Ultrabookなどの薄型パソコンやiPhoneシリーズ、7インチ以上のタブレットや小型のデジタルデバイスの多くはバッテリーが本体に内蔵されておりユーザーが自分で交換することができないようになっている。そして一般的な利用方法では2年から3年程度でバッテリーに寿命がきてしまう。その後も十分なバッテリー駆動時間が必要であるのなら、メーカーに依頼してバッテリーを交換してもらう必要が出てくるのだ。バッテリー駆動時間を気にしないなら、そのまま使い続ける事もできるが、経年変化でリチウムイオン電池が膨らんでしまう場合があり、その影響で利用できなくなってしまう可能性がある。

実は筆者が2008年に購入し、ほとんど使用することもなくなっていたMacBook Airの液晶が閉まらなくなっていることに最近気がついた。どうやら本体にあらかじめ組み込まれているバッテリーパックが膨らんでしまい、キーボード面まで変形してしまったことが原因のようだ。

■バッテリーが変形しやすいリチウムイオン充電池
リチウムイオンバッテリーは、経年劣化などの影響で、内部の電解質が劣化しガスが発生してしまう可能性がある。もしもこのような状態になってガスが発生すると、そのガスが逃げ場を失いバッテリーが膨らんでしまう。劣化しても膨らまないバッテリーもあるが、運悪く機器に組み込んだバッテリーが膨らんでしまうと、ユーザーが自分で取り外すのも難しい。場合によっては、この影響で本体が故障してしまう可能性だってあるだろう。

今回のMacBook Airの場合、キーボード面まで明らかに変形してしまった。一応ノートブックとしての使用はできるが、キーボードを中心とした部品が故障する可能性がある。アップルの場合、保証期間外にこのような状態になると、バッテリー交換費用だけでそれに関連する故障が発生したとしても、他の故障部分も修理するようだ。このタイプのバッテリー費用は2014年3月現在で13,400 円 (税込)。

約5年前の製品で、ほとんど使用していない製品を原状復帰させる費用としては中途半端に高い。仮にバッテリーを独自に安く入手し自分で交換しようとしても、変形したキーボード面などを原状復帰させるのは難しいだろう。

このような状態になってしまっても、バッテリーが取り外せる製品なら、バッテリーを取り外した状態で使用できる製品が多いが、バッテリーがあらかじめ本体内に組み込まれ、他の部品に影響が出ていしまうとそれも難しい。薄型のiPhoneやiPadといったタブレットの場合、バッテリーが膨らんでしまうと、本体が割れたような状態になるようで、実質使えなくなってしまう。

このようにバッテリーパックの故障だけが原因で、本体が実質的に使えなくなってしまうことが起きる。最近は低価格タブレットや、小型のデジタル機器などに、あらかじめバッテリーが組み込まれいることも増えている。MacBook Airだけに限らずにこのような問題で長期間使えなくなってしまう可能性があることも考慮しておこう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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