東京で開催される本格的な国際アニメーション映画祭である「東京アニメアワードフェスティバル2015」で授与される「アニメドール」のトロフィー制作プロジェクト発表会が、2015年3月3日に都内の会場にて開催された。席上にはトロフィーをデザインした大河原邦男氏も登場。ラフを提出したら意外とすんなりと決まったという話や、癒し系のロボットに興味があることなどを様々語った。



anime02 「機動戦士ガンダム」などのメカニックデザインをした大河原邦男氏

発表会には大河原氏のほかDMM.makeのプロデューサーを務める小笠原治氏、CerevoのCEOである岩佐琢磨氏、トロフィーの3Dデザインを担当した吉田晃永氏も登場した。語られた模様を以下にお届けしよう。

大河原邦男氏(以下、敬称略):1972年に竜の子プロダクション美術課、美術課と言いますとアニメーションの背景を描くセクションです。そこに入社いたしまして、その当時はまだ背景は筆とポスターカラーで描いていた時代で。新入社員になりますとまず3か月、その背景のテクニックを上司から教わる。

その訓練をしていたときに、私の上司の美術監督である中村光毅さんが私の脇に来まして。今回10月から「科学忍者隊ガッチャマン」という作品が始まるので、そのメカをやってみないかと。それもガッチャマンだけのメカデザインの仕事をやるようになったのですが。タツノコプロはご存じのようにそのあと、「破裏拳ポリマー」などメカものが続きまして、私は背景に戻るチャンスを失ってそのまま43年間、メカデザインを続けております。

私は偶然、このメカデザインという仕事に巡り会ったので、ただの仕事として成立させたいと思っていて。60までは死にものぐるいで仕事をしてたんですけど。まあ60歳になって、仕事として成立したから好きなことをやろうと。望まれることは全てOKして。海外でサイン会があると言えば行き、お金はくれないけど仕事をしてくれ、というのも全部受けるようにして、すごく充実した年寄りを過ごしております。

小笠原治氏(以下、敬称略):生まれたのが71年ですので、まさに大河原さんが作られたデザインに洗脳されてきた世代ですが。元々はさくらインターネットというデータセンターで仕事をしておりました。なぜ今物作りなのかとすごく言われるのですが、これからの“もの”、新しく生まれるデバイスですね、それがインターネットに繋がっていくと信じて、“物事のインターネット”というものを作って行きたいと思い、DMM.makeのプロデューサーもやらせていただき、Cerevoさんとも仕事をさせていただいています。

岩佐琢磨氏(以下、敬称略):私は小笠原さんの世代よりも一世代後ろになるんですが、78年生まれでして。5年くらいパナソニック、当時は松下電器作業でしたが、当時の言葉で“ネット家電”といいまして、インターネットやスマートフォンに繋がる家電を専門に企画をするという仕事をやらせていただいていまして。控え室で大河原さんとも話しをさせていただいたんですが、やはりこう、大企業はリスクをなかなか取りづらい体質であるというところで、世の中に全くないものをゼロから1に生み出すというのは結構難しくてですね。

そういうのをできる会社がないかなあということで、いろいろ探していたんですがどこにもなくてですね。それじゃあ起業しましょうということで、インターネットに繋がるハードウェアを専門に作る、そんな会社として株式会社Cerevoを2008年からやっております。今日は物作りという観点から話ができればいいなと思っています。

吉田晃永氏(以下、敬称略):今回3Dのモデリングをやらせていただきました。普段はプロダクトデザインやパッケージデザインをやっていまして。実際に人がものを使うようなものをデザインさせていただいているんですが、今回は大河原さんがデザインされたトロフィーということで、使うというよりは威厳があるものとして、モニュメントとして作らせていただいたというところです。

普段は自動車用品とか、実際人が使うような車いすであるとか、音響系であるというものをやらせていただいているんですが、そんな開発の中で3D CADとかCGを使うことが非常に多くてですね。今は東京デザイナー学院というところで3D CADを教えたりもしています。あとは工業デザイナー、プロダクトデザイナーが集まる公益社団法人インダストリアルデザイナー協会というのがあるのですが、こちらも関東、東北、北海道をまとめる、東日本ブロック長というものをやらせていただいています。

今回、プロダクトデザインとは一風変わった内容ではあるのですが、中学生の頃から大河原さんのガンダムであるとか、メカデザインにですね、非常に影響を受けている一人でもありまして。光栄なことであると思ってやらせていただきました。

――アニメドールの制作について一言いただければと思います。お話を受けたときはどう思われましたか。



小笠原:日本動画協会さんが近所でよかったなあと(笑)。近くにいなかったら頼んでいただけなかったんじゃないかと思いながら……。ただデザインを見たときは正直、メッキ部分であるとか、こういったところは3Dプリンタではまだまだ。すぐにメッキしたりというのは素材上難しくて、手仕上げがだいぶ必要であるなというのが率直なところで。我々としても出力としてチャレンジしなければならないことがあり、チャレンジングなデザインをいただいたなというのが正直な感想でした。

今回贈られるアニメドール トロフィーの試作サンプル 今回贈られるアニメドール トロフィーの試作サンプル

大河原:昨年のトロフィーも担当させていただきました。昨年の場合は細工がほとんどできない、ダイキャストじゃなくて本物の超合金を使ってトロフィーを作ったので、それをどうまとめるかという、選択肢がほとんどない仕事の依頼だったんです。

今回に関しては、動画協会さんからのオファーでは“日本橋”という大きなヒントをいただきまして、日本橋の擬宝珠(ぎぼし)と日本を発信するということ、そして日本、地球。それと日本橋のキリンの羽根、あとキービジュアルに使われているイラストのスチームパンクっぽいようなデザインをどうやって入れ込むかということで、数点ラフ描きを起こしたんですけれども。

これっきゃないということで出して、まあ、当然レスポンスがあると思ったんですけど、そのままあの、制作に入ってしまったので、私としてはずいぶん楽をしたんですけれども。

海外の方々がたぶん、アニメドールとかいただいたら記念になるんじゃないかなと。またあの、羽根の部分、普通アニメでは絶対こういうことはしないんですけれども。3Dプリンタだったらできるのかなと浅はかな考えで描いてしまったんで。それがうまく再現できているとすごく、私としても今回のトロフィーは大満足をしています。

――トロフィーの3Dデザインをされたときのポイントについて教えてください。

吉田:まず先生のデザインをいただいたときに、先ほどもお話ししましたように大河原さんのメカデザインの影響を受けたと言うこともあると思うんですが、ここはこうしたいんだろうなとか、ここはああしたいんだなというところが手に取るように伝わってきたというか。直感的に分かったということもありますので、苦労したところはないんですが。

特にメカとして、動くところは動くように、実際どうなっているのかを想定しながら、中にはメカは入らないですが当然、こういうものはこう入ってこう動くだろうということを想定しながら形を作っていったところが、非常に理にかなっているのかなと思っています。

単純に形というのはそのまま、面をつければ立体になっては行くんですけれども、プロダクトデザインの世界で、形をよく見せるためにとか、かっこよく見せるために、ある一つの技法というか、細かいこだわりみたいな事がありまして。単純に平面をつけたというよりは、全部に湾曲、曲面をつけているということがあります。

歯車にしても、面がちょっと曲面であったりとか、翼の部分にしても扇ぐための形、空力を考えたような、内側に湾曲した形にこだわって作っています。根元部分もちゃんと軸として回転するといったことになっていて、何かが刺さっているような形にはしていなくて、ものが中に収まるような構造を考えています。

実際に使ったソフトとしては、擬宝珠の中に入っている地球儀の部分はIllustratorで元々2Dフレームを描いたんですが、それを3D CADのRhinocerosというソフトに持っていって、あとは全てRhinocerosを使ってで3D化しています。それをソリッド化してSTLファイルにしてDMM.makeさんに納品したという形です。

――サンプルを見てどのような感想を持たれますか。



anime03 左から小笠原治氏、岩佐琢磨氏、吉田晃永氏

岩佐:早く最終版を見たいなあと。僕の会社は最後の量産品が何よりも美しいと思って。試作品はもちろん楽しいですけど、最後の最後、メッキされて、どのようになるのかは非常に興味がありますね。

最初のデザインを拝見して、途中の3Dも拝見して、最終的に出てきたこれを見て、様々な素材を組み合わせて作っているのが面白いなと。3Dプリンタというとどうしてもプラスチックで作ったものというようなイメージが持たれがちじゃないですか。台座の部分については3Dプリンタプラス一部木材を使っている。

透明な部分は3Dプリンタで出力したプラスチックの一種ではあるんですけれども、磨きをかけることでまるでガラスのような素材が出ていると。そういうところは3Dプリンタの今のトレンドといいますか技術の進歩、その辺の後加工技術は進歩してきていてですね、それと大河原さんのデザインで3Dというのが最後に見事にマッチしたなぁと。非常に面白いなと思っています。

――では次に、アニメーションの世界が現実になる技術力というテーマで話していきたいと思います。

小笠原:何でもできると感じていただけるのも願ったり叶ったりなんですけど。実際には割と小さなもの、両手のひらで持てる程度のものを作ることを考えてここを作らせていただいて。

アニメーションでいうと、中に出てくるデバイスであったり、情報端末としてのロボット、ガンダムでいうとハロみたいな大きさを想定して作らせていただいたり、今でいうと、それこそ2020年のパラリンピックに向けての人体拡張という話は出てきていますけれども、実際に義手を作ったりするようなチームがここに入居して、200万円くらいするような義手を3万円以下の原価で作ってみたりとか、実際にそういうことが起こり始めています。

ただアニメーションの中の具現化というところでは、私よりアニメーションが大好きな岩佐さんの方が、こういうものがいいんじゃないかというのがあるんだと思います(笑)。

岩佐:昨今物作りが多様化していまして、これまでなかったもの、先ほど自己紹介で0から1を作るようなことをやりたいみたいな話しもしたんですが、「こんなものを作ろうと思わなかったよね」というものが意外とやってみたらできちゃったというケースが。

もちろん、小笠原さんが言うようにできないものもたくさんありまして、ここに来れば何でもできるかというと、宇宙戦艦が作れるかというと作れないわけでありまして。今業界的によくアニメーションに登場するメカだったりキャラクターだったり、比較的に僕らのように物作りをやっている人たちの周りで現実的なものというと、一つはホログラムみたいなたぐいのもの。映画とかでよく出てきますけれども。

後はハロという話が出ましたが、完璧な、全高何十メーターもするガンダムのようなロボットはまだまだという話はあるんですが、皆さんの身近にも自動掃除機、勝手に張りし回って自分のところに戻ってきて充電するようなものは家電量販店でも売っているわけで。何か特定の機能に特化した小型のロボット、自律で床を動くだけではなくて自律で空を飛ぶとか、自律で海の中を行くとか。そういったものも出始めていまして。

自律で空を飛ぶというとドローンというキーワードが出てきますが。あれもよくアニメーションには出てきていて、最初にぱーっと出てきて打ち落とされるという(笑)。それと小笠原さんの話しにもあったハーフボーグ、一般的にはサイボーグといいますが、体の一部を機械化することによって私たちよりも処理能力、スキルを高めるというようなですね。個人的にはハーフボーグ、機械化が一番興味があるんですけどね。

あとは役に立たないロボットというのが好きだなぁと思っていまして。役に立たない、愛玩用あるいは何かちょっとやってくれるんだけど、アニメのドジっ子キャラみたいにですね、充電器になかなか帰れずその辺でころころしてるハロみたいなやつがいるとかわいいなと。

そういうものって実はテクノロジーの進化の過程で、どうしても高精度な動きができないとか、100%の処理ができないときに、うまくかわいさを見せるであったり、愛玩的なものであると割り切ることで、「しょうがないな」とつかんで戻してあげることで、メーカー的には性能の低さをうまくキャラクター性やデザインで補っているというものが結構出てくるんじゃないかと思っていて。大河原さんのデザインを拝見して「なるほどなあ」と思いながら、最近物を作っております。

――大河原さんはどのようにお感じですか。



anime06

大河原:私は嘘つきですから(笑)。アニメというのはほとんど嘘なので。それを見てファンになった方が一生懸命それを実現しようとしていろんなところで頑張ってくれていて。私としてはすごく責任を感じております(笑)。

数年前、豊田市で行われたものづくりフェスティバルに笹川ひろし監督と行ったときに、「i-REAL」ですか。一人乗りのモビリティの試乗をさせていただきまして。私のそばに開発技術者がお見えになりまして、「これは私のボトムズです」と(笑)。そう言われたときは私としても感心しました。

筑波大学の山海教授、サイバーダインの「HAL」の開発者ですが、あの教授もロボット大好きで、一番世の中で現実性を帯びている工業ロボットを別としたら、あのロボットが一番早く広まっていくんじゃないかなと思っています。私が筑波大学にお邪魔して山海教授と話してから数年ですけど、いろんなところにHALが活躍されております。原子力発電所の中にも入れるようなロボットにしたりとか、人間にできない事をしたり。

我々はアニメというのは「こんなのがあったらいい」なとか、アニメーターに形を伝える仕事なわけですが、そしておもちゃにするときに、おもちゃ屋さんの技術者に形を提示するという、そういうことが第一義なわけですが、それを感じて、またそれを現実に研究されている方がいる。

実は数年前、兵庫県立美術館で私の展覧会をやったときに、来館者のほとんどが40代(笑)。その方が子供を連れて見に来てくださいまして。私はガンダムをやったときに31歳だったんで、ファンの方も皆さんそこで止まっているような錯覚があったんですが。しっかりと30何歳年を重ねていらして。そういう方々がものづくりを含めていろんなプロジェクトにいる。アニメ(業界)半分だと、その半分はものづくりの仕事をしています。

私も絵そのものより物を作っているのが好きなメカデザイナーですし。メカデザイナーでも絵が好きなメカデザイナーと機械、あるいはものづくりが好きなデザイナーと分かれておりまして。私は自分で旋盤とかフライスとか3Dプリンタとかレーザーマシンだとか、そういうのを使って自分自身で物を作るのが大好きなので。

アニメっていうのは自由がきかないんですよ。皆さんが要望されるものをすべて、納得するような形の仕事がほとんどで。私の自由になるというのは、自分で機械を動かして物を作る時だけなんで。そのときが一番幸せを感じますし。ちっちゃな工場がありますので、作りたい物、何を作るかというのが一番わくわくすることなんですけど。

まあ、67歳になってもアニメの仕事もありますし、自分の好きな物を作って発表する場もありますし、先ほども言ったように、充実した年寄りだなあとすごく感謝をしています。これも皆さんファンの方のおかげと、つくづくこの頃感じております。

――最近「IoT」という言葉がよく出てきます。こちらについて小笠原さんからお話しいただけますでしょうか。



anime05小笠原:だいぶ飛躍してしまうんですが……(笑)。「IoT」とは「Internet of Things」という言い方をします。日本語で「モノのインターネット」という言い方をよく紙面では見かけるのですが、僕は誤訳だと思っていて。モノがインターネットに繋がるのではなくて、物事、世の中の変化であったり、いろんな人の動作であったり。

“物事”がインターネットに繋がる、そのために必要なデバイスというものが存在する。それはたぶん、アニメーションの中でいろいろ出てくる、主人公が使うようなデバイスであったり、自律型のロボットであったり。そういったものをすべて、IoTというものが結果として活動する形になるのだろうなという風に思っています。

そのために必要なネット家電、ネットに繋がったセンサーであったり、そういったものを作れる場所としてここのようなものを作ってみたり。そういうことを考えていた頃に岩佐さん、Cerevoに会って。

これからIoT、IoTというのはなかなか浸透しづらいですが、ネットに繋がったものを使って世の中すべてを繋いでいきましょうと。人間が使うインターネットの限界というのはたぶんあと100倍ないです。なので、それを無限大にするために、IoTという言葉を担いでそういった物を作っていきましょうというのがこの場でもあります。なのでそういうところを岩佐さんにご協力いただいているという感じですね。

――今後の展望がありましたらお伝えください。

小笠原:DMM.makeのプロデューサーもやらせていただいているので、事業計画をしゃべってしまうことになるのですが。事業計画自体はあまり面白いものではなく、粛々と成長させていく形ですし、日本で大河原さんがデザインされたようなものを作れる人たちを育てること自体も目的の一つです。ただ我々は簡単な言い方をしていまして、これから生まれてくるであろうインディーズメーカーで売れるような人たちの、吉本やavexのような存在でありたいと。

そういう方々が作った物を売ったり、物流を必要とされたり、サポートをどこかに頼みたかったりというところを我々は担当していきたいという風に考えていて。Cerevoさんと一緒にやっている理由としては、avexさんでいうと、岩佐さんに小室哲哉さんになってほしいと、でないと次が生まれませんという話しはしています。我々としてはCerevoさんみたいな存在をたくさん生み出し、育てていきたい。なのでこういう、無駄とも思えるような施設を作っているというのが正直なところです。

岩佐:いきなり高いボールを投げられてどう受けようかと苦労しているのですが(笑)。最近日本のものづくりは元気がないみたいな話をここ2年くらいすごく言われるようになったなと思っているんですが。家電もそうですし、自動車も一部の業界では似たような状況であったりとかして。最近、我々は実は製造をみんな海外でやっていまして、販売も半分以上は海外という。日本の人って悲観になるのが好きなのかなと。僕らはみんな不幸なんだという話をして、シンパシーで酔いつぶれるみたいな。

海外の展示会で僕らが作った製品とか、あるいは日本で作ったアニメーションもそうなんですが、「デザインド イン ジャパン」のもの、あまり僕らはメイド イン ジャパンにこだわりはなくて。デザインド イン ジャパンってアップルが「Designed by Apple in Califotnia」と言っているのが非常に分かりやすいんですが。

日本でデザインしたものを海外に持って行くと、それがアニメーションであっても、僕らのようなファブの製品であっても、どちらも日本として強いものだと思うんです。まだまだ強いもんだと思っているんですが。いいねといってもらえるんですよね。

格好いいねとか高性能だねとか、この目の付け所はなかったねと。僕らの国民性として、何か0から新しいものをクリエイトしていくというのは、かなりアドバンテージがあると思っているんです。ここを工場にしようという話ではなくて、あくまでこのDMM.makeという場所は、新しいものをデザインして、それが世界に羽ばたいていく、メーカーの卵みたいな物をたくさん作っていくという形になればいいかなという風に思って日々やっています。

ものすごく現場な話になるんですが、僕らのような始まったばかりの小さな会社をスタートアップっていいますけど、スタートアップって一つしか武器がなくて、唯一僕らが持っている武器ってスピードなんですね。お金は大企業にかないませんし、人数もかなわないし、ロビー活動とかもできないと。だからスピードだけは絶対誰にも負けないという。

このフロアで毎日、このデザインはどうかなとか、それこそ大河原さんがデザインを描いては消しという事をやってらっしゃるのと同じに僕らも企画書を書いては消し、デザインを描いては消しというのを下の設備を使いながら、作ってはつぶし、作ってはつぶし。こういうのをものすごい高速で回転させることができる、そんな設備が去年の11月にできましたんで、やっと僕らの一番強い、翼みたいなやつがやっとついたなと。すごくのびのびとやらせてもらっています。

吉田:私はここを使わせていただいているプロダクトデザイナーとして、どのように使わせていただこうかをお話ししたいと思っているのですが。今までプロダクトデザインに限らず、ものを作る、開発というものはだいたい量産といったものが前提としてあったものですから、金型というものを必要としまして、ものすごく制限があったんですね。必ず形として、割れなければいけない。金型から外せなくてはいけないという制限があったんですけれども。

このあたりが、3Dプリンタがすごく進化したということもあるんですが、あとCADも進化しまして、制限がなくなってきた。直感的に今こういうものがいいんではないかというものを、すぐに3D化して、形にして、出してみて、それをみんなに見てもらうという。そして意見をもらって、また次の新しいものに進化していくということが、ものすごいスピードでできるようになってきたという気がします。

ものを作るという制限がなくなってきたのと、今はまだ3Dプリンタのスピードが遅いのかもしれませんが、次は秒3くらいになるような期待もありまして。そうなってくるとものづくりの現場の作り方というものがすごく変わってくるのではないかと考えています。

そのときに一番大切なものというのは、人のアイディアであったりコミュニケーションであったりとか。つまり「事」というものを物事にして考えて行くことが重要なんではないかと考えていて。それをここでこれから、ものすごくいっぱいいろいろなプロの方がいますので、そういう方たちとコミュニケーションを取りながら、ものづくりに昇華させていきたいと考えています。

――最後に大河原さんに、DMM.makeに期待することなどをお話しいただけますでしょうか。



s-anime07_fixed

大河原:ロボットクリエイターの高橋(智隆)さんがロビ君を連れてきてデモンストレーションをしてくれたことがあるんですが。私はロボットバトルの方も絡んでるんで、どちらかっていうと家庭の中に入って癒し系のロボットというのをすごく興味がありまして。

元々ガンダムみたいなロボットとかスーパーロボットとかというよりは、ヤッターマンに出てくるようなロボットが大好きで。ヤッターマンのシリーズをやっている時というのは、お金がいただけなくてもやりたいという、すごくわくわくする仕事で。

ああいうかわいいものが家庭に入ってくるような世界というのは必ず近いうちに来ると思うので。我々というのは団塊の世代で、年寄りばっかりの世界がもうすぐ来るわけで。そうしますと、どうしても核家族ですし、かわいいものがすぐそばにあるという。今すごくペットが増えているのと一緒で、そういう癒し系のロボットに関してはかなり興味がありますし、やってみたい。

先ほど大手電機メーカーに(岩佐さんが)いらっしゃったということですが、私もその2年くらい前にデスクスタンドを開発しているんですが、発売寸前にその上の人が却下するんですね(笑)。担当の方まではすべてOKなんです。門真にある会社ですが(笑)。ロイヤリティまで払っていいという話になって一番上で止められると。そういう方は退職が間近なのであまりリスクを負いたくないというのはよく分かるんです(笑)。だけどあまり大きな会社になると、ものづくりに対しては弊害がある。だからDMM.makeさんみたいな所からどんどんどんどん育っていく。そういう姿を早く見たいと思っています。

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