昨日の記事でマイクロソフトの「Surface Pro 3」はWindowsタブレットおよび2-in-1デバイスとしては他社製品と比較しても、非常に使い勝手の良い製品になったと説明した。

前モデルとなる「Surface Pro 2」までは、他社のWindowsタブレットと比べ、可もなく不可もない製品だった。しかし、Surface Pro 3でマイクロソフトは本気になったようで、薄型軽量化され、スタンド、キーボード付きのタイプカバーも大幅に改良され、使い勝手が大幅に強化された。いかにも「Windows 8.1使うなら、こういう製品を出してほしい」という同社のメッセージが込められているといっていい。



キーボードを含めた重量となると、日本の薄型軽量ノートパソコンのほうが軽いが、それででもSurface Pro 3はWindowsタブレットおよび、2-in-1デバイスの中でもトップクラスの完成度の製品といっていい。どういった部分に注目すべきかを説明していこう。

薄型軽量化され、持ち運びがより気軽に行えるようなったことだけでなく、使い勝手面での改良に注目だ。たとえばスタンドの角度調節幅が広がり、カバーと一体化したキーボードも一般的なキーボードのように、角度をつけることも可能になった。

画面の解像度が従来のフルHDから2160×1440へと高精細になり、画面アスペクト比は3:2になった。この改良により、タブレットおよび2-in-1デバイスとしては他社機と比較しても、大変に使い勝手の良い製品になっていると言える。

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■2-in-1デバイスとしての完成度はピカイチ
日本ではまだ発売されていないこともあり、長期間使用した際には何らかの欠点も見えてくるかもしれないが、筆者が短時間試用した限りでは、従来機種から大幅に強化されたSurface Pro 3の完成度は驚くほど高い。

しかし、従来と同様のクラムシェル型のノートパソコンのような使い方をしたいなら、日本の薄型軽量のノートパソコンのほうがはるかに軽く、キーボード入力やタッチパッドの使い勝手は上だ。また、タブレット単体としてみると、8インチのWindowsタブレットは画面サイズは小さくなるが、半分程度の重さで気軽に持ち運べるといった点で優れる。

Surface Pro 3の真価が発揮されるのは、ノートパソコンとタブレットの2台持ちを1台にまとめる2-in-1デバイスとしての用途だ。この分野はPCメーカーの製品も含め発展途上で、Windowsのタブレットに特化したアプリもまだ少ない。今後、需要が高まっていく分野と予想される。

Surfaceシリーズの登場当初、マイクロソフトが自社でWindowsパソコンを販売することで、PCメーカーに影響が出ると言われていた。しかし、これまでは他社の製品に魅力的な製品が多かったため、それほど気にする必要はない程度だった。しかし、今回のSurface Pro 3は完成度が高く、2-in-1デバイスとしての全体的な品質レベルが劇的に上がってしまった。予約数が前モデルの25倍という数値からも、それがわかるだろう。

今後、タブレットとノートの2-in-1と言っても、どういった機能をポイントに置くかによって製品の性格が異なってくる。Windows 8.1を作っているからこそ「こう使ってほしい」「こういう機能が欲しい」を実際のハードに盛り込むことができるわけで、今後の2-in-1デバイスは、Surface Pro 3を超える完成度でなければ注目を集めることができないだろう。ただし、日本メーカーは、以前から特徴を付けるのが得意なメーカーなはずなので、これを超える製品が必ず登場してくるだろうと思いたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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