ウェアラブルコンピューターの関連商品では、メガネ型端末(HMD系端末)や腕時計型など様々な機器を各社が開発中だ。ウェアラブル機器の一種と言えるHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)自体は、以前からあった。これまでの製品は、視点的にはかなり離れた位置に画面が見えるような製品で、例えるなら大きなディスプレイが目の前にある視覚、たとえば100インチのディスプレイが1.5メートル先にあるような感じがする製品だった。

もちろん大画面なので便利ではあったが、こうした視覚から進化した製品が登場してきた。それが装着しているHMDから見える景色が現実と連動しているように感じる全面ディスプレイ型のヘッドマウントディスプレイだ。現在、開発者向けに提供されているOculus VRの「Oculus Rift」を体験すると臨場感のすごさが実感できる。

1月にラスベガスで開催されたCES 2014では、各社がOculus Riftを使ったデモを展開していた。このOculus Riftは、2012年にクラウドファンディングのKICKSTARTERに登場し、2013年頃からゲーム開発者などを中心に注目を集めていたHMDだ。

従来製品との違いは、その圧倒的な臨場感だ。トラッキングセンサーにより頭を動かせば表示される画像もそれに合わせて動き、実際にそこにいるかのような臨場感を得られる。さらに、サラウンドヘッドホンなどと組み合わせると、完全にその世界の中にいるかのような錯覚にすら陥ってしまうほどだ。まさに最先端のHMDであると言えるだろう。



開発者向けのOculus Rift Development Kitは300ドル(約3万円)で提供されている。このOculus Riftの最新版「Crystal Cove」が2014年のCESでお披露目された。一般向けの製品もそれほど遠くない時期に、それほど高くない価格で提供されることが予想される。

CES 2014では各社がこのOculus Riftを使って様々なデモを展開していた。ゲームが中心で、実際にすごい臨場感を得られるが、これでFPSゲームなどを遊んだらすごいことになりそうだ。実際にOculus RiftとFPSゲームに最適なコントローラーを提供する企業もある。



VirtuixのOmniという製品がそれで、一般的なコントローラーやキーボードを使って操作するのではなく、銃の形をしているコントローラーと、自分の向きと、足の動きなどを検知する床部分と組み合わせた器具と言ってもいいサイズの製品だ。

フィットネスクラブに設置してあるルームランナーくらい大きいため日本の住宅環境では、設置するのは難しいだろう。逆に海外、とくに部屋が広いアメリカでは家にルームランナー程度なら置いている家庭も珍しくないので、個人で所有するのも現実的だ。この製品も499ドル(約5万円)でプレオーダーを受け付けている。

PS4やXbox OneそしてPC向けのゲームでこうしたデバイスが利用できるようになれば、ゲームの世界というものが大きく変化することは間違いないだろう。このOculus Riftは、ほんの一例に過ぎない。まだ一般販売されていない周辺環境も含めて様々な機器が登場してくると思われるため、今後数年でのゲーム系ウェアラブル機器の進化はすごいことになりそうだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

Oculus VR
Virtuix Omni

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