これまで本連載で「2014年のPC市場の台風の目となるか? 日本でも注目されつつあるChromebook」「10万超の高級機も登場! 単に安いだけではないChromebook」「え、ホント? 東芝は3万円のChromebookを国内で店頭販売するの?」で紹介してきたGoogle OSを搭載するChromebookに動きがあった。先日インテルとGoogleは、HaswellやBay Trail-Mベースの新モデルを発表した。



Chromebookは、Windowsに置き換わる低価格なクラムシェル型のノートパソコンとして欧米で人気だ。今回発表された新製品は、従来より高いパフォーマンスに加え、長時間のバッテリー駆動を実現。さらに、タブレット型やデタッチャブルノートのようにクラムシェル型以外のスタイルにも対応するようになった。

■性能向上で単に安いだけではなくなりつつあるChromebook
Windowsノートパソコンの置き換えを狙うクラムシェル型のChromebookは、Celeron(Bay Trail-M)を搭載し、バッテリー駆動時間が11時間と長い。ほかにもバッテリー駆動時間は短いがHaswellコアであるCore i3を搭載して高いパフォーマンスを発揮するモデルも発表された。

それぞれ価格や仕様は各社によって異なるが、タブレットのようなタッチパネル搭載モデルもあり、Celeronモデルは276ドルから、Core i3モデルが349ドルからと入手しやすい価格になっている。販売は今夏以降で、アメリカでは年末商戦に向けた低価格製品を中心にラインアップをそろえることになりそうだ。

さらに、フォームファクターも多様化し、Chrome OS端末の選択肢も増えていくようだ。従来はクラムシェル型のいわゆるノートパソコン然とした製品がほとんどだったがレノボからはYOGAヒンジを採用した「ThinkPad YOGA 11e Chromebook」や「Lenovo N20p Convertible Chromebook」が登場。

インテルが力を入れているノート型とタブレット型を行き来できる2-in-1の機構もChrome OS端末で取り入れられることとなった。また、オールインワン型の「LG Chromebase」、外部ディスプレイに接続する「HP Chromebox」など、デスクトップ的な製品も登場する。

今回の発表で注目なのは、単に新製品が発表されたというよりも、多数の製品でインテルの最新CPUが採用されたこと、さらに主要各社がChrome OS端末市場に参入したことで、Windows搭載PCとガチンコで勝負することになるといった点だ。

Chrome OSはスマートフォンで主流のARM系のCPUでも動作するが、今回発表された新製品はインテルプラットフォームなわけで、その気になればWindowsを走らせることができるプラットフォームにChrome OSを、あえて搭載しているということになる。もはやWindows+Intelの「Wintel」時代は完全に終わったと見ていいだろう。

またPCメーカー最大手のレノボがコンシューマー向けのChromebookを投入することがどういう意味を持っのか? といった点にも注目したい。これはWindows搭載PCをメインにしていた企業がChrome OS端末に本格参入することを意味しているわけで、それなりのボリュームで一気に市場が拡大することを意味している。

こうした点を見ると、日本ではどうなるのかは不明だが、今後、世界的に見てChrome OS端末がWindows搭載PCの牙城を切り崩し、一定のボリュームでユーザーを獲得することになる。iOS、AndroidとWindowsの牙城を切り崩してきたライバルにさらにChrome OSが加わることでWindows陣営が、どう反撃に出るのか、注目していきたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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