昨日「スマホやタブレット向けのオフィスアプリの競争激化か? 個人向けのOffice 365を国内投入」という記事で、クラウド型サービスとなるOffice 365の個人向け版が2014年中に提供される予定をお伝えしたが、日本では圧倒的に普及しているプリインストール版Officeとの関係がどうなっていくのかについて考えてみたい。



日本では個人ユーザーがMicrosoft Officeを使う場合、店頭で販売されているOfficeがプリインストールされたパソコンを買うか、Officeをパッケージとして購入する方法が一般的であった。中でもOfficeがプリインストールされたパソコンは、Officeをパッケージで購入するより実質の価格が安くなるためその人気は高い。

現在、日本で販売されている個人向けパソコンは、OfficeなしモデルとOfficeありモデルの2モデルで展開されていることが多い。中でも店頭で圧倒的に多いのがOfficeアリモデルだ。Officeアリモデルは、非搭載モデルに比べて約2万円高い。日本ではビジネス用に一般的に使われているWordやExcel、PowerPowerポイントを自宅でも使うために、価格が高くなっても初めからプリインストールされているOfficeモデルを選択するケースが多い。

当然ながらプリインストール版Officeは、パソコンを購入すれば追加料金の支払いの必要がない。そのパソコンが壊れるまで使用できる。しかし、今度サービスが始まる個人向けのOffice 365になると毎月課金のの有料サービスになり、使い続けるためには当然、サービス使用料を払い続けなければならなくなる。

■2014年内はパッケージ版Officeは販売されるが、その先は?
年内にOffice 365の個人向けサービスが始まった際、従来のプリインストール版Officeは、おそらそのまま残るだろう。もちろんパッケージ版も年内は販売されると思われる。しかし、2015年以降にプリインストール版が継続して提供されるのか、それともプリインストールを廃止し、その代わりにOffice 365を1~2年間無料で利用できるクーポンが付くような形態に変わって提供されるのかは、まだ決まっていない。

たとえば個人向けサービスがすでに提供されているアメリカを見てみると、個人向けOffice 365は、いくつかのプランが用意されており、最も安いOffice 365 Personalは1か月あたり約700円(6.99ドル)で提供されている。このプランではデータベースソフトのAccessも使え、プリインストール版のOffice Home and Business 2013よりも多くのソフトやサービスが利用できる。

前述したようにプリインストール版が廃止されOffice 365の一定期間無料利用権が付与されることになったとして、従来型プリインストール版Officeの価格と同程度の2万円分のサービス期間が提供されるすると月額700円換算では約28か月間利用できることになる。この期間を過ぎても使う場合は料金を支払う必要がある。

同じようなOfficeのライセンス形態は、過去に低価格パソコンのネットブック用に2年間ライセンス版Officeが提供されていたことがあるが、現在では見かけないということは、不評であったということだろう。また、日本で人気の8インチWindowsタブレットにはOfficeがほぼ標準添付されている。

このWindowsタブレット版Officeは、アメリカにおいてはアメリカでのOffice 365ライセンスに含まれている。これをそのまま日本に持ってくると日本のWindowsタブレット版Officeのライセンスにも影響する可能性もある。個人向けOffice 365のサービス料金やライセンス条件がどうなるかは、まだ決まっていないが、うまく調整するのは、そう簡単ではなさそうだ。Office関連のアプリを購入する予定があるなら、Office 365の価格決定まで様子を見るのも賢い方法だろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

デジ通の記事をもっと見る
スマホやタブレット向けのオフィスアプリの競争激化か? 個人向けのOffice 365を国内投入
英語キーボードの選択肢が少なくなってきたノートパソコンのキーボードオプション
再起動で製品構成を思い切りシンプルに変更した新生VAIOラインアップ
新生VAIO株式会社が目指すもの、それは「本質+α」だ!
4K動画時代に備えよう! 続・知らないと損をするSDカードの選び方