去る2015年5月30日(土)、都内 秋葉原「アーツ千代田 3331」において、ガジェットの祭典「Engadget例大祭」が開催された。祭典名は遷座400年という記念の年に行われる神田祭にあやかったもの。当日は明和電機のライブをはじめ、ライトニングガジェットトーク、第3回全日本クアッドコプター選手権など、様々な催し物があった。

当日、明和電機アトリエにて、『藤堂高行、明和電機ロボ婚開催トークショー「ロボットは結婚するのか?」』というトークショーがあった。来る2015年6月27日(土)、世界初のロボット結婚式「ロボ婚」が開催される。今回のトークショーは、新郎ロボット「フロイス」を開発した明和電機社長土佐信道氏と、新婦ロボット「ロボリン」を開発した藤堂高行氏が、結婚式を前にその親心(?)を語るというものだ。

筆者はロボット好きということもあり、同イベントに参加してみた。



■お風呂の椅子が頭のロボット「フロイスロボ」
トークショーは、明和電機土佐社長によるロボット同士の結婚式「ロボ婚」の話から始まった。新郎は明和電機が開発したお風呂の椅子が頭のロボット「フロイスロボ」、新婦は藤堂高行氏が開発した視線を合わせることができるロボット「ロボリン」だ。司会は感情認識ロボット「Pepper」だが、少し心許ないということで、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの陣内智則氏も司会を務める。

「フロイスロボ」は先述のようにお風呂の椅子が頭のロボットだ。耳は「石けん置き」、頭の上のアンテナのようなものは「マッサージの棒」、口は「冷蔵庫の脱臭剤」、手は「洗濯ばさみ」、足が「プランター」など、いずれも百円均一で購入した激安のパーツで構成されている。総予算は1万円くらいというから驚きだ。

お風呂の椅子が頭のロボット「フロイスロボ」 お風呂の椅子が頭のロボット「フロイスロボ」

開発の経緯だが、2007年に「バカロボ」という人を笑わせるロボットコンテストを企画したことがキッカケとなった。「バカロボ」では、12組のロボットが登場して人を笑わせることを競った。コンテストは2007年と2008年の2年で終わったが、プタペストのメディアアートをやられている方がテレビ局と組んでやりたいということで、その後、2回、プラペストでイベントが開催された。

その中で途中に登場してきたのが「フロイスロボ」だったが、当時は頭しかなかった。続いて、明和電機はアイドルをプロモーションしたのだが、そのプロモーションビデオの中で登場したのが、全身が出来上がった「フロイスロボ」だった。

明和電機社長土佐信道氏 明和電機社長土佐信道氏

■視線を合わせることができるロボット「ロボリン」
「ロボリン」は「ロボ婚」で新婦となるロボットだ。藤堂高行氏は今まで彼女がいたことがなく、「ゆきりん(※AKB48 柏木由紀さん)」のような可愛い彼女が欲しいことから様々な恋愛HowTo本を読んだ。そして最終的にたどり着いたのは、『どうすれば「人」を創れるか』(石黒 浩著)であり、石黒先生に習って「ロボリン」を開発するに至った。

視線を合わせることができるロボット「ロボリン」 視線を合わせることができるロボット「ロボリン」

彼女ができたら、何をしたいか? 「恋をするというのは、見つめ合うことです。ゆきりんの視線。引き込まれますよね。ほかに何もいらないです。」と、藤堂氏は視線が重要である点を強調した。多くのヒト型ロボットでは、首が動くと目線が振り回されるので、視線が合わない。ゆきりんの場合は、首を動かしても、目線がこちらを向いている。このことから、「眼球の動きが、首の動きから独立している。だから、(ゆきりんは)可愛い。」という結論に達した。

「ロボリン」の顔は、ゆきりんの様々な資料(グラビアやDVD)から手彫りで試作を作ったものを3DスキャンでCADにインポートして製作した。そして、首から独立した視線追尾を実装した。ニコニコ学会βでの発表では大きな反響があったそうだが、その中で、「悲哀」「困惑」「不機嫌」を感じるとの声を受け、「目蓋の追従があれば、不気味にならない」との結論に至った。トークショーの終了後、明和電機アトリエでは、来場者は「ロボリン」と目を合わせることができた。

新婦ロボット「ロボリン」を開発した藤堂高行氏 新婦ロボット「ロボリン」を開発した藤堂高行氏

「ロボ婚」の概要
日時:2015年6月27日(土)
開場:午後5時30分(受付開始)
開宴:午後6時00分
会場:青山CAY
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
料金:10000円/立食パーティー形式【限定100名】
ドレスコード:正装
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左が新婦「ロボリン」、右が新郎「フロイスロボ」 左が新婦「ロボリン」、右が新郎「フロイスロボ」

以上のように、明和電機「ロボ婚」開催トークショーを紹介した。「ロボ婚」では、豪華ゲストによる余興に加え、ロボット式お色直し(バージョンアップ)、思いでムービーから花嫁からの手紙まで、盛りだくさんのプログラムを、食事や酒とともに立食パーティー形式で楽しめるという。ロボットに興味がある人は、この機会にロボット同士の結婚式を体験してみては如何だろうか。

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