少子高齢化が叫ばれている現代だが、子供の数は、年々減る一方だ。人口減による競争率低下に押されてか、幼稚園、小学校や中学で私立学校に通うために入学試験を受ける、いわゆる“お受験”を選択する家庭が増えているという。

このため教育についてのニーズは高まる一方だ。ここ数年、教育の現場にICTを活用しようという動きに合わせ、実際に塾へ通って勉強するだけでなく、好きなときに好きな時間だけ勉強できる「オンライン授業」を利用するケースも、最近では広がりつつある。

こうした環境の中、「家庭教師のトライ」で有名なトライグループは、同グループによるICTへの取り組みとして無料オンライン授業「Try IT」の配信を年7月21日より開始した。Try ITでは、映像授業をスマホ向けにオンライン上で無料配信すると同時に、質問箇所についてもオンラインで家庭教師が的確に答えてくれるサービスだ。


家庭教師サービスのオンライン化に加え、スマートフォンを振るだけで授業のわからない部分を質問できる「Try IT」機能や、Try IT専用に収録した1対1型の映像授業など、家庭教師のトライならではのオリジナル機能を備えているという。まずは7月21日からは、中学生を対象とした英語、数学、理科、社会の4教科の授業を公開し、今後は高校生、小学生を対象とした授業も配信していく予定となっている。

s-tri02

■スマホを使って授業を受ける
Try ITはスマホを使って授業を受けることになるが、これは中高生のスマートフォン利用率が増加の一途をたどっていることも理由の一つである。しかし一方で「“人は人が教える”という信念は、UI(ユーザー・インターフェイス)の進化を問わず、同社の大切にすべき価値観であることに変わりはない」とも語っている。

また、ひとりひとりの「分からない」に対しては、家庭教師の個別の添削より丁寧に答えていくとのこと。また、映像授業のみならず、生徒が自習で使っている教材(学校や塾の教材)についても質問でき、添削が受けられる。家庭教師による添削は質問に対して個別で行われ、データで生徒のスマートフォン・PC・タブレット端末に送られる。

s-try10 不得意な問題などは質問して添削してもらうこと可能

授業は長くても1セット15分程度に設定。コンパクトに授業がまとまっているため、空き時間を利用して効率的に学習することができる。またこのサービスの会員登録及び映像授業視聴は完全無料で、現段階では中学3年分の授業が見放題となっている。なお質問には1回につき500円(税別)でのチャージがかかるというシステムだ。また映像授業に沿ったテキストは無料ダウンロードできる。

いわばスマホ向けのソーシャルゲームにおけるゲーム内課金と似たようなシステムなので、子供たちにもなじみ深く、利用時に戸惑うと言うことはないと思われる。

■実際に授業を体験してみた
筆者には現在、中学校3年の子供がいる。来年は高校受験を控えている。まさにこの授業を試してもらうには、うってつけの人物である考え、登録して授業を受けてもらい、現役受験生の素直な感想を述べてもらった。

s-try03

まずはTry ITのホームページにパソコンからアクセス。保護者の会員登録からスタート。親の情報を入力したら、子供側の入力へ。この時通っている学校の正式名称をきちんと入れると、自動的に利用している教科書を選んで登録してくれるので、対応した問題集を購入するのに便利だ。そして最後に子供のIDとパスワードを設定すれば登録は完了する。

s-try04 まずは保護者用の情報を登録

 

s-try05 次に生徒用の情報を登録する

登録が終了したら、子供が利用しているスマートフォンへアプリをダウンロード。iOS版とAndroid版の2種類があるので、持っているスマホ用のアプリをインストールすればよい。アプリのインストールが終われば、授業を受ける準備は終了だ。

■簡単にサクサクと授業を受けられるイメージ
実際の授業だが、長くても15分、短いものだと7分程度にまとめられており、「ポイントを押さえて理解することができる」と子供の意見。それぞれに簡単な確認テストが付いているので「自分の理解度を計ることができるのもよい」とのことだ。教科書の単元に合わせて授業が別れているので、自分が不得意と思っている分野を押さえるのにも適している。「授業で分からなかったところを家でもう一度おさらいするのには、とってもぴったりかも・・・」という感想だ。

s-try08 授業は7分~15分程度(左)スマホを振ると質問ができる(右)

s-try07 学年と教科を選べば授業を受けられる(左)受けたい授業をタップすればOKだ(右)

s-try09 授業が終わったらチェックテストを受けてみよう(左)特定の授業を「My BOX」に登録して、あとから参照することも可能(右)

このサービス、中学生にとって長時間拘束されず、空き時間に授業を受けることを繰り返すことで学力が向上していくわけだ。筆者の受験戦争世代とは別に、がむしゃらに机にかじりついて勉強する時代は終わりを告げつつあるということなのだろう。

今回の「Try IT」の取り組みについて、トライグループ曰く「勉強がしたくても近くに家庭教師がいない、塾や予備校のような学習施設がないといった理由や、経済的な理由で学習機会を逃さざるを得ないという意見を頂くこともあった。『Try IT』は、そういった居住環境や教育費による教育格差を是正し、教育を受ける機会と選択肢を充実させる契機にしたいと考えた」と述べる。スマホさえあれば0円で受けられる個人授業。中学生のお子さんがいる家庭ならば、まずは是非とも試してみることをおススメする。

Try IT

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

ITビジネスに関連した記事を読む
三度目の正直! 「インテル Compute Stick」Windows 8.1搭載モデルを6月12日に発売
「インテル Compute Stick」Windows8.1搭載モデルの発売を再度延期
Intel&AMDプラットフォーム対応の水冷一体型ユニット、CORSAIR 「Hydro Series H80i GT」
ドスパラ、「Intel SSD 750」シリーズを搭載した「GALLERIA ZG SSD750搭載モデル」の販売を開始
Intel XMP対応でHaswell-Eをきっちりぶん回せるKingstonのDDR4メモリー「HyperX FURY DDR4」