米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表に注目が集まっている。毎月100億ドルずつのテーパリング(量的緩和の縮小)は継続されることが確実視されるが、今後を占う上で、FOMCにおけるタカ派とハト派の議論には注目が集まっている。

そんな中、東京株式市場では、日本経済の回復期待から個人を中心に新興市場銘柄への物色が旺盛となっている。今回は値幅取り妙味のある銘柄について解説してみたい。



■急騰するUBIC
まず、UBIC。電子データの収集や分析、訴訟支援を中心とし、ビッグデータ関連銘柄としても注目されている。

電子メールやヴォイス・メッセージを解析して自動的に文書化したり、メール内の人物関係を可視化して法令違反の予兆を見つけたりするなどの機能を持つ人工知能(AI)搭載のソリューションを発表、警察などでの利用が期待されている。膨大な電子データをクラウド上に保存し、再利用するために素早く検索できるシステムや、システム利用のためのトレーニングコースも開発している。こうした需要は世界的にあり、新興国を含めて需要に結びつく可能性が高い。

なお、同社の人工知能は、人間の行動情報科学に基づいて独自開発したもので、「訴訟社会」といわれる米国でも実績を持つ。UBICは、米ナスダックにも上場している。

パソコン遠隔操作事件に関する思惑や、「サイバーセキュリティ基本法案」が国会に提出されたことも追い風になっている。

株価は5月安値364円を目先底の急騰。やや過熱感が出るところだが、中期妙味十分で押し目買いを心掛けたい。

■積極的なM&Aで伸びるじげん
次に取り上げたいのは、じげん。ドリコムから分社し、リクルートグループも出資して設立された。転職情報の「転職EX」、中古車情報の「中古車EX」、結婚相談の「婚活EX」など、15にのぼる多彩なインターネット情報サイトを運営し、月間のユニークユーザー数は約700万人。積極的なM&A(合併・買収)でも知られている。

3月に子会社となったよじげん証券(旧インターキャピタル証券)は、株式公開(IPO)に関するノウハウを上場を検討する企業に提供する事業を展開、新興企業に対して、医療に見られるようなセカンドオピニオンを提供している。

じげんは、今後も積極的にM&Aを行う計画だ。当面、時価総額1兆円を目標とし、分野としては、購入サポートや新卒者の就職支援、ホテル予約などを検討しているという。

株価は5月安値より大幅反発しただけに、ここは25日線への押し目形成局面を狙ってみたい。

小型株に注目が集まるのは、日本経済の底上げが進みつつある証拠でもある。今回取り上げたような注目銘柄はまだまだあり、成長銘柄を着実に拾っていきたいところである。

(小沼正則)

※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。

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