毎年恒例となったNVIDIAの技術カンファレンス「GTC Japan 2014」が、2014年7月16日に東京で開催された。基調講演には、NVIDIA本社の特別研究員のデイビット B・カーク氏が登壇し、NVIDIAのTegraやGRIDといった同社の最新技術について説明した。基調講演の内容自体は、すでに海外で公表されている情報が多かったが、このタイミングでNVIDIA GRIDの無償トライアルが日本でも開始されたことが発表された。

ということで「GTC Japan 2014」についてレポートをお届けしよう。



今回の基調講演は、自動車への応用やNVIDIAのCUDAへの取り組みといったように、現在NVIDIAが注力している分野をまとめて知ることができる内容となっていた。今回、説明されたCUDA関連と、Tegra K1関連を中心に紹介しよう。

■様々な分野でCUDAが活躍
CUDAは様々な用途に使われるようになり、オーストラリアで無人飛行機による消化活動、HIV研究、乳がんの早期検出といった、様々な分野での活用が始まっていることが紹介された。

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CUDAが現在フル活用されているのはスーパーコンピュータの分野だ。この分野では、エネルギー消費効率の高いスーパーコンピュータランキングの「Green500」で、1位から15位までを実にNVIDIAのTesla採用機が独占していることが紹介された。

■スーパーコンピューターからスマホまでKeplerアーキテクチャーで統一
スーパーコンピュータに使われているTeslaから、パソコン向けのGeForceまで、Keplerアーキテクチャーが使われているが、これがスマートフォンやタブレット向けのTegra K1にもKeplerアーキテクチャーを採用したことでNVIDIAのGPUのアーキテクチャーが上から下まで統一された。

Keplerアーキテクチャを採用するTegra K1を搭載する組み込み機器用の開発キット「Jetson TK1」が、日本でも販売開始となった。NVIDIAによると、待ち望んでいたベンダーが多かったようで当初の予定を上回る出荷数となっており、今後は組み込み機器やホビーユースにもKeplerアーキテクチャーの採用が進んでいきそうだという。

■GRIDテストドライブの無償提供開始
また今回のGTC Japanのタイミングで新しく発表されたのが、NVIDIAのGPUを試用した仮想化環境のGRIDの無償トライアル「GRIDテストドライブ」の提供開始だ。これは、海外ではすでに始まっていた無償トライアル環境で、GTC Japanで日本での提供開始がアナウンスされた。

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ユーザー登録することでNVIDIAのGRIDを無料で利用でき、NVIDIAのGPUをフル活用した仮想デスクトップ上の各種アプリを体験できる。実際に使ってみると一般的な仮想デスクトップに比べ、3D描画のパフォーマンスが非常に高いことがわかる。GTC Japanでは日本にあわせた各種セッションも多数開催されたが、これらのセッションの資料はすでに公開されているものもある。また一部を除いて後日動画でも公開されることになっているので、気になる人はサイトをのぞいてみるといいだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

NVIDIA GRIDサイト
GTC Japan

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