2015年3月19日から3月23日の間、東京・日本橋で開催される「東京アニメアワードフェスティバル」にて、NFB(ナショナル・フィルム・ボード・オブ・カナダ/カナダ国立映画庁)の作品(全50作品)を一挙上映する「カナダフォーカスプログラム」の実施が決定した。この取り組みは、国際映画祭としてのTAAF2015最大の特集となる。

3月5日にカナダ大使館にて行われたプレスカンファレンスには、カナダ在住のアニメーション監督コ・ホードマン氏や、アニメーション協会副会長である東京藝術大学大学院映像研究家アニメーション専攻教授である山村浩二氏が登場。カナダフォーカスのプログラム内容や意義に加えて、ホードマン氏からはこれまでたどってきた足跡についての話があった。



04 左から江口美都絵氏、山村浩二氏、コ・ホードマン氏

まずは東京アニメアワードフェスティバル フェスティバルディレクターである江口美都絵氏から、カナダフォーカスプログラムについての解説があった。江口氏は日本の自慢すべきものとしてアニメーションがあるとしながら、浮世絵の生まれた日本橋(会場:TOHOシネマズ日本橋)で東京アニメアワードフェスティバルが開催されることの意義について強調。「大衆文化として世界に向けて発信されているのがアニメーション。それが日本橋から発信されるのは美しいストーリーであると考えて昨年から日本橋で開催されている」(江口氏)。

さらに「日本の中で海外のアニメーションを見られる機会は少ない」と江口氏。そういう機会をもっと増やしていこうとスタートしたのも本フェスティバルであると語る。「その意味も込めて大事なパートナーであるカナダにフォーカスすることを決めた」(江口氏)。

東京アニメアワードフェスティバルでは、海外の若手作家を呼んで紹介するプログラムもあるとのことで、今後も新しいプログラムについては追って発表されるとのことだ。

山村浩二氏 山村浩二氏

そして今回のカナダフォーカスプログラムのキュレーションをつとめたのが山村氏だ。山村氏は今回のカナダフォーカスプログラムが開催されることを喜びながらも「このキュレーションでよかったのかどうか今でも悩んでいる」と話しつつ、実験性の多いプログラムが多い傾向があるので、一般の方が理解できるような内容にしたとのこと。

「大人のオーディエンスを対象としながら、何か心に引っかかるものをセレクトしたつもりだ」(山村氏)。また、プログラムごとに副題をつけているが、それに沿ってアニメを見てもらうと理解が深まるという思いでセレクトしたそうだ。

ホードマン氏はオランダからの移民で、1965年に初めてNFBに関わったとのこと。当時はアニメーション業界は規模が小さく、ほぼ存在していないのと等しかったと語る。そのような中でパペットフィルムからスタートしたホードマン氏。その中でイヌイットの伝統をテーマに作ったアニメ「ガチョウと結婚したフクロウ」をキャロライン・リーフ監督の下で作ったとのこと。そしてフィルム作りを重ねる中で「砂の城」というアニメを制作。1987年にアカデミー賞を取るなど、世界的にも評価を得ることとなった。

コ・ホードマン氏 コ・ホードマン氏

2003年にNFBから離れても制作を続けていたホードマン氏。1945年のオランダを舞台にした、戦争に関わる子供たちを描いたアニメを作る。そして「ブルーマーブル」を完成させた後は、PTSDをテーマにした「カーディナル」という作品を現在制作中とのこと。資金繰りが厳しいのでサポートしてほしいとホードマン氏。「私がNFBに関わるようになってから次々と変化が起きている。初期の頃は次々と作品を作ることができた。いまではプライベートでクリエイトするアニメーターも出てきた。このプログラムを楽しんでほしい」と語った。全50作品は、7つのスロットに分けて上映される。

■東京アニメアワードフェスティバル2015 開催概要
会期:2015年3月19日(木)~3月23日(月)
会場:TOHOシネマズ日本橋
主催:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会/一般社団法人 日本動画協会
共催:東京都
後援:外務省、観光庁、経済産業省、文化庁、中央区、国際交流基金、日本政府観光局(JNTO)、日本貿易振興機構(ジェトロ)、イスラエル大使館、カナダ大使館、フランス大使館、ルクセンブルク大使館


東京アニメアワードフェスティバル2015

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