最近は音楽・映像コンテンツの販売やレンタルが、以前のCDやDVDのような物理的なフィジカルメディアメインから、インターネット経由のデジタル配信メインへと移り変わって来つつある。物理的なメディアを用意する必要のないネット配信により、コンテンツ自体の値段は、破格に安くなった。これからはネットで音楽や動画を楽しむ時代になったと言っていいだろう。



■コンテンツの料金を米国と比較してみる
例えば、これまでのCDやDVDまでのフィジカルメディアの時代は、日本で販売されている音楽や映画ソフトは、アメリカと比べるとどれも高かった。このため洋楽なら価格が安い輸入盤や、DVDならリージョンコードが違うものの日本語字幕がなくても平気な作品の場合は、海外版を購入する人も多かった。デジタル配信となり価格が安くなったことで、この差が解消したとのかが気になる。

そこでデジタル配信が主流となりつつある昨今の内外価格差、さらにデジタルコンテンツとフィジカルコンテンツの価格差を調べてみた。

■モノによっては安くなった音楽コンテンツ
音楽はデジタル配信になって気に入った曲を1曲ずつ購入できるようになり利便性が向上した。CDではシングルが1,000円程度で販売されていたが、デジタル配信では1曲250円が日本での標準的な販売価格だ。シングルCDの場合、別の曲やカラオケなどで3~4曲が含まれていることがほとんどなので1000円で4曲とすれば1曲当たり250円で、それさえ買えればいいという人には、うれしい値下げと言えるだろう。

同様に複数の曲が入っているアルバムでは、音楽CDが3,000円程度のところ、デジタル配信では全曲が2,100円程度となっており、デジタル配信のほうが安い傾向にある。

■やっぱりアメリカは格安
アメリカでは音楽のデジタル配信が1曲1.29ドルで130円程度。アルバムは10ドル前後で1,000円ほど。いずれも日本の半分程度かそれ以下だ。なお音楽CDのアルバムだがアメリカでは、デジタル配信のなかった頃から10ドル程度で販売されていることもあり、デジタルと変わらない価格になっている。またCDシングルはほとんど普及していないため調査から外した。

このようにアメリカと比べると、日本の音楽コンテンツの価格は、CDもデジタル配信も高止まりしている。それだけ著作権管理団体が頑張ってユーザーからお金を取ろうと努力しているとも言える。

■映像コンテンツもやはりアメリカのほうが安い
映像コンテンツの場合は単純にフィジカルとデジタル配信という区分けは難しい。アメリカの場合、フィジカルメディアの映画はBlu-rayディスク、DVDディスクにデジタルコピー(データー)がセットになって25ドル(2,500円程度)の値段が多い。デジタル配信では15ドル前後で1500円程度。レンタルは5ドルから6ドル程度で5~600円ほど。

日本の場合、洋画のフィジカルメディアはBlu-ray、DVD、デジタルコピーがセットになったものも増えつつあるが、Blu-rayかDVDのどちらかのみというのものがメインで価格は3,000円から4,000円程度。デジタル配信での販売価格は2,500円程度で、デジタル配信でのレンタルは500円程度。レンタルと言うのは、その配信を見る期間が設けられていて販売の場合はDRM付きながらデーターをPCに落とすことができるようになっている違いがある。

映像コンテンツも日本のほうがデジタル配信、フィジカルメディア共にアメリカに比べると高い。しかし、日本のデジタル配信でのレンタルは、販売価格と比較するとリーズナブルだ。このあたりは、フィジカルでのレンタル市場が消滅しつつあるアメリカと、レンタル市場がいまだに大きい日本との環境の違いも影響していそうだ。

映画のレンタルで一部例外があるものの日本の音声・映像コンテンツの価格は依然高いままだ。輸入盤で安く購入できたのはフィジカルまでで、価格が安くてもIPアドレスの制限やアカウントの開設、料金の支払いの壁があり、海外の安いソフトをデジタル配信で購入することは難しい。

■映像コンテンツは一定金額で見放題になるサービスが断然お得
このようにコンテンツで購入すると高い映像コンテンツだが、これを限りなく安く見る方法がある。それがauのビデオパス、ドコモのdビデオ、Hulu、TSUTAYA DISCASの動画配信といったサービスで一定金額を支払えば(一部コンテンツをのぞき)見放題となるサービス。契約コースにもよるが、540円から最大2160円程度で、映像コンテンツが見放題になる。本数を見れば見るほど1本あたりの単価が下がっていくわけで、とにかく映像コンテンツを見まくりたいというのであれば、迷わずこうした見放題のサービスを利用することをおススメしたい。


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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