながら、RPGを進めていったりといった芸当は、いまのところできない。ゲーム機とPCを同時に所有するという関係は、今後も続いていくだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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